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サファイアの悲惨な一日










ポケモンの世界というのは、意外にも意外と広い。
その果てしなく広がる世界の中には、普通とは離れた、ちょっとおかしな施設もちらほらと存在している。
これは、そのちょっと奇抜な施設の一つ、くすぐり遊園地を体験したある少女のお話。
「おおー! こんな所に遊園地があっと!」
そう驚嘆の声を漏らした少女、サファイアの視界に広がっていたのは、巨大な遊園施設。
人があまり通らない辺境な地にひっそりと、しかしどっさりと目立つように、それは立地していた。
「少しだけ寄っても、バチなんか当たったりばしないとよ!」
その遊園地がある場所を、偶然にも通りがかったサファイア。
目の前で展開される好奇心を擽られる施設に、彼女目をキラキラと光らせながら、吸いこまれるように施設の中へと入って行った。
それが、対象をくすぐる事だけを目的とした遊園地だという事も知らずに。
「一名様ですね。それでは、これをお付け下さい」
遊園地に入って、受付の人に一人での来場を話すと、受付の人はニッコリと笑みを浮か
べながら、サファイアにリストバンドを渡してきた。
サファイアはそれに僅かに疑問の表情を受付に向けるが、サファイアが何かを質問する前に、
「おひとり様でいらっしゃった女性客には、サービスで一日フリーパス券が無料で渡されるのです。ただし、お手持ちのモンスターボールのお預かりと、三時間以上の滞在と三つ以上のアトラクションの搭乗が条件になっているのですが」
受付のその言葉に、思いがけない幸運に出会えたと思い、喜んでサファイアはそれを承諾し、遊園地の中へと入って行った。
「ほえ~、アトラクションが沢山たい……」
遊園地の中に入ったサファイアはまずその遊園地の広さに驚きを隠せないのか、少し怯んだような声を出しながら、受付の人から貰ったパンフレットを参考に、どこから行こうか迷っていた。
シューティング、ヒーローショー、ジェットコースター等、彼女の興味を引くものは多大にある。
「…………。決めた、最初はここに決めっとよ」
その中で、彼女が最初に乗ろうと決めたアトラクションはシューティングであった。
内容は簡単で、乗り物に乗りながら、時折出現する人型の敵を、手に持った銃で撃ち倒していくという物である。そしてその時に多くの敵を撃った場合、難易度が上がってもう一周できるのだとか。
サファイアは、早速そのアトラクションを楽しむべく、パンフレットの地図を参考にして、そこへと向かった。
時間にしておよそ三分程探して、目当てのシューティングアトラクションを見つけたサファイアは、嬉々とした表情で、中に入って行った。
並んでいる人は幸いにもいなかったため、彼女は直ぐに一人用の乗り物に乗る事が出来た。
備え付けられている椅子に腰を降ろし、安全の為のバーとシートベルトを体に装着し、乗り物の外へと飛び出さないように体を固定したサファイアは、乗り物の中にこれ見よがしに設置されていた銃を手に取り、ゲームを楽しむ準備を完了させた。
それを確認した受付は、サファイアが乗っている乗り物を起動させ、彼女をゲームの世界へと誘う。
サファイアが乗っている乗り物は、徐々に建物の奥へと進んでいく。途中、このゲームにおける世界観の簡単なストーリーが流され、否応にもサファイアの高揚感を高めさせて行く。
そして、ゲームが始まる、一体、また一体と出てくる人型の敵を、待ってましたと言わんばかりの表情で、手に持った銃で巧みに倒していく。
「一人残らず打ち倒してやるけんね」
その言葉通り彼女は人型の敵の腹、足、胸を、的確に撃ち抜き、一人残らず蹴散らしていく、そしてそこから来る爽快感をサファイアは存分に味わっていた。
やがて、アトラクションも終わりを迎え、終了を告げるエンディングと、プレイヤーの結果を教えるリザルトが流れていた。
一人残らず撃ち倒したサファイアは、もう一周できるのかと、次の射撃に心高ぶらせていると、『それでは、プレイヤーには、敵生命体であったゴースによる、復讐の呪いを受けて貰います』と、そんな機械的な声が聞こえてきた。
へっ、と、サファイアの口からそんな間抜けな声が響いたかと思うと、『一体目の撃たれた箇所は腹部ですので、腹部への復讐です』
機械音声がそんな事を言った途端、サファイアが乗っていた乗り物から、ウネウネと直径十センチ程にも満たない小さなマジックハンドが三本出現した。
その三本のマジックハンドは、拘束されて動けないサファイアの腹部へと伸びていき、その機械製の柔らかい指で、それぞれの方法で思い思いにくすぐり始めた。

「ふぁっあはぅ!?  なっっなにしとっっくはっははははははははは!!  ひゃは~~~~~~っっ!!」

マジックハンドは、サファイアの腹部へと集まり、その小さな指をコチョコチョと轟かす。

「んっ………くっっうぅくくくく!  なんばっっこれっっふっひうぅぅぅ!  くっくっっっくすぐったい……やめったいっっふひゃ!  あひっひひ……くひ!」

摘むように、揉み解すように、くすぐるように、三本のマジックハンドは、その小ささを物ともしないような巧みなくすぐり方で彼女を翻弄させ、笑いを絞り出させようとしていた。

「あはっっきひっ!  くっぅく……………んふっっひははっぅはぅ~~~!!  い、いったいっっなんっっふふふっふぅ~~~……んっあっあん!」

その今まで味わったことのない刺激に、身を振るわせ、機械の拘束からの脱出を図るが、機械の拘束は頑丈で、いくら力の強い彼女でも、抜け出すことは不可能であった。

「ふっくぅぅぅ……ひぁあっっくふぁっっ!  んっっん~~~~~~!!  やっっはひぃ!  ふぁひひひひひひひひ!!」

今でこそ、歯を食いしばって、くすぐりを耐えているサファイアであったが、機械の手は一切の容赦なく、くすぐったさを送り込んできており、それは年頃の娘に耐えられる物ではなかった。

「ふっふっひひひひひひひひひ!!  んっっっくっくくく…………。ふぁはははっ!  っひく!?  んく~~~~~~!!」

それでも、頬を紅く染めながらも、笑い出したくなる衝動を必死に押さえ込もうとしていた。だが、それも完全にとはいかず、時折漏れ出たかのような甘い声が、アトラクションの一室を支配していく。

「だっだめっぷふぅうっ……ぷひひひひ!!  もうだめたい!  くふふふふふふふ!!  んはっっ!  きぃぃぃ~~~~~!!  あぅぅうふっふふふふふうふふっふふふ!!  ふぁああああああああっ!!」

耐えるのも限界に来たのか、サファイアの声が段々と笑い声に近づきつつあった。このまま行けば、およそ数秒程で、彼女の笑い声が辺りに響いていたであろう。だが、それは一旦は杞憂に終わる。
陰湿に腹部をくすぐり、彼女を苦しめていたマジックハンドが、突如その行動を停止し、機械の中に戻ったからだ。

「はっっはぁ…………。はぁっっ。お、終わったと?」

僅かに息を乱しながら、彼女以外誰もいない空間に、本能でそう問いかけたサファイア。
しかし、その疑問は、彼女にとって最悪な方向で解決される事となる。
『一体目の復讐は終わりました、次いで、二体目の復讐に参ります。二体目の打たれた箇所は、太ももですので、太ももへの復讐です』という何も感じさせない声を聞く事によって。

「なっっ!?  や、やめったい! もうこれ以上はっっひゃひ~~~~~!?  あぅっふひひっひひひひ!  ひひゃあああああっっふぁああああああああ!!」

無機質な声が辺り浸透したと同時、乗り物から、六本の小さなマジックハンドが現れ、片方の太ももに三本ずつ群がり、滅茶苦茶にくすぐり出した。

「はあ!!  はひっぃぃひっひひひひいひひひ!!  だめっだめっっと!!  もうっもっっっ!!  ひゃああああっははっははっあはははははははははははははは!!  ひははははははははははっはははははははははっはははははははっっ!!」

スパッツを履いている為に、白い素足がむき出しになっている太ももに、マジックハンドによりくすぐり責めは若い彼女には到底耐えられる物ではなく、その笑い声を存分に晒しだしてしまう結果となった。

「くはっはははははははっはははっははははははは!!  やめっっやめへへへっへへっへへへへっはははははははははっはははははははははは!!!  もうやめっいっひひひひっひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

一度笑い出すと、もう止めようがなかった。次々と絶え間なくあふれ出てくる感情に流され、口から無理やり笑い声を放出する。それを止める術を、サファイアは持ってなどいない。
端整な顔を笑顔で崩しながら、彼女は延々と笑い続ける。機械の手によって、笑わせられ続ける。

「くっくふふふっふうふふふふふふ!!  くすぐったっ!! こそばかとぉぉ~~~っははははははっひゃはははははははっあはっはははっあはははははははははははははははははは!!  やっやはははははっはははははははははははははは!!」

彼女の象徴のような八重歯が存分に見えるぐらいに大口を開けて、絶え間なく笑い続ける。そんな様を見ても、機械の手は一向に止まる事を知らない。

「無理っっもうむりっぁぁああああああ!! ふぁははははははははっははははっはははっははははは!! 足ったすっっきひいいいいひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!ぎゃはははははははははははははははははははは!!!」

腹部の時とは明らかに違うくすぐったさの強さに、サファイアは今まで以上に拘束具を外そうと躍起になるが、それでも拘束具は依然として頑丈で、少しも破壊されることなく彼女を捕らえ続けた。

「かっっひぎっっぎひひひひひひひっひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!いやっもういやとっっ!!  いやっいやはははははははははっはははははははははははははははは!!!  あっあっっああああああああ!!  なっっなしてへへえへっへへへへへっっ!  こんなっこんなことおお~~~! っっああああっあははっははっははははははははははははッ!!!」

手が届かない。くすぐったい箇所を守る事が出来ない。その辛さを身をもって体験中のサファイア。マジックハンドは、それをあざ笑うかのように責め続ける。二本のマジックハンドは、五本の指を立てながら、足の付け根から膝周辺まで一気にずり降ろし、彼女の口をさらに開かせようとする。

「くひゃああっ!?  ひひゃあああっっはははははっはっはははははっはははははは!!  そんなくすぐり方っはんそくたい~~~っっぐひっひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  あははっはははははははははははっ!!」

もう二本は円を五本の指で肌を押し込むように、もう二本は純粋にこちょこちょという擬音が合うようなくすぐり方で徹底的にサファイアの太ももを弄ぶ。その耐えることが出来ない刺激に、彼女は涙を流しながら笑い悶える。

「っ~~~~~っっいひゃははははははははっはっははは!!  やめっもうやめっとよぉぉぉっっにゃははははははっははっははははははははははっあははははははははははははは!!  んひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  い、いきがっいきがあああっははっははははははあははははははあっはははははは!」

息を吸いたくても思うように吸えない。人類に必要な生理的欲求を満足に満たせない事に、サファイアは憤りを感じるが、それすらも笑いの感情に押し流され、いずれ忘れ去ってしまう。
また、くすぐりに耐え切れず、思わず出てきたと言うような、懇願の声が笑い声に混じって室内に轟いた。それを聞き届けたのかはたまた偶然なのか、彼女の太ももをくすぐっていたマジックハンドが腹部の時と同じように停止し、また機械の中に収束していく。

「ふぁっはっはっはっは………はぁ…………! っぅふぅう…………んっ……。こ、今度こそ、はぁ……はぁ……お、終わったかと?」

息も絶え絶えになりながら、やっとこの苦行から解放されるのかと、サファイアは安堵した。そして、早く出口に向かって動き出してくれと、切に願っていた。だが。
『二体目の復讐は終わりました、次いで、三体目の復讐に参ります。三体目の打たれた箇所は、同じく腹部と、わき腹の二箇所ですので、腹部とわき腹への復讐です』
機械の音声が彼女の耳を刺激し、声が途切れたと同時、マジックハンドが十本現れ、四本は腹部へ、残りの六本は三本ずつに別れ、両わき腹に張り付いた。
「っっ!?  やめっもうやめっっぐひゃああああああああ!!  あああっははっははっははははっははははははははははははははははは!!  くすぐったかぁぁあああっあひゃひゃひゃひゃひゃ!!  ひぃあああっっひひゃひゃひゃゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

わき腹とお腹を同時に十本ものマジックハンドで責められる感触に、一瞬も堪える事なく、再び笑い出したサファイア。こうなるともう、自分の意思では収めさせる事が出来ず、されるがままに笑い続ける事となってしまう。

「あははははっはははははははははは!!  くるっくるしひひひひひひひっひひっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  あ~~ははははははははははっははははっはははは
は!! くるしかぁ~~~ぁははははっはははははははっあぎゃはははははははは!!!」
 
唯一動かせる首をありったけ振り回し、狂ったかのようにひたすら笑い続けるサファイア。彼女がこの地獄のようなくすぐり責めから脱するには、彼女が倒したおよそ二十体近くの敵の復讐を終えてからである。
『それでは、六体目の復讐を始めます。撃たれた箇所は、膝ですので、膝への復讐です』

「くっは~~~~~っっふぁひひひひひっひひひひひひ!!  いやけんねへへへへっへへへへへへ!!  もう、くすぐりっっイヤけんねええええっへひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

膝という今までくすぐったいと感じなかった箇所も、マジックハンドのくすぐりにより開発されていき、とてつもなくくすぐったい箇所となってしまう。
『それでは、十三体目の復讐を始めます。撃たれた箇所は、背中ですので、背中への復讐です』

「びゃはははははははははははははははは!!  あっあ~~~~っっ背中、弱いたいっゆるっっゆるぅうふひひっひひいっひひひひひひひ!!  いひゃはははははっはははははははははははははははは!!」

背後から出現した胴体をくすぐっていたマジックハンドよりさらに小型の手の形をした機械に、ピンと伸びた背中を意のままに可愛がられ、そこから伝わるゾクゾクとする感触に、サファイアは機械の思うままに踊らされる。
『それでは、十七体目の復讐を始めます。撃たれた箇所は、太もも、胸、そして首ですので、その三箇所への復讐です』

「はひゃあああっはははっはははははははっはははは!!  ふぁっっふぁははっははははっははっはぁぁん!! くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  さ、さわははっはっはははははっはは!! 胸っさわらんけんでえええっっひぃいいいん!!  きゃは~~~~ぁぁっはははははっははははっっひん! あっあふぅうん!!」

まだ発展の乏しい胸を機械によって刺激された彼女は、苦しいような気持ちいいような変な感覚に襲われ、今までとは違う声を漏らす。
『それでは、二十一体目の復讐です。撃たれた箇所は、わきの下と、股の二箇所ですので、その二箇所への復讐です』

「ひきゃっきゃっっきゃはははははっははははっはははははは!!  きひっひっひひひっははっはははははは!!  ふぁぁああああん!!  そっっそんな所っっいひゃはっはははははははぁぁあ!!  んああああああ!! はっっはぁぁ~~~~~!!」

腋の下という女性が耐えられない箇所をくすぐられ、なおかつ誰にも触られたことの無い股間をくすぐられたサファイアは、くすぐったさと気持ちよさの同時攻撃に揺さぶられ、笑い声と甘い声が混濁したような声を出す。
最早、くすぐられすぎて壊れる寸前となっていた彼女だったが、廃人になる寸での所で、脇と股をくすぐっていたマジックハンドはその動きを止め、乗り物の中へと戻っていった。

「ふっっふぅぅぅ…………!  ん………っっくふぅ…………」

声を出すことさえも困難になっていた彼女は、無言で息を整えていた。そして、また機械の声が響くのかと、くすぐりの目に合うのかと、内心恐怖の心に包まれていたが、いつまで経っても機械の音声は聞こえて来ず、やがて彼女が乗っていた乗り物が、久しぶりに動き出した。
(やっやっと、終わったとね……)
やがて、出口と思わしき場所が近づくにつれ、彼女の心を安堵が支配する。
二十一回、計二十一分にも及ぶ壮絶なマジックハンドでのくすぐりを経て、ようやくにして彼女は解放された。筈だった。
乗り物は、出口に辿り付いても、止まる事無く進み続けた、出口を通り過ぎ、入り口を通り過ぎるかと思ったところで、サファイアは近くにいた受付の人に止めてもらうよう言おうとするが、その言葉を遮るように、機械音声がサファイアの耳に届く。
『先程、パーフェクトを達成したので、ご褒美に難易度を上げた状態でもう一周出来ます。先程よりも敵の数が倍近くに、そして耐久も強くなっていますので、何発も打たないと倒せなくなっております。では、ご健闘下さい』
「――っ!! いっいやたい!  もういやたぃいいいいいいいいっ!!」
考えられなかった事態に、サファイアは大声で喚くも、乗り物が止まる気配は一切無く。やがて、悪夢の始まりを知らせるかのようなオープニングが流れ、彼女を地獄に引き摺り込む。
そして、遂に地獄への幕開けと言わんばかりに、人型の敵がさっきとは段違いの量で、サファイア目掛けて襲い掛かってくる。
だが、サファイアはそれらに対して銃を撃つことをしなかった。当然だろう。撃てば最後にどうなるかを、その身で体験したのだ。躊躇うのも無理はなかった。
このまま撃たなければ、楽にここから出られる。そう考えての行動であったが、彼女はこの遊園地のなんたるかを知らない。
ここは、対象を徹底的にくすぐり抜く事を目的とした遊園地である。そんな、敵を撃たなければくすぐられないなんていう甘い発想が、まかり通る場所な訳がなかった。
敵の体が、サファイアの乗っている乗り物に触れた。すると、乗り物はダメージを表したかのように、左右に揺れ、無機質な音声がサファイアの耳に届く。
『敵生命体からダメージを受けたので、プレイヤーにお仕置きを開始します』
その言葉とともに、サファイアのトラウマになりつつあるマジックハンドが五本機械から出現し、体の至る所に張り付き、無造作にくすぐり出した。

「へひゃ!?  あっっくぁあああああああああ!!  っっはははっはははっひゃははははははははははは!!  もっだはっははっははははっははははははははははははははは!! ぎひゃはははははははははっはははははははははは!!!」

ノースリーブで剥き出し状態のわきの下を、同じく露出している太ももを、お腹を、わき腹を、余す所なくマジックハンドは責め立てていく。
こちょこちょ、ぐりぐり、もみもみと、様々な擬音が飛び交うような激しいくすぐり責めを、彼女は無抵抗のまま一心に受け止め続ける。

「こそばかぁぁぁあっっひひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  くっふひゃはははははははっははっははっはははははははは!!  もっもうやめてええええっへっはははっははっはははははははははははは!!  あっあはははははははっはははははは!!」

マジックハンドにいいように嬲られ、何も抵抗できないままサファイアが身悶えている間にも、敵は徐々に彼女の元へと接近してくる。
笑うことに意識が全て持っていかれているサファイアは既に、敵を撃つという行動を取ることが出来なかった。

「あっっあ~~~~~~~!!  ふぁあひゅううっひっひはああああっぃやははっははっやははははははははは!!  ひ、ひぅうううううっっ!?  ふひゃあああああっっきひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

何もせずに敵の侵攻を許していた彼女の元へ、当然の如く二体目の敵がサファイアの乗る乗り物へと接触する。それと同時、またもや地獄の始まりを告げるナレーションが聞こえ、既に笑い苦しんでるサファイアの元に、さらに五本のマジックハンドがバイブレーションを付属させながら追加され、計十本になったマジックハンドが、彼女の美しく締まった肢体をくすぐっていく。

「あひゃあああああああ!?  な、なはぁああああっはひゃはははっはっはっはあはっはははは!!  なんばしよっはひゃあああああああ!!  ふひゅうううううう!!  んあああああっっふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  なんばしよっとぉぉぉおおお!! はっっはああっははっはははははははははぁぁああああん!!」

追加された五本のマジックハンドは、サファイアの大きくない胸や、未だ一本筊だけの股間を集中的に責め立てた。
ブルブルと震えながら、一本ずつで彼女の胸を弄るマジックハンド。時に先端を摘もうとしたり、時に愛撫のように全体を撫でたり、時にこちょこちょとくすぐったり、時にグッと手のひらを押し付けて振動を味あわせたりするその動きは、例え服越し、下着越しであっても、彼女の官能を高めていき、女という事を自覚させ、女だからこそ得られる快感を強制的に目覚めさせていく。

「ふううううううううう!!  ああああん!  んふふふふふふふふっふふっふふふふ!!  ふぁあああああっっひゃひぃ~~~ん!!  くひゃひゃひゃひゃひゃひゃっっっやははははははははっはあっははははははははぁっぁぁぁあああん!!」

股間を狙うマジックハンドは、サファイアの敏感な場所を下手で掴み、親指で前の筋を、残りの指で後ろの筋をなぞったり、時には線の中心に人差し指を押し込んだり、足の付け根を振動する指でマッサージしたり、お尻に回り込んでそこを指先でこね回したり、くすぐったりと巧みな責め方で、彼女の淫靡な甘い声を引き出す。
その声の度合いに合わせ、彼女の決して見られたくない箇所が、徐々に滑り気を帯びている事に、彼女は気付いてるだろうか。

「ひぁぁあぁぁっっはぁぁ~~~~~ん!!  にゃふっふひっひひっひひひゅうあああああっっあっははっははははっっはぁぁぁぁぁぁ……っんふ~~~~~!!」

スパッツの上からでも、サファイアの下着の色が見えるぐらいに彼女のいけない蜜が溢れ出す。その影響を受けてぐちゅぐちゅと音を立てて股間をくすぐるマジックハンドは、思わぬ滑りを得たために、そこから繰り出す快楽責めをより一層強化していく。

「ふぁっっひああああああああんん!!  やっっにゃふぅぅ!!  んっっんっっあああっっひひゃひっひひひっひひひゃはやあははははははははははっははは!!  はははははははっははっぁぁぁっっ!!  ぜんぶっぜんんああああああんん!!  やめったいっっやめええええええええっっはひゃ~~~~っっははっははっはっははははあぁあああ!!」

依然としてくすぐったい脇やお腹等をくすぐられながら性感帯も刺激する。その快感と苦しみの二つの絶え間なくやってくる波にしっちゃかめっちゃかに揉まれながら、彼女は嬌声を、笑い声を、甘声と叫声を混ぜ合わせたような声を断続的に上げる。
そして動けないと分かりながらも、クネクネと逃げ場を求めて体を動かすその様は凄まじくエロチックで、もしこの姿を男が見れば、たちまち欲情して襲い掛かっても不思議はなかった。それ程までに、扇情的であった。

「ルビ~~~っっりゅびぃぃぃぃっあっあああああん!!  や、やはぁぁぁっはっははっはははははっはっははは!!  くぁあああっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁぁぁぁん!!くっくふうううううう……………!!  うあああああああああ!!」

咄嗟に、快楽とくすぐりの波状責めに堪らなくなったのかそれこそ咄嗟に想い人の名前を叫び、このどうしようもない地獄からの救出を願って、甘い声に遮られながらサファイアは思いっきり叫んだが、彼が助けに来るなんてそんな可能性は万に一つとしてない。ある訳がない。
やがて、また一体サファイアの乗る機械に接触し、またもや五本のマジックハンドが追加される。果たして、撃ち続けて最後に悶える方と、撃たずに今悶える方。どちらが辛いのだろうか。それを計る手段は彼女にはない。無論、計ろうとも思わないだろうが。

「ぎひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!  っっあああああっっふぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! くひぃぃいいいいっっ!!  ふっっふあああああっっあひゃははっははははぁぁぁっっんっん~~~~~!!  あんっきゃはぁん!! っっああああああああああ
あ!!」

一際大きく声を上げ、股間から高らかに恥ずかしい粘り気のある液体を溢れさせたかと思うと、サファイアは絶頂に達した反動からか一気に脱力した。だが、マジックハンドは彼女を余韻に浸らせる事などしない。彼らは、ただ機械的に彼女を延々とくすぐるだけ。
どれだけ対象が笑おうと、泣こうと、喚こうと、叫ぼうと、懇願しようと嘆願しようと、絶頂しようと失禁しようと、例え、対象が廃人になりかけても、延々とくすぐるだけ。体中をくすぐられて無理やり意識を覚醒させられ、また快楽とくすぐりの挟み込み責めが始まる。
サファイアが開放されるまで、接触する敵は後三十八体。


「ふぁああっっはぁ…………。やっと、やっと開放されたと……」
 あれから、彼女は文字通り何回も失禁と絶頂と繰り返し、衣服がぐちゃぐちゃになるまで機械に弄ばれた彼女は、出口に乗り物がたどり着くと、ヘロヘロになりながらもやっとの思いでそこから這い出し、受付の方からの好意で替えの下着とスパッツを貰いアトラクションを後にした。
 それから十分程経過した現在、着替えを済ましたサファイアは遊園地の中にあるベンチに腰をかけ、憂鬱な気分に浸っていた。
(あ、あと二回もあんなのばやらんといけんのか……)
 出来ることなら今すぐにでも帰りたいと思うサファイアであったが、モンスターボールを預からせている以上、ここから強引に立ち去るわけにもいかなかった。
 陰鬱とした表情で、パンフレットを確認し、どこが一番辛くなさそうかを選別する。ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーランド、空中ブランコ。正直、どれもこれもあやしく思う、何が起こるかわかったもんじゃないとして、サファイアはこれらの挑戦を却下した。
 パンフレットから目を外し、おもむろに辺りを見渡していると、一つのアトラクションが彼女の目に付いた。それは、ジェットコースターやフリーフォールのような大型アトラクションではない小物の施設『対戦型アトラクション、ワタッコいつまで耐えるかな?』いかにもなネーミングだが、それが逆に彼女の目をひいた。なによりも、対戦という言葉と、建物の小ささというのが、彼女が次にこれをするという決め手になった。
サファイアは、それからさらに十分の休憩を要した後、アトラクションのある場所へと向かった。
建物の中に入ったサファイアは、まず辺りを見渡した。中は辺り一面においてあるワタッコの人形、それらしく飾ってある電球、挑戦者を閉じ込めるような二メートル程の高さのボックスが四つ、あとは従業員が座る椅子だけと、非常に簡素な作りだった。
中には、従業員の他に一人、若い女性が佇んでおり、サファイアの姿を見た瞬間、僅かにホットした表情をみせた。恐らく、彼女もサファイアと同じ理由でここを訪れたのだろう。
従業員は、サファイアが建物の中へと入ってきたのを見るや、営業用の笑顔で、このアトラクションの内容を説明し始めた。
アトラクションは一対一の対戦ゲームである事、ゲームを始めるには二人以上の参加が必要であること、一人一つのボックスに入ること、この時、指定された服に着替えること(服は無料貸し出し)、ボックスに入ったら、頭上に設置してある鉄棒を掴む事、参加者全員が棒を掴んだのを従業員が確認したら、ゲームスタートである事、ゲームが始まるとボックスの上から、次々とワタッコが投下されるので、それを鉄棒を離さずに耐え続ける事、一番最初に鉄棒から手を離した人が罰ゲームで、それ以外の人間は解放という、シンプルな内容であった。
「では、二人以上集まりましたので、二人での参加でよろしいですか?」
 笑みを浮かべながら従業員はサファイアともう一人の女性に問いかける。
「ああ、それでよかとよ」
「………私も」
 サファイアの快活な返事と、遅れて少女の静かな返事が響く。
「それでは、二人とも、これに着替えて下さい、え~っと」
「あたしの名前はサファイアたい」
「……ミミ」
「サファイア様とミミ様ですね、では、これを渡しておきますのであちらにある更衣室で着替えて下さい。着替えたら、ボックスの中に入って上にある鉄棒を掴み、足元に二つ窪みがありますのでそこに片足ずつ入れて下さい。棒を掴んだのと足を入れたのを確認しだい、ゲームを始めさせて頂きます」
あと、ボックスに入るときは素足でお願いしますと付け加えながら二人に渡されたのは、臍と脇が見えるのを目的としたノースリーブと、足を最大限露出させるのが目的のホットパンツ。
 無言でそれを受け取ったサファイアとミミは、そのまま静かな足取りで更衣室へと向かっていく。

 
 それから、サファイアとミミは、臍出しのノースリーブとホットパンツを着用した状態で、素足でそれぞれ別々のボックスへと入っていき、足元に十センチ程の深さの窪みに足を入れ、頭上に掛けてある鉄棒を掴んだ。
 これにより、肩幅まで足を開かされ、わきの下が無防備にさらされ、ノースリーブの裾が臍から五センチほど上の部分まで上がり、その素肌を晒す格好となった。
「うう…………、…………はずかしい……」
 昔はこれよりもっと露出の多い状態で生活していた為か、サファイアはそれほど羞恥を感じていなかったが、ミミの方はどうやらこういう格好になれてなく、恥ずかしさに無表情ながらも顔を赤らめてしまっていた。
「お二人が棒を掴み、両足を窪みに入れたのを確認しました、それでは、足を拘束させて頂きます」
 瞬間、シュンっと何か機械的な音が鳴ったかと思うと、足元に僅かな違和感をサファイアは感じた。目を凝らして見ると、窪みに入れた足は、綿のような何か柔らかい素材で覆われており、満足に動かす事が出来なくなってしまった。
「足の拘束が終わり、二人のゲームを始める準備が完了しました。それでは、ゲーム開始です、ワタッコを投下します」
 従業員のそんな声が聞こえたかと同時、二人の体に緊張が走った。これから再びくすぐったさと戦わなければいけないのだから当然だろう。
 息を整え、口をキュッと閉じ、上からの刺激に身を備え、鉄棒を離さないように手に力を込める。それから時間にすると五秒か十秒か、神経を極端まで研ぎ澄ました二人の耳に、特徴的な泣き声が複数聞こえ始め、その声の主の一匹が、ゲーム開始の合図というように、くすぐりを構えていた二人の少女の手の甲に優しく触れた。
「っ!」
「ん!」

 ワタッコの体、正確には、ワタッコの頭部と左右に付いている柔らかそうな綿の部分が手に触れた途端、ビクリと電撃が走ったかのように、二人の体が震えた。そのままワタッコは、するすると彼女たちの体を這うようにゆっくりと落ちていく。

「ん……ふっっぅ……まだ、大丈夫たい……ん」
「……くっ…ふっ……、これぐらいっんふ! へ、いき………」

 開けられた脇の下を通り、裾が持ち上がった結果むき出しになったわき腹を通過し、ホットパンツによってさらけ出された太ももを刺激する。それは二人にむずがゆい刺激を送り込み、彼女たちを笑うとはいかないまでも、充分に身悶えさせる事は可能なくすぐったさであった。

「ふひゅぅぅ…………っぅうふっっふっふふふ……。んっくぅぅ……」
「くっっふぅぅ…………んひ! ひぅぅぅ………んっ」

 目と口を硬く閉じ、頬を桃色に染め、額に皴を寄せながら、必死にくすぐったさと戦うサファイアとミミ。だが、襲い掛かるワタッコの責めに耐え切れていないのか、その口から時折女性特有の艶かしい声が漏れ出す。

「きゃふ! っふっっくっぅ…………。っま、だ、耐えられると…っふひ」
「……んひっひひ! くっきっんん! わ、らわっん! な、い……ひぅ」

 一匹目のワタッコが太ももを通り過ぎ、膝に差し掛かろうとゆっくりと下に向けて落ちて言っている間に、二匹目のワタッコが二人の二の腕を刺激し始める。

「きゃ!? にっっにひひっひぅぅぅ……! ふっっふぁ! んぅっっふ!」
「……ふぁう!? ぁっあくぅぅ~~……! んっっんふふっっ! くひ!」
  
 二匹目が触れたことで単純に二倍となったくすぐったさが二人を困らし始める。声のトーンが若干大きくなり、腕がプルプルと振るえを帯びる。

「ふっふぅぅぅぅ! んっっん~~~~~~! っっふっふぁ! にっひぅ~~~~!!」
「~~~~~~~~~! っっやっふふふふ! くふっ! ……きっっひぁ! あぅぅぅ………!」

 二匹目から襲い来る再び脇の下やわき腹、腹部の刺激に悩まされ、色っぽくサファイアとミミは悶える。
 そうやって悶えている間に、三匹目、四匹目と、次々にワタッコが投下され、二人の体を悩ましく動かさせる。

「きっふいぁあああん!! ふひっっふひひひひっひひひひ!! まっはやっっうひっひひひひひ!!」
「……っふふふうっふうぁ~~~……!! ちょっ、とっっふひっひひひ! きっつ、いっ……んふふっふふふ!」

 だが、腕を離せない以上、そう多く上半身を動かすことは出来ず、ワタッコの猛威を振り払う事は完全には出来ず、雀の涙程度の恩恵しかもたらさない。また、下半身も、足首を拘束されているため、満足に動かすことは出来ず、結局のところは自力で我慢することしか二人に道は残されていなかった。

「あっっふふふううふふふふふ!! が、がまんせんと……! がまんせんっふひひひひひひ!! くっっふぅ~~~~!!」

 先のシューティングで体験した事をもう二度と体験したくない。その思いからサファイアは決死の思い出ワタッコのくすぐりに耐え続けた。だが、やはりくすぐりに対してなんら耐性を持たない彼女は、綿の動きに翻弄され、微かな笑い声を出してしまう。

「……んんひっひひひっひ!! あっだ、めっっそこはっぁふふっふうふふ!! くっっん、ん~~~~~~~~!!」

 一方、ミミも既に一つアトラクションを体験しており、サファイアと同じく徹底的なくすぐりを体験した身であり、あんな目に合いたくないという一心で、ワタッコの責めを堪え続ける。それでも、くすぐったさを堪え切るのは不可能なのか、無表情な彼女からは似つかわしくない可愛い笑い声を時折漏らす。
 そうして二人が懸命に耐えている間に、ボックスの中ではある変化が起きていた。それは、僅かにボックスの中で風を起こし、その風にワタッコたちを乗らせ、いつまで経っても浮き続けさせ、延々とくすぐらせ続けている事だった。

「くっっふぅぅぅぅぅ~~~~!! っぅふひひひいひいひひひひひひひひひ!! あんっっ背中、だめたい~~~~~!」
「……ふひひっっいひひひひいひひひひ!! あひっっひっは…………! あっっぁ~~~~!! っっく、ひ……!!」

 笑いに苦しめられている彼女たちには分からない。理解しようとも思わないだろう。だが、その代償は必ず回ってくる。今がその時ではないだけだ。

「あっっあっはひひひひひひひ!! ひぁっっくふふふふふふふふ!! くっっくぅぅ~~~~!!」
「ふぁぁっっんっひっひひひ……!! くすくすっっくっくくくくぅぅぅぅぅぅ……! ふひっひぁ~~っんふ!」

 徐々に声が大きくなっていき、既に口を閉ざすことが困難になってきているサファイアとミミ、既にワタッコの数は、十を数える程度に増加しており、それぞれが彼女たちを責め立てていた。
 ボックスの中で軽く吹く風により、緩やかな回転運動を行いながら彼女達の肢体を移動し意図せずに責め抜いていく。

「きゃふっっくふふふふふふふ!! どげんこつせんとっっふひっひひひっっ!! くっっくぅっっきひひひひひ!!」
「はひ! ひぁあっふひひひひひ!! …………こっのままっあふふっふあっぁ~~!! この、ままじゃっんひ!! きうっうふぅ~~~……!」

 脇の下からくる刺激に集中していると、不意に胸から柔らかくて妖しい感覚が飛んでくる。太ももから送り込まれる衝動を必死に抑えていると、腹部からの挟み打ちを受け、息を詰まらせる。一匹一匹だとそれ程大した事のない刺激が、集まるとこうも激しくなるのかと、サファイアとミミの二人は思わずにはいられなかった。

「きゃふふふふううふふふふ!! もっもうげんっふひっひひひひひひひひひ!! 限界たい~~~っあふっっふひひっひひいひひひいひひひ!!」
「おおい、よっっふぁぅ! いひひひひひいひひひひひひ!! ワタッコっっおおっっんぁあう! ふひひっひひひひひひいひいひひひひひひ!! 多いよぉぉ~~~っっんふふふふふ……!!」

 二人の悲痛な声が響いている間にも、どんどんボックスの中にワタッコが投下されていく、既にその数は十五を超えており、今や出来る限り体を揺らしても、揺らした先にワタッコが待ち伏せたかのように存在しており、くすぐったさを全く抑えられない段階にまで来ていた。

「あっあ~~~っっ!! ひっひひいひひっっぐひひひひひひひひひひひ!! ぐふふふふふふふふふふふふふ!!」
「やっや……っっぷひひひひひっくふふふふふふふふふふふ!! あっあふっくひぃぃぃぃ~~~~! んっぁ~~~~~~~!!」

 逃げ場を求めようと体を赤く染めながら右に左に腰を振る様は、凄まじく魅力的で、扇情的だった。目尻からは涙を零しながら甘い声をだす様子は、男を前屈みに屈させ、女の息遣いを僅かに乱すぐらいは容易に可能なのではないだろうか。

「ぐひひひっひひひひひひひ!! っもう、やめるとっ! ぶひひひひひひい!! くひゃっっ!? あひひひひっひひひひひぃ~~~~~~~~~!!」
「むっっりっ! っくぅ~~~~~~~!! あっっはひ! ひぁあ~~~~~っっむっむふふっふふふふふふふふ!! ぷひひひっひひひひひ!! ~~~~~~~~~!!」

 二人の体力、精神力は既に限界だった。ワタッコはボックスの中に二十匹投下されており、既にサファイアとミミの全身を覆いつくし。回避不可能なくすぐり責めを徹底的に彼女たちに与えており、いつ笑ってもおかしく無いほどにくすぐり漬けにされていた。
 勿論、このゲームは笑ったら負けという訳ではない。手を鉄棒から離さなければ負けにはならないのだ。

「いひゃっふぁぁ~~~~~~!! くひっっぐひひひひひひいひひひ!!」
「んっあっっんあああああん!! やっっやふふふふふふふふふふふ!!」

 だが、笑わないのには理由がある。我慢するのにはしっかりとした考えが彼女たちの中にはある。
 彼女たちは、一度笑い出したらどうなるかを知っている。何も考えることが出来なくなり、ただただ笑い続ける事だけに没頭するのを身をもって味わっている。一度笑い出したら、そう時を待たずして、手を離してしまう。そう結論付けることが出来るからこそ、彼女たちは懸命に耐え続ける。お腹の底から吹き上がる思いを、喉の奥で必死に押しとどめるのだ。
 だが、その我慢も既に限界を迎えていた。彼女たちが今耐えられているのは、奇跡に近い。その奇跡も、少しでも強くくすぐれば、軽く吹っ飛ぶ程度の小さな奇跡。
 故に、それを吹き飛ばすほどの衝撃を、くすぐったさを与えれば、彼女たちの我慢のダムは決壊し、溜め込まれた笑いの感情が濁流となって二人の身に襲い掛かると言えよう。
 例えば、そう、例えばこの二人の痴態を間近で見ている人物がいて、ワタッコが風に揺られて漂っているのを見て、知っていて、その風を強めればワタッコの動きが早くなるのを知っていて、かつその風の速さを調整できる人間が近くにいるとしたら、いたとしたら。今、悶え苦しんでいる彼女たちは、一体どうなるのだろう。
 その答えは、彼女たちの声によって理解可能になる。

「あっっあひゃあああああああ!? はっっははっっあはははっははははははははははははははははは! やっっきゅっきゅうにぃぃいひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やめったいっ! やっめええっへへへひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「~~~~~~~~~~っ!! あっっあ~~~~~っっやははははっはははははははっはははは!!だっっだ、めっっえひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! くすぐったいいいいい!! やっやっぁああああはははははははははははははははははははは!!」 

 彼女たちが必死に築いたダムはあっけなく決壊した。今まで溜め込んだ笑いがお腹の底から湧き上がり、喉を大きく震わせ、笑い声として噴出した。

「あっっあひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! そっっそんばとこっっひぎゃははははははははははははははははは!! こそばかとぉぉぉっっびゃはははははははははははははははははは!!」
「やだっっやぁぁあっはははははははははははははは!! っっふぁっっみゃははははははははははははは!! きらいっきらいいいいいいいい!! くすぐったいたいのきらっっきゃぁああはははははははははははははははははははは!!」

 ボックスの中で緩やかに吹いていた風が大きく変化し、激しく吹き荒れるような風に変化した。それに伴い。ワタッコの動きが強制的に活発化された。今まで以上に早く彼女たちの体を這い回り、回転運動も今までとは段違いに速くなり、彼女たちを大きく笑わせ続ける。

「はやいいいいいっっひゃひゃひゃひゃひゃ! はひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! その動きばっやひゃああああっははっはははっあははははははは!! やめへへへへっへへへへへへへ!!」
「あ~~~~っっふぁああっははっははははははははははははははははははは!! まわりゃないでへっへへへへへへへへへ!! くっっくひゃあはははっははははははははは!! だめっっだめえええっっあはははははははっはははははははははははは!!」

 もはや堪える事なんか忘れたように、二人は笑い続けた。鉄棒こそ未だに掴んではいるが、それも長く持ち続けることは出来ないであろう事は容易に想像できた。

「あはははははははっはははははっははは!! せなかっぁぁあああっっやめるたい! やめっっやはははっははははははははははははは!! ぐひゃははははははははははははは!! いっっぁああああああ!!」
「っっぁ~~っ! わきっわきぃぃぃいひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! そんなにくっっくすぐっっふひゃあああははははははははははははははは!! くしゅぐらないでええへへへっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! つよいっっつよいぃぃぃっきゃひひひひひひひひひっひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 それぞれの弱点を無作為にくすぐられ、次第に腕の力が抜けていくのを二人は感じていた。なんとかしようと思っても、くすぐりの嵐の前には、そんな思いなど無力で、腕が手から離れるときを、無情にも笑い苦しみながら待つことしか出来なかった。

「ぎゃはははははははははははははは!! お願いやけんっっおとなしくっっくふぅぅぅふひゃひひゃひゃひゃっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! して頂戴ぃぃぃぃ~~~~~いひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「あははははははははははははははは!! むりっむりぃぃぃっあはははははあっはははあはははははははは!! いやぁぁあはははははははははは!! いやだってばっっふきゃはははははははははははは!!」

 ワタッコの激しい責めを全身に受け続けるサファイアとミミ、二人の笑い声は、時間が経つごとに激しくなっていき、それに比例して、鉄棒を掴む腕の痙攣もだんだんと激しくなってくる。

「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あっっああっははっはははははははははははっははは!! ワタッコ達ぃぃぃ~~~~!! お願いやけん! おとなしくっっくふ~~~~~!? ふひゃはははははははははははははははははは!!」

 眉の形を変え、涙をボロボロと零しながらそうワタッコ達に懇願するが、彼等は風の動きにのっているだけなので、自分から動きを止めることなど出来ず、サファイアを笑いの刺激に踊らさせ続ける。

「いひゃははっはっはははははははははは! もうっもういやたいいいい!! ぐひっぎひひひひひひひひ!! うひゃははははははははっっあははははははははははははは!!」

 泣き叫びながらも、サファイアは決して手を鉄棒から離そうとはしない。彼女が願うのは、この地獄からの脱出、すなわち相手の脱落のみ。そんな卑しい心が彼女を支配していたが、それを咎める物はいないだろう。そして、その願われている少女、ミミは、口を大きく開かせ悶え狂っていた。

「やだっっもうやっっやはははははははははははははははは!! やぁああだっっあははははっはははははは!! もうかえしてえええへへへへっへへへへへへへへへへへへ!! おねがいっっふひゃああはははははははははははははははははははは!!」

 きつく閉じた目から涙を零しながら、笑いと悲鳴の入り混じった声を上げながら身悶える今の彼女を、普段は無表情で無口な人間だと誰が思うだろう。そう思うほどに、彼女の変化は著しかった。

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! はなっっはなれてえええっあはははははははあははははははは! きゃあああああああ!? やだやだっっもうやだああああっっあはははははっははははははははははははははは!!  離すううううう!! 手ぇッッ! 離すうううううううっひゃっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 鉄棒を持つ力もそれほどある訳でなく、この遊園地に来園し、結果くすぐりが大嫌いになった少女に、その気になれば手を離し、自分の身を守る事が可能という状況は、悪魔の囁きに近い物があった。そして、一度そう思えば、少しでも口に出してしまえば、後は芋蔓式だった。

「あっあぎゃはははははははははははははは!  もう、む、り……あっあぁあああっあああああああああああ!!」

 耐えきれないくすぐったさに、ミミは鉄棒から手を離し、自分に群がっているワタッコを、自由になった手で払いのけ始めた。これにより、ある程度のくすぐったさを緩和する事が出来ると思っていたミミであったが、現実はそう甘くはなかった。
『ミミ様が、最初に鉄棒から手を離しました。よって、ミミ様には、罰を受けてもらいます』
 そう言ったアナウンスが、ミミの入っているボックスだけに響き渡った。そんな事など知らずに、ミミはワタッコを払いながらそれを聞き届けたかと思うと、足、正確には、足の裏から、今まで自分を散々悩ませていた刺激、つまりはくすぐったさが襲いかかってきた。

「あっっああああああああああ?! っっひゃははっはははっはははあははははははは!! なんでっあしっあしがああああああ!? やぁはははははははははははははははは!!」

 十センチほどの窪みに足を入れた箇所から、とてつもないくすぐったさが送り込まれていた。彼女の足を入れた窪みから、毛のような物が出現し振動しながら彼女の足裏を責め立て始めたのだ。その耐え難いむずがゆさにから逃げようと、反射的に足を抜こうと思っても、既に抜けないようになっている事は、今までの過程で既に理解していた。

「ぬっっぬけっっっはははははは! 抜けないい~~~~~~~!! いやっっいやああああっ!! 抜けてっぬふふっふふふふひゃははははははははははははははは!! ぬけてええええええええええええっっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!! あっあ~~~~~!」

 このお仕置きは、ミミがくすぐったさに負けて気絶するまで終わらない。それが負けた者の代償なのだから。

「あぎゃはははははははははははは!! は、離さないたい! 絶対はなさっっひひゃはっはははっはははははははっはあはは!! 離さないたいっっぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 一方、サファイアは未だに手を離さずにワタッコによるくすぐりを耐え続けていた。
 既にミミは手を離しているが、サファイアはその事を知らない。つまり、彼女にとって、ミミはくすぐりを耐え続けていると思っているのだ。そして、その事実はサファイアが手を離すまで揺るがない。

「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! こ、こそばかぁぁっっあはははっははははははははははははははは!! はっっはひゃははっははははははっははははははは!! せ、せなかぁぁぁっっ! やっやめっぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 背中やめっとおおおおおお!!」

 結局、どちらが勝っても負けても、このアトラクションに挑んだ人間は、全員同様に罰ゲームを受けるのだ。それが遅いか早いかの違いがあるだけ。
 直にサファイアも鉄棒から手を離し、ミミと同様に逃げられない足裏の責めを受けるだろう。そして、その責めに耐えきれず意識を闇に投げだすまでそのお仕置きは終わらない。ここはくすぐり遊園地、対象を徹底的に責め抜く事を主体とした遊園地である。逃げ道などありえない。

「あはははははははははははは!! あっっははっあはははははははは!! だめたいっ! もうだめたいいいいいいっっあひゃはははははははははははは!! あっ! あっっ! っあああああああああああッッ!!」

 サファイアの地獄は、まだ始まったばかりである。


「もう、帰りたいとよ……」
 再び先ほどのベンチに腰を掛け、そう泣きごとを呟くサファイア。心なしか体から黒いオーラが吹き出しどんよりと重く漂っているようにも見える。
 先ほど一緒にアトラクションに挑戦したミミは、何故か同じタイミングでボックスの中から出て来て、グスグスと泣きながら何処かへと走り去ってしまっていた……彼女は勝ったのに何故泣く必要があったのかとサファイアは疑問に思ったが、自分も疲労の為に深く考える事はせずに、とりあえず休む場所を探して、へろへろと施設から抜けだし、現在彼女が座っているベンチに行き着いたという訳である。
「はぁ……でも、あと一つ回らなきゃいけんとね……」
 深く嘆息しながら、彼女はもう何度見たか分からないパンフレットへともう一度視線を移す。
 どれを見ても、くすぐったそうなアトラクションばかりである。かといって、先ほどの小物施設も対してくすぐったさは変わらない。後者は負けた自分にも責があるかもしれないが、とにかく、どの施設も結局の所はくすぐったいアトラクションなのだ。
 となると、サファイアが狙うのは、一番くすぐりアトラクションの中でも、比較的くすぐったくないアトラクションである。
 そんな物ある訳ないが、それでも探してしまうのが人の性である、彼女もその例に漏れず、アトラクションの簡易説明を真剣に一字一句見逃さずに読み、じっくりと吟味していた。といっても、彼女は文字を読む事が得意ではなく、結果、あまり理解できていないのが現実であるが。


「う~~、どこもくすぐったそうとよ……」
数十分後、サファイアは適当に遊園地をぶらついていた。あれからしばらく文字と格闘してみるものの、対して理解出来ない結果に終わってしまい、そうなれば自分の目で確かめるといさぎこみ、遊園地のアトラクションを軽く物色しては、あれダメ、これくすぐったそうと、次々に決めつけては、最後のアトラクションを決めかねていた。
はあ、と軽く諦めたかのような溜息を吐きながら、トボトボと歩いていたサファイアであったが、あるモノを目にした途端、少しだけ表情がほぐれた。
それは、屋外でやっているヒーローショー。いつもテレビの向こうにいた正義の味方が目の前で悪い敵をやっつけるという子どもに大人気のショーである。
 そういう活劇モノが好きなサファイアにとって、これは見なければならない物だったようで、彼女は先ほどより軽い足取りで、そそくさとヒーローショーを見物せんと観客席の中へと入り込んで行った。それが第三のアトラクションになろうとは知らずに。
 ヒーローショーは、サファイアが見始めた時には、既に開始からかなりの時間が経過していたらしく、舞台の上では、ヒーロー五人と、敵怪人とそれを囲む十人前後の戦闘員。そして、敵幹部と思わしき男性と、ヒーローの味方と思わしき女性が、ポケモンバトルをしているという、身近なポケモンバトルとテレビの向こうの熱いヒーローバトルの二つが舞台上で繰り広げられていた。観客の熱狂が一番凄い時間、要は一番の見所から見始めたサファイアは物の数秒もしない内に、目の前で行われているショーにのめり込んでいた。
 観客にヒーロー戦とポケモン戦、どっちを優先して見たら良いか迷わせないための的確な区切りと絶妙な時間配分。それでいて二つの戦いの同時進行を感じさせる見事な演出。さらにはテレビ顔負けのアクションシーンを披露し、観客を虜にするヒーロー達。舞台用に訓練されたポケモンとショーならではの過剰演出によって繰り広げられる華麗なポケモンバトル。
そのどれもが観客を充分に楽しませ、興奮させた。サファイアもその例外ではなかった。
そして、観客の熱気がいい具合に高まった頃に、事は起こった。ヒーローと味方のポケモンが徐々に相手を押し始め、敵側が劣勢に立たされた時に、ポケモンを操っていた敵幹部がこう大声で叫んだ。
「クソッ! こうなったら人質だ! 人質を取って、あいつらの動きを封じるしかない!出ろ、デスカーン!! あの中から何人か人質を連れて来いっ!!」
 ショーにおける一種のお約束の台詞を観客全員に聞こえるように叫び、その男はボールからデスカーンを三体出現させた。デスカーンは、棺桶の中から出ている手をゴムのように長く伸ばし、舞台の上からそれぞれ一人ずつ対象を探す。その内の一体の腕は、サファイアの元へ向かっていた
「へ? きっきゃあああああああ!!」
「いやっっやああああああああ!!」
「っ!! なによこれええええええ!?」
 聞こえてきたのは、サファイアを含む若い三人の女性の声。彼女たちはデスカーンの四本の腕によって四肢をそれぞれ掴まれ、強引に舞台へと引き摺り出された。手足をデスカーンの手によって大の字によって広げさせられ、宙に浮いている状態で。一応の最低限の良心として、スカートを履いている娘は捕まえないように訓練はさせてある。その代わり若くて綺麗な女性しか捕まえないように訓練させてもいるが、その事を観客も捕まった彼女たちも知らない。
「これを見ろ!! クソッたれのヒーロー共!! 今俺たちは、こいつらを人質に取った! お前らが今からちょっとでも俺たちに手を出すと、この人質の安全は保障できないなぁ」
 ドスを聞かせた声で男は高らかにそう叫び、勝利を確信したかのような笑い声を上げる。
「貴様等……! なんの罪もない一般人に手を出して、……許さんッ!!」
 リーダー格と思わしき赤のスーツを着込んだ男性が悔しさと怒りをむき出しにしたかのような声を出す。
「許さなくて結構だ! なんせ悪なんだからな!! さ~て、じゃあ悪役らしく、今まで散々痛めつけられた復讐でもしようか お前ら、あの生意気な五人とポケモンを叩きのめせ! そして、出ろ! モジャンボ!! あの人質にも俺達の苦しみを味合わせてやれ『くすぐる』だ!」
 今まで戦隊五人にやられてた戦闘員と、女性のポケモンにやられたポケモンが起き上がり、それぞれ一方的な展開を始める。ヒーローはサンドバックのように殴られ、ポケモンは抵抗できずに吹き飛ばされる。
 そして、捕まった人質は、モジャンボのウネウネと轟く無数の触手による、くすぐり責めを受けていた。

「こっこげなはははっははははははははははははは!! こげな所でもっっふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! くすぐったはっははあはははっはははははははははははは!」

 デスカーンによって手足首を掴まれ、大の字に拘束された状態では、ろくに抵抗する事も逃げることも出来ずにモジャンボの操る触手の蹂躙を許してしまい、『くすぐる』の攻撃を全身で受け止めてしまう。

「ひゃああっはははははははははははははははははは!! くっくぁっっくひ! ひきゃあああっっきゃはっはははははっはははあははははははははははははは!!」

 マジックハンドやハネッコの時とは違い、自由に器用に轟かす事の出来る触手は、スルスルと服の裾から中へと侵入し、サファイアの皮膚を直接刺激し始める。それは今まで服越しにしか責められなかった彼女にとって、段違いのくすぐったさであった。

「ひぎゃあああああ!? あっっあ、あ~~~っあっはははっはははははは! あはは! あはっははははは! あはははははははははははははははははははは!! そ、そんなッちょくせふふっふふふふふふひゃあああああっっひゃひゃひゃひゃひゃ!! ちょくせつうううううう!? あっ! だめ! だめたいひひっひひひひひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 サファイア達をくすぐる触手は若干の滑り気を持っており、彼女達の体を一撫でする毎にその滑り気をその柔肌になすりつけ、肌の滑りを良くし、触手によるくすぐったさを増加させていく。

「きはぁぁあっ! っけひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やめっやはははっははっははっははあっはははははははははははははあはははは!! やめええええええ!! やめへっへへへへへへへっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

 くっくっと喉が痛むのを構いやしないとばかりに大声で笑い続けるサファイア。整っていた眉は深く垂れ下がり、丸い頬は紅く染め上がり、キッと閉じた目からは大粒の涙を零し、大きく開けられ閉じれない口元からは涎がてらてらと光っている。

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あっあふっふぁああっははははははははははははははははあははは!! くふぁあああああ?! あっあはあははははははははははっははっははははははっ!」 

 触手に踊らされるように暴れ、身悶えするサファイアだが、彼女に出来る事は、腰を僅かに動かす事程度だ。それも、彼女の体を取り囲むように蠢く触手の前では何の意味ももたらさない。動かすことによって、自らその体を触手に近づけている行為に過ぎなかった。

「いやとよっ! もういひゃあぁああははははっはははははははははははっはははははははは!! ふひ! ひぁああああっっ!! ひゃはっははっはっはははっはははははははははははははははは!!」

大の字に捕らわれているため、モジャンボの触手は彼女の全身を無尽蔵に責め立てることが出来た。首から足の裏までといった、頭部を除いた全身に触手を這わせられているサファイアは、惜しげなくその笑い声を観客に披露する。それは他に捕らわれた二人も同様であった。

「や、やだはははははははははっはあははははははははは!! こんなのっやだよっやっっやははっははははははっはははははははははははは! くっくすぐったいいいいいいい!! いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ひゃめへええっへへっへへへへへひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「ばかっばかはははははっははははははははははははは!! やめなさいっやめへへへへっへへへへへへへっへひゃひゃひゃひゃひゃ!! ごめんなさいいいひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! お願いだからやめてえええっははっははははっははははははははははは! ヌルヌル気持ち悪い~~っひひひひひっははっははははははははっははっはははは!!」

一人は、笑いながらも漏れる口調から、どうやら高貴な人のようだ。但し、それもくすぐりによって無残な、言い換えれば普通の少女のような笑い声を上げてしまっていた。又一人は、どうやら気が強い人のようだが、それもくすぐりによって、ガラスのようなプライドをまるで膜のようにあっさりと破られてしまっている。

「ひゃははははっははっははははははは!! ああっっあああ! ああっははっははははっははははははは!! や、やめてくださいっっいひゃああああっ!? ひゃんっひゃひひっひひひひひひひひひひ!! ひゃはっはあはっははははははははははははははははは!!」
「たすったすけっっひゃははっははははははっははははははははっははは!! たすけてええええっっにゃはっはははっはっははははははははははは!! ひゃめえ……! もうひゃめっっみぎゃははははははっははっはははははははははははははは!!」
「ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あっあふ! ぶひゃははははっははははははははははははは!! くっくるしひひひひひっひひひひひひひひ!! いきばっすえないいいいっいひゃあああああっははっははははははっはははははははははははははは!!」

サファイアを含めた三人は、まるで深夜の下劣なテレビでしか見ることの出来ない淫靡な責めを受けているに等しかった。普通、こういうのを見れば子どもたちの母親がクレームでも出しそうな物だが、ここはくすぐり遊園地、これが当たり前の世界なのだ。故に、親は何も言わない。これが当然の行為なのだから。

「ひゃらあははははっはははっはあっはははははははははははは!! もうやぁああはっはははははははははっははははははははは!! くしゅぐりいひゃあああああ!! ふぁああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「にゃはははははははっはっははははははっははははは!! あっあ~~はっはははっはははっははははははははは!! くひひひっひ! くすぐったいってばああっはははっはははははっはははははあははは!! 服ぅぅぅ! 入らないでへへへへへへっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!
「ひぎひひひひひひひひひひひ!! っぷひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あっそこはぁぁっっだっっめへへへっへっへへっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! たっい……! よほほほほほほほほっっあっはははっははははははははははははは!!」 
 
だから、子どもたちはサファイアやヒーロー達のピンチに焦るだけである。唯一男だけは、彼女たちが終わらないくすぐりで延々に責められ、エロチックに笑い悶え、喘いでる姿を見て思わず屈んでしまうのだが。

「ぎひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あふっくぁああっっ! んひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あひっあははっははっははははははははははははははははははははは!!

 もう既にこれまでを合わして何分くすぐりを受けたのか、サファイアには判断出来ない。が、少なくとも十分二十分というような少ない時間ではない事は分かる。けれど、それほどの長時間のくすぐりを受けても、彼女の体は一向にソレに対する耐性を付けてくれない。全く慣れることの出来ないその責めは、この遊園地に入ってから二時間以上もの間、サファイアを苦しめ続けた。

「もうっもうくすぐりはいやとぉぉおおっ!! ぁあっははっはははっはははははははははは!! あはははは! ぎゃはははっはっははははははははははははは!!」 

 モジャンボによるとても耐えれるとは思えないくすぐりに、三人は屈服寸前であった。意識を手放す直前と言い換えても良い。とにかく三人は危険な状況に陥っていた。

「ゆるっゆるふふふふふふふひゃああはははははははははっはは!! ゆるして! ゆるしてくださいいいいい!! いっいひゃあはっははあはははっはははははははっははははは!! くすぐるのだめええええええっっ! きゃあああああっははははっははっははははっはははははは!!」
「もっもうひゃらぁああっははははっはははははははははっははは!! たすっったすけへへへっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 誰でもいいからぁぁあああっっはっはははっはははははは!! おねがいいいいいいいっっくひゃあああはっはははっははははははっははははは!!」
「だめええええ!! だあっははっはははあはははははははははははははははは!! もうだめたいいいいいいい!! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃっひゃっひゃひゃひゃひゃひゃ!! こそばかああああっっこそばあはははっはっははっはははっははははっははははははははははははははは!!」

「みんな! ヒーローと人質が大変な状況よ! みんなの大きな声で、ヒーローやポケモンたちにみんなの持つ大いなる力を分けてあげて、捕まってる三人を助けてあげてえええええッ!!」
 どこから現れたのか、進行役の女性の人が舞台の端からマイクを使って観客に呼び掛ける。それと同時、子どもの大きな声から出る応援が、ヒーローの、ポケモンの、サファイア達のいる舞台を包んで行く。
 そこから先は、サファイアにとってあっという間だった。どこからともなく味方のポケモンが飛び出してきて、そのままモジャンボとデスカーンを戦闘不能にし、自分達を悩ませていたくすぐりから解放すると、ヒーロー達が再び奮起し、戦闘員を一網打尽にしたかと思うと、そのまま流れるようなアクションシーンで敵怪人を撃破。敵幹部と、それが操るポケモンごと味方のポケモンがまとめて吹き飛ばし、勝利を収めるという結果に終わった。
 ショーは大成功であり、子どもの大歓声が聞こえてきたのをうっすらとサファイアは聞いた後、これで終わったんだと、この地獄からの解放のファンファーレのようだと、ふっと彼女は思った。


 その後、サファイアは出口へと向かっていた。その足取りはアトラクションを探していた時とは違い物凄く軽い。表情も穏やかで、今まで強制的にさせられた物とは違い、綺麗な笑顔で歩いていた。だが、その笑顔が曇る事になるとは、当の本人ですら知らない。


「お客様はまだ三つのアトラクションをご体験しておりませんので、残念ながら退園は出来ません」
「へ? あ、あの? あたし、三つのアトラクションば回ったとよ?」
「お客様が体験したアトラクションは、シューティングアトラクションと、対戦アトラクションの二つとなっております。あと一つ、その体でご体験して下さい」
 つまり、ヒーローショーはアトラクションとは別と言う事だった。深く考えなくてもそれは当然だろう、何故ならあれは運や服装によって回避する事が出来るのだから。この遊園地のアトラクションにおいて、回避という行為は存在しない。一度入れば最後、地獄のようなくすぐりを誰もが必ず平等に受けなければならないのだ。つまりは、サファイアは運が悪かっただけ、偶然にも、四回分のくすぐりを受けなければいけないだけ。そういう単純な話であった。
「そんな……。そげんことが…………。もう、あんなのはいやたぃぃぃいいいいいいいい!!」
 へたっと地面に座り込みながら、サファイアは腹の底から出したかのような大声で思いっきり叫んだ。彼女がここから出られるのは、もう少し先の話である。





あとがき

ここまで読んで下さってありがとうございます

若干消化不良の点があるかもしれませんが、この作品はこれで完結です。

今回は、ちょっと実験的に『区切り』を付けてみたんですが、どうでしょう、見易いですか? 見易いのなら、これからもこういうスタンスで行こうかなと思ってます。

このSSは遊園地のアトラクションとポケモンの設定を上手く絡められたかなと思ってるんですが、どうなんでしょうかね。

テーマは『遊園地』でお送りしました。実は今回使われたシチュ、全てフリーチャットでの会話を参考にして作りました。みなさんの欲望を文章化してみたという事ですね。当然ですが全て使った訳ではないですけど。

今後もこういう、チャットでシチュを考えると言う事も、やっていきたいですね。つまり、自分の考えてるシチュが実現するチャンスかもしれませんよ? そのためにはどこへ行けばいいか、後は分かりますね?

…………………………最近凄く執拗にチャットに勧誘してる気がするなぁ……

それでは、今日はこの辺で、次の更新は、火、水辺りになると思います。では、また次回に。




…………、この最後の文、結構書くけど、これオチてんのかなぁ……。

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