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Burning Love!!

金剛ちゃんってどんな子? 

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こんな子














「ねえ、提督」

 ゴトリと、仰々しい音を立てながら、背負っていた自身の身長の倍はありそうな巨大な鉄の塊を床に下ろし、彼女はせがむような声色でこちらに話しかけてくる。
 彼女の表情はどこか、暗い。
 それはひとえに、今だけは自分を闘いの道具としてではなく。
 この瞬間だけはあらゆる物を破壊しつくす戦艦としてではなく。
 貴方を想うたった一人の女性として、この場にいさせてほしいと暗に懇願しているように聞こえた。
 その声に普段のハツラツとした英語交じりの言葉はなく、いつも見ている彼女とは違う雰囲気に惑わされる。

 ああ、これがギャップ萌えという奴か……。

 深夜と言っても差し支えない時間帯。装備を外した彼女と一室で二人きり。極めつけにその保護欲をそそられる甘ったるい声。そして自分は布団の上。色々な状況が噛みあった結果徐々に蕩けていく頭の中で、そんな感想が自分の全身を貫いた。
 でも、そんなの知るかとばかりに、彼女は徐々に自分のいる布団へとその足を進める。ゆっくり、ゆっくりと。自分と彼女の距離がそうやって段々と縮んでいく毎に、思いしれぬ興奮が体の底から湧き起こり。言い知れぬ覚悟が全身を包んでいく。

 今から何をするかなど知っている。これから彼女をどうするかもわかっている。なぜならそれは全て自分が行うからだ。だが、望んだのは彼女。

 けれど、それを悪く思ってない自分がいる辺り、私自身そういう関係を望んでいたんだろう。そういう行為をするほどに、密接した間柄に、なりたかったのだろう。

 ここに来て、もっと言えばこの状況になって漸く、自分の心の奥に秘めていた彼女への認識について、改めて理解する。
 自分の鈍感ぶりに辟易する。だが顔には決して出さない。そんなことをすれば彼女を不必要に悲しませるだけだ。もう決心は付いたのだから、終わった事を一々顔に出してなんかいられない。今は、彼女に精一杯の愛情を注ごう。そのための行為を、執り行う覚悟を決めよう。

 それでも、何をするにしても、どんな事であれ初めてというのは存外緊張するものだ。勿論、それは施行する者もされる者も例外なくそうであろう。柄にもなく己の鼓動が早くなっているのを実感する。らしくない。全身が熱い。本当にらしくない。提督たる者、常に冷静でいるべきだと信念を持っていたのだが、その信念もあっという間に燃え尽きてしまった。

 自分ですらこうなのだ、一体、彼女にはどれだけの気持ちが圧し掛かっているのだろう。大いなる期待と、ほんのわずかな恐怖に身を震わせているのだろうか? それを正確に推し量る事は出来ない。だが、ある程度は察することが出来る、何故なら。

「提督……」

 普段は絶対に見せない弱々しい表情を浮かべながら、抑揚のない声で話しかける姿を見れば、全てとは言わないまでも大方理解することが出来るという物だ。ならば、私が掛けるべき言葉は決まっている。

「             」

 後になって思えば、あまりにも自分が言うにはかけ離れたセリフだったのかもしれない。だけど、その言葉を聞いた後、それまでの不安を払拭したかのように喜々とした、言い換えれば普段の彼女が浮かべる表情でこちらに飛びついてきたのを考えれば、さっきのセリフは程よい緊張ほぐしになったのではないだろうかと思う。

「Oh、提督! 意外とPlay boyネ! 私コロっと行きそうになったデース!」

 あ、既に私惚れてマシター! と目を輝かせながら喋る彼女の姿に思わず口元が緩む。

 思えば、彼女が自分にアプローチをしてきたのはいつからだっただろうか。こんな状況で、何故かそんなことを考えてしまった。それとも、こんな状況だからか? 

 抱きついてきて、自分の胸の上で猫のように甘えてくる彼女の茶色がかった長髪を撫でながら、ほんの少しだけ思慮に浸る時間を貰う。なに、ほんの十数秒程度。それぐらいなら、大丈夫だろう。

 そして、彼女との思い出を遡る。彼女と過ごした日々を、共に海で戦った日々を走馬灯のように思い返す。

 思い返して、思い返して、掘り返して、掘り返して、気づく。

 ああ、なんだ……。

 初めて出会った時から、彼女はずっと、この調子だったんじゃないか。
 
 あの時、天龍が連れてきた彼女と初顔合わせして、自己紹介したその時から彼女はずっと、満面の笑みでこちらに信頼を寄せて。

 そして、いつしか絶大な愛情を注いでいたんじゃないか。

 至って、改めて自分の鈍感さに気づく。おいおい、自分は一種の病気なんじゃないだろうか。額に手を当てたくなったが、抱える手の片方は彼女の身体を支えるのに、もう片方は彼女の頭を撫でるのに使っているので、無理と言う形に落ち着きそうだ。

 さて、そろそろ十秒が経過した頃であろう。このまま頭を撫で続けてもいたいが、彼女が望んだ事はそれだけではないので、名残惜しいがそろそろこの行為も終わりにしなければならない。

 決断し、頭から手を放す。そして少し、ほんの少しだけ彼女と距離を離す。
 それは、突発で決めた合図。自分から彼女、金剛への今からする事への許可を求めるサイン。
求めるなら、寄れ、求めぬなら、首を振れという今までの信頼関係から成る、無言の即席ジェスチャー。
 
 それを彼女は理解する。理解して彼女は、……寄った。

 しおらしい態度でこちらに体を寄せ、お互いに見つめ合いながら、彼女は正座し、そこから足を僅かに開き、両腕を自分の肩に乗せる。その体勢の意味する所を、理解できない訳ではない。

 彼女は覚悟を決めた。なら、私も覚悟を決めようではないか。
 
 手を、伸ばす。

 先ほどは身体を支えていた優しい腕は、今度は彼女を狂わせるために彼女の腕の付け根へ、宥めるように頭を撫でていた腕は、色欲に塗れたように両足の間へ、それぞれゆっくりと忍ばせる。

 手が、触れる。

 腕の付け根部分だけが綺麗に切り取られている巫女装束。衣装的華やかさを取り入れる為に切り取られ、大きく露出している部位に左手が。
 
 誰かに特注して作ってもらった物なのか、一般的な巫女服とは一線を画す太ももの半分程度しか覆わない程の短さを誇るスカート。視線を下に移せば秘境が顔を除かせているのを視認できる両足の間に右手が、それぞれ優しく触れる。

 ビクンと、彼女の身体が否応なく跳ねた。それはいったい何の感情が渦巻いたが故の結果だったか、私には知ることは出来ない。だが、彼女は姿勢を崩さない。そればかりかこちらに笑みを浮かべている。

 つまり、嫌がっていない。

 なら、遠慮する必要はない。

 ……始めよう。

 布団の上での二人の愛の育み、その前座を。

 彼女からの、リクエストを。

 ここまで来たらもう後戻りなんて出来ない。させるつもりもさらさらない。

 だから、

 しっかりと私の中で悶えてくれよ? 

 な? 『金剛』
 
 ゆっくりと五本の指をそれぞれ不規則に動かし始めていく。
 
 責め方としては王道ながらも、まだまだ余力を大いに残した状態。所謂前座のような責めだ。だが、決して緩すぎではない。そんなのでは面白くもなんともないからだ。彼女には、しばしの間笑わずとも耐えられずの境界線を彷徨ってもらおう。
 だが、今はまだ耐えれる方にやや比重を置いた責めになる。まずは、彼女の限界を見極める事から始めよう。そのための時間など、有り余っている。

 夜は、長い。

「んっふぁ……ぁん」

 モゾりと。彼女の身体が揺れ、肩にかすかに力が加わるのを感じる。同時に太ももをすり合わせるかのような動きを見せるが、決して腕の付け根や足の間に入れた手の動きは阻害しない。今まで聞いた事もないような甘い声はどちらかというと官能的な響きで、まだまだ余裕があるように感じた。
 
 少し、指の動きを変えてみる。速度こそ変わらない物の、不規則に轟かせていた物から若干含みを持たせたものに。
 スカートのさらに奥の方に指を伸ばし、声を煽り、腋の下の窪みに指を這わせ始め、苦しさを伴わせる。

「は、はぁ……んくっくく、ぁひゃぅ!」

 かすかだが、反応が良い物、自分が望んでいる物へと変わった。女の悦びを感じている声から、くすぐったさを伴う声に若干ではあるものの確実に変化している事を悟る。
 このままこの動きをしばらく継続させてみよう。慌てて作業を急ぐ必要はない。じっくりと、ねっとり苛め抜いていけばいいのだ。

「て、いとく……ぅくふ! そ、こっくふっんふふ……は……んひっ! くぅ、んっ……」
 
 耐えている証拠なのだろうか? 眼前で悶えている金剛の荒い息が鼻にかかる。彼女の息が鼻孔を刺激する度、己の中の何かの鎖が綻び始めているのを自覚する。だが、それを止める気は毛頭ない。

 くすぐりを続ける。見ると彼女は目を瞑っていた。目を開けていられるほどの余裕はなくなってきているという事なのだろう。

 ……悪戯心が湧いた。

 湧きあがった欲求に従い、腋の下をくすぐっていた手の人差し指で、軽く腋を引っ掻いてみる。

「っく、くく……ふぁはひ!? あ、あはははははは!!」

 金剛の反応は早かった。くすぐり方を変えて軽く腋の下を引っ掻いた直後に目を見開いて笑い悶え、くすぐられていた方、右腋を咄嗟に肩から手を離して防衛行動に映った。さっきの不意打ちは相当に効いたらしい。その証拠に顔は若干涙目だ。涙目なのはもっと前からかもしれないが。 
 
 そのまま数秒の時が流れた。足の方のくすぐりも止めている。私は無言のまま彼女を見つめる。その視線の意図するところを彼女は理解しているのか、少し視線を逸らしながら、ややあって意を決したようにおずおずと再び離した手を肩に置き直した。
 
 肩に置かれてから時計の秒針がさらに数回ほど動いた後、再びソレは始まる。

「はっはぅふふ! んひっひぅぅ…………! ぅくっぅん……! んっ、んっんふふ」

 先ほどのような引っ掻き責めはすぐに笑ってしまうので今はお預けだ。だからといって、手を離した事に関して何も罰を、お仕置きを与えないのはいささか不満を感じるのも事実だ。なので、指の動きを少し早めて責め立てていく。
 すると予想通り彼女の反応が目に見えて激しくなった。声が明確に笑いを耐えているものへと変貌を遂げ、身体が否応なしにプルプルと震えている。けれど体勢は崩していない所を見る限り、まだまだ耐えられる範疇ではあるらしい。

 だが、彼女を悶えさせた人差し指を使った腋の下引っ掻きで直ぐに笑った事から察するに、彼女はそうくすぐりに対して耐性を持っていない。その我慢も、くすぐったさを大いに伴った動きで二秒もくすぐってやれば容易に決壊するだろう。
 
 それを見るのも一興だが、今は強制的に耐えて貰うとしよう。そのための加減はこちらで調整してやるさ。

「ひぅ! ふひひ! は、はあぁぁん!? そ、そこはぁぁ……くふふふ! S、Strongすぎっあひひひ! ひぅう~~!! も、もう少し加減をおねがっひゃふ!? あく! くぅう! おねがい、シマース……ぁひひひひひ!!」

 スカートの奥深く、下着の少し手前の位置で無数の虫が這いまわっているかのような感触を轟かして与える。それだけでも十分に辛そうな声を漏らすが、時折、さらに手を奥に忍ばせ、適度に女として最も敏感な部分を布越しに優しく刺激することで、さらなる快感と苦痛を織り交ぜたかのようなくすぐったさを与え、彼女の声を荒げさせていく。
 
 さらに、下着越しの快感に溺れきってしまわないよう。腋の下の方にも絶え間なく刺激を送り込んでいく。
 二の腕周辺をクルクルと指先でなぞり、面白く身を震わさせては、頃合いを見て指先が腋の下、その周囲へと移動させる。
 腋の下から襲い来るくすぐったさが大きいらしく、身を軽く仰け反らし、小さく叫びながら痙攣する姿が可愛らしい。

「うっうくくくくく! くひひ! ひぃっひひひっっ! ひぅ!! ひ、ひゃは! はひっはひひ! はぁぁ……んっっ、ん、んぅ~~~~~~~~!!!」

 太ももと腋から同時に襲い掛かってくるくすぐったさに天秤が傾きながらも、随時与えられるスカートの奥から疼いてくる感覚のもどかしさを存分に堪能させ、自分の思うとおりに彼女を狂わさせていく。 
 
 指の動きをさらに加速させる。

「うひゃひぃ!?」

 すっとんきょうな、それでいて可愛らしい声が上がった。途端、ギュっと、右手の動きが柔らかい二つの何かに挟まれて妨害された、中指から小指が動かせない。
 感触的に、彼女が足を閉じたのだと分かった。
 腋の下のくすぐりを続けながら、無言で見つめる。

「あっうぅ……んふっぁん! ご、ごめんナサーイ くふふふ! く、くすぐったくてつい……くひひひ! ひぅ!! ひっひひっっひぃん!」

 反射的に取った行動とはいえ、こういう事を望んだ者が自ら行為から逃げる行動をとった事に対して、どうやら悪いとは思っているらしい。だが、笑いを堪えながら謝る姿には誠意が感じられない。

 ……ふむ、少しばかり、お灸を据えてやる必要がありそうだ。

 金剛、お前はそれで太ももへのくすぐりは出来ない。などと思ってそうだが、実はそんな訳が全然ない。勘違いも甚だしい。大間違いもいいとこだ。
 何もくすぐったさが、指を轟かす事でしか発生しないなんて、くすぐり方が五指を不規則に動かして与えていく方法しかないなんて、

 そんな事は言ってないし、

 そんな訳もないだろう?

「っっ~~~~~~~~~~~~~~!? ひゃっひゃはは! あははははははっはははははは!! あ、あしがっあしひひひひひひひひ! いひゃああはははははははははははっはははははははは!!」

 瞬間、金剛は盛大に吹き出し笑い始めた。新たに施した責めの前に簡単に屈服したらしい。もう我慢なんて効かないようだ。眉をハの字に歪め、イヤイヤするように髪を振り回しながら苦しむ姿は、自分の予想以上の効果があったことを如実に表していた。
 指を動かせななくなったので、太ももで埋まった指の腹と埋まってない指の腹で彼女の太ももを揉んでみたが、こうも反応が良いとは……。
 お仕置きとは言ったものの、十秒程度で終わらす予定だったが、もう少し延長しよう。この笑顔を直ぐに終わらすのは非常にもったいない。

「ぐひぃ!? ひぁっきゃひゃぁああひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あ、くぁっぁぁあああぁ~~~~~~はははははははっはははっはははははははは!! あ! あ! あ!! いやぁああはははあははははははははははははは!!! や、やはは! あははははははははははは!!」

 グニグニと彼女の肌を揉んでいく。それによる効果は覿面らしく、指を動かせば動かす程、彼女から溢れんばかりの叫びにも似た笑い声が轟いている。
 自分の一挙一動で面白いように悶えてくれるのは、やってる側としては非常に気分がいい。ここからさらに強くくすぐってみれば一体彼女はどうなるんだろうか? 
 沸き上った興味を実施すべく、太ももを責め立てる動きをさらに強くしていく。
 それにしても女の肌というのは柔らかいな、揉みやすい。もっと触っていたくなる。

「あっははははははははははは…………! ひっぁぁっっ? ぁっんにゃぁぁあああああああああ!? あっあにゃっうひゃああはははははっははははははっははははははははは! だめえええええへへへへへへへへへへ!! くっくすぐっっあはははははははははははははははははははははは!!」

 さらに声が大きくなった。もうつんざくと表現した方がしっくりくるぐらいの大声で彼女は笑う。
 しかしその事に対して私は気にしない。周りを気にして彼女の責めを緩めるとか、そんな考えはもう頭の中に微塵たりとも残っていない。今あるのは、どうやれば彼女をもっと悦ばせる事が出来るかどうか、ただそれだけ。 

「はひゃははははっはははははは! Stop! Stopしてくだサーイぃいひひひひひひひひひひひ!! はひっひゃはぁああははっはははっはははははははははは!! や、やぁぁあははははっきゃひっひひゃぁぁあひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! く、くるしひひひひひひひひ! あははははははははは!」

 笑い叫びながら首を振り、身体をくねらせているが、肩から手を離さないのは賞賛に値しよう。だが太ももの中に埋もれている指がさらに圧迫されたのは気に食わん。きつく閉じて指の動きを押さえようという魂胆なのだろう。
 だが、無駄だ。一度入り込んだ指の動きを封じられる訳がない。捕まったと言っても所詮人の足だ。その程度で指一つ動かせない状況など作れる筈もなく、彼女は太ももへの揉み責めを甘んじて受け続けなければならない。
 解放されたいなら足を開けばいい。まあもっとも、くすぐったくて閉じたのに、わざわざもう一度くすぐられるために足を開くなど、彼女の悶え狂う様子を見るに、到底出来るとも思えないが。

「ひぃっそ、それ苦手デースっっふひゃぁああはははははははははは!! て、提督、それだけはっっあはははははははははは!! んひゃはははっ! き、きゃはははははっいやはははははははははははははははは!!」

 もう一つの手段として、肩に置いてある手を使って腕を引き抜く、と言うのも考えられるが、自分からくすぐられたいと金剛が望んできた以上、その手段は使うに使えない。
 もしその手段を使って、私の機嫌を損ねたら夜の営みが終わるかもしれないという思いが彼女の心の奥底に存在しているからだ。
  こうやって行きも戻れもしない状況に陥ることを、彼女自身が望んだのだから。自分から逃げる何て事は今の状況では決して許されない。

 結果、彼女は自身の本能に打ち勝つまでの間。悶え続ける事となる。

「ひぃっっひぃいいひひひひひひひひひひひ!! あっそこはっそんなっはひゃぁあははははははははははははは!! く、くすぐったい! くすぐったいネェ~~~~~~~~~!!!!  あ、あぁあぁ~~~~~~~~!!! あははははははははははははははは!!」

 ……それにしても、この悶え様。彼女はこっちの責めに対しての方が弱いのか。成程、ならさっきの足を閉じた事に対しては、わき腹揉み責めで償ってもらおうか。

 そう思い立ち、即座に行動を開始する。

 腋の下に伸ばしていた手を、スルスルと移動させる。間もなく、手は彼女の柔らかい横腹に到着し、太もものくすぐったさに夢中になってる彼女に対して追いうちを掛けるように、そこを巫女服越しに優しく押し込んでいく。

「あっふぁっあひゃぁぁあああぁあああ!?」 

 艶のある声が響いた刹那、私の両肩に重圧が加わる。それは彼女が手を離すまいと腕に力を入れている証拠であり、どうしようもないくすぐったさに襲われている明確な証拠となった。
 男を惑わす色気を漂わしながら踊っているかのように彼女は腰を左右に動かす。まるでくすぐりの手から逃げるように。 けれども、肩に手を置いて、足を閉じて正座しているような体勢では満足な成果など得られる訳もなく、豊満な胸が左右に揺れ動くのも相まって、それは単に私を楽しませる結果にしかなってない。
 
 そればかりか、わき腹を服越しにくすぐっているのに無駄に暴れるせいで、徐々にスカートの中に入れていた部分がずり上がり始め、段々と彼女の巫女服がはだけていく。それの意味する所は、やがて腋や太もも以外にも素肌をくすぐられる部分が出来上がるという訳であり……、暴れれば暴れるだけ、劣勢に陥っていくどん詰まりの状況になってるという事であった。まさに自業自得。

「あはははははは! あはは! あははははははははははははははは!! いや、いや!! いやぁぁああ~~~~~~!!! あっっあっっあっっ!! ああぁああははははははははははははははははは!!」

 まともな言葉を発する事も出来ないぐらいに苦しいのか、いつもの外国語混じりの言葉は発さず、ただただ笑う事のみにその口を使っていた。
 さらに促さんとばかりに、私は太ももとわき腹への責めを継続する。
 
 彼女の柔らかい肉に無骨な指がグニュリと食い込む度に、その身を小刻みに震わせ、出来る限り捩っては見るからに扇情的な汗を垂れさせ、指の腹で白いきめ細やかな肌を押し込めば押し込む程、彼女は苦しそうな笑いを持って返事を返す。

「あはははははははは! きゃぁあああははははははははははは!! んくぅ! くぅううううううううううううううううう!!! いひひっひゃははははははははは!!」

 しばらくそうした悪循環が彼女を襲い、自分の行いによって悶える彼女の様子を楽しんでいたが、突如、ゆっくりと、太ももに閉じ込められていた右手が自由を得ていくのを感じた。
 見ると必死に閉じた足を開こうとしているのだろう。金剛は目をキュっと閉じて、歯を食いしばり、懸命に耐えながら、閉じていた足をゆっくりと、元あった位置まで開こうと努力していた。

「くふふふふふふふ!! ふぁっふぁひゃひひひひひひひひひひ!! ひぃっひぅう!! あひゃははははははは! あははっはひひっっっぁん! ッッ~~~~~~~~~~~~!!!!」

 俯き、笑い声を懸命に押し殺す。太ももをヒクヒクと痙攣させながら足を広げたかと思うと、襲来するくすぐったさの再燃により思わず閉じようとしたりする。それを幾度か繰り返しながらも、ようやっとの思いで彼女は足を僅かに開くことに成功した。
 そこにある程度の感慨が湧くのは否定しない。けれども私は太ももを揉むようにくすぐるのを未だ続行する。今ここで止めて、また普通のくすぐりを再開した時、またも直ぐに閉じられてしまっては話が進まないからだ。
 
 なので、耐えれるかどうかの実験として、足を開ききってからの十秒前後の時間は、この責めを実行し続ける事にする。

「ふぁぁっふぁぁぁああぁああ~~~~~!!! なっ、なんでっっんひゃはははははは!! はひっはひぃいいひひひひひひひひひひ!」

 ガクガクと彼女の身体が辛そうな悲鳴を上げる。それでも私はくすぐる手を緩めない。
十秒間の間、耐えきれぬくすぐったさを延々と送り込み、散々に翻弄させていく。火照りに火照った顔で悶える姿が感情を煽り立てる。

 十秒が経過した。

 そろそろこれくらいにしておいかないと続きの楽しみがなくなりそうなので、一旦彼女の身体から指を離す。
 
 肩に圧し掛かっていた力が取れていく。指が離れた事によって安堵しているのか、それとも吐きだした息を吸い込んでいるのか、髪や服が乱れているのに目もくれず、彼女は眼を閉じ、息を整える事だけに意識を集中させていた。
 
 ハァハァという息遣いが、衣服がはだけている事と相まって何とも艶めかしい。相乗効果と言うのは実に素晴らしい物である。
 
 彼女の息遣いが段々と落ち着き、整ってきているのを肌で感じる。ならそろそろ再開するとしよう。今までの責めで、彼女の限界は掴めた。ここからが本番だ。
 
 腕を伸ばす。伸ばした指は何度も責め抜いた太ももや腋の下だけではなく、乱れた結果素肌が露になった腹部やわき腹、ニーソに包まれている膝小僧に手を伸ばし、触り始める。

「はぅ!? っうひっっひぅぅ!! やっやぁぁっっわ、わきやふとももだけじゃ……ぁん!! んひぃ!? くふふふふふ! ふひっふひひひひひひひひひ!」

 瞬間、ピクンと彼女の体が小さく跳ねた。その一動作すら今の私にとっては興奮を促す薬となり、彼女にとっては終わらぬ責めの再開を告げる合図となる。
 指の動きは初めて彼女に触れた時と同じ。五指それぞれが同じ動きにならないように轟かす無慈悲なくすぐり方。
 ただしその轟かす速さは最初の頃よりも断然早い。今までの行動で彼女の大体の限界を知りつくし、彼女が笑わないギリギリを責め立てる。

「はっあふっっふぁぁあっ!! あっんふっ!! くひぃいいいい!! ひぃ!! っぁ~~~~~~~~~!! ぁぁあ! あはっやぁぁぁあ!!」

 正座した結果、こちらに突き出された膝小僧を優しく撫で擦ってやれば、彼女の口からなんとも甘く苦しそうな声が喉から捻り出され、むき出しになったお腹を指先でこちょこちょとくすぐってやれば熱い息が鼻にかかり、笑いを我慢しているかのような魅力的な声が己の心を叩く。

「ぁん! はぁっはぁ……はひゃぁぁあん!? あ、わ、わき腹はNoネ! そこだめっだっひゃひぃいいいいいいいいいいい!! ひあぅ! ぁあっふひゃん!  うぅっ! くぅ!! ぁぁあっっ!! はふふふふふふふふふふふふふふ!」

 こちょこちょと不意打ち気味にわき腹をくすぐれば、即座に右へ左へと身体を揺れ動かす。先ほどはそれによってほんの少しばかりくすぐったさから逃げれていたようだが、今回はそうはいかない。なにせ今わき腹を責めている手は二本あるのだから。右に逃げても、左に逃げても、どちらかに手は待ち受けている。
 そうして逃れられない苦しさを与えたのち、脇の下を軽くくすぐってやる。すると彼女の抵抗は一瞬で崩れ去り、残ったのは身体をピクピクさせながら笑いを耐える一人の女の子の完成だ。

「わ、わきはひきょう……んぁっんやぁぁん! はぅ! はふふふふふ! ふくっくぅぅぅううう!!」

 そうして俯きながらヒクヒクと逃れられないくすぐったさに苦しみ、よがる。
 けれど、まだまだ責めは終わらない。くすぐる部位はまだまだある事を、彼女にその身体に教え込んでいく。
 
 手始めに、背中に手を添える。それだけで彼女は次はどこをくすぐられるかを把握したようで、懇願するような目をこちらに向ける。

「っっ~~~~~~!? せ、背中……はぁ……ぁぁ! そこは……弱いんデースっふひぃ!! だ、だめぇ……やめっひゃぅふふふふふ! く、きぃ……! あっあっっあっっ!!」

 そうか、弱いのか。
 
 なら、思いっきり触って苛めてあげないと、失礼だよな。
 
 瞬間、絶望の色が金剛の顔に浮かび上がる。まったく、懇願すればくすぐられないとか本気で思っていたのだろうか。そんな事ある訳ないだろうに。逆に喜々としてくすぐられるだけというのを分かっていないのだろうか。分かっていないのだろうな。

 しょうがない。なら、身体で分からせてあげないとな。

「て、ていとく……くふふふふふふ! おねがっそこはっっひゃん!!」
 
 人差し指を背筋にくっ付ける。それだけで彼女はひゃんと叫ぶが。そんな事は気に留めない。指を背筋に沿って下から上へと、ゆっくりと上昇していく。勿論、人差し指以外の指は背中をくすぐりながら。

「はひっはひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!! ひははっきゃっだ、あ!! くひひ! や、やぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~!!!! や、やだああああああああああ!!」

 どうやら背中は性感帯の一つだったらしい。身を反らし、今まで以上に艶やかな声が室内を覆う。反応の良さに、思わず背中を責め立てる指に力が入る。
 そのまま片手で背中をくすぐりつつ、もう一つの腕でスカートの中を責め立ててると、秘部を守る布からじんわりと湿った物が唐突に指に触れた。それだけで何が起きたかを理解する。
 ……なるほど、背中のくすぐり責めは気持ち良すぎたか。背中をくすぐるのは止した方が良さそうだ。
 
 背中をくすぐっていた手を離し、代わりに仰け反った結果突き出された無駄肉一つないお腹をくすぐる。

「はぅ! こ、今度はそこデスかっっあんっひいひひひひひひひひひひひ! あぁっくっっくぅっっ!! らっめぇっっへへへっっ! や、だぁ…………んふふふふふふふふふふふふ!!」

 快感に酔っていた彼女にとって、お腹の責めは予想外だったようで、お腹を引っ込たり身体を左右に捩ったりとくすぐる側にとって決して飽きさせない反応を取ってくれる。どうやら気持ち良さからくすぐったさへと気分はすっかり変わってくれたようだ。

 手をお腹から離し、またわき腹、腋、太もも、膝小僧、首筋、お腹といったくすぐったがる箇所を代わる代わる、徹底的にくすぐっていく。

 しかし、決して彼女を笑いの渦に叩き込みはさせない。悶えはするも、絶対に笑わないように力を調節して、彼女を延々と困らせていく。 

「はっぁぁあぁああ!! ふひひひ! いひゃぁっっあぁぁん! ふぁぁ……ぁ……ん!! や、やぁぁ……きゃぅ! い、いひひひひひひ」

 力なく歪んだ表情を浮かべながら笑みを零す。でもその顔は決して崩れ切ってはいない。笑おうとしても、本能が反射的に耐える事を選択し、ギリギリの境目で我慢を強いられているからだ。

 それが逆に彼女を追い詰める。

 今の彼女にとって、耐える事は何よりも辛い現象となって、全身を襲っている筈だ。
 
「っっ~~~~~~~~~!! んくっっくぁぁあああ!! あぁっあぁぁぁん!! あはっ! っぁぁ……ん! だ、ダメェ……ふひっひぅうくくくくくく!!」

 首をフルフルと可愛く振り回しながら力無げに彼女は鳴く。

 うん、そろそろこちらに懇願する頃合いかな? 
 
「くふっぷくくくくく……!! んひゃ!? はぅっ! き、つ、いっヨー……ぁん! も、もうこんなの……くひぃ! あは! ふひひひひひひひひひひひひひひひひひ!」

 笑い続ける苦しさと、笑いを耐えなければいけない苦しさ。二つに一つ、どちらかの感情を選択するか天秤にかけた時、先ほど思いっきり笑わせたのがここで効いてくる。
 今、彼女はこう思っている筈だ。『さっきは苦しかったけど、それでも中途半端なくすぐったさに耐える事に比べれば、思いっきりくすぐったい感情を受けて笑い続けた方が……苦しくなくていいんじゃないか』と、
 そして天秤は、傾く。誘導した方へ、あっさりと、簡単に。

 コトリと、何かが落ちた音が聞こえたような気がした。

「も、もっとひとおもいに……ぁん! んっぷくくくくっ!」

 ほら来た。予想的中だ。
 さあ、言ってごらん? 何をどうして欲しいのかを。

「も、もっと……ひひっあふっくぁはははは! も、もっとぉぉ……!」

 もっと?

「もっと、思いっきりくすぐって欲しいデース……あぅっくぁ! ひぁっ! ひ、にゃぁぁぁん! あぁっうひひひ!! う、くひぃぅっっ!! もう、耐えたくないんデース!!! やっあっっあぁっっ!! きひっひぃぁあっ! きゃぅ!! こんな辛いの、もう、Noヨーッッ!!!」  

 ニヤリと、口元が緩んだ。全身をくすぐっていた手を止め、彼女の肩に置き、そのままゆっくりと押し倒す。

 彼女は、抵抗をしない。されるがままに、重力に従ってゆっくりと沈んでいく。
 
 ポフンと、布団から柔らかい音が鳴ると同時に、彼女は仰向けに倒れた。巫女服は乱れに乱れ、もはやサラシに巻かれた胸しか肌を隠していない。
 彼女の下腹部を両足で挟み、所謂馬乗りに姿勢を取る。それに対しても何も彼女は言わない。それ所か、頬を染め、少しばかり息を荒げ始める始末だ。さらに腕を枕元より上の部分で交差させたりもしている。
 有体に言って、いつでも受け入れる体勢。
 少し下品に言って、欲情、発情している。

「提督……来て、ください……デース」

 これから手を出そうかと思っていた矢先、少しの間すら待ちきれなかったのか、彼女の方から話を進めてきた。
 熱のこもった瞳でこちらを愛しく見つめる姿が身体を焦がし、艶の入った焦燥感を煽る言葉が鼓膜を震わせ、全身を燃え上がらせる。
 
瞬間、理性が、切れる音がした。

 手が、容赦なく伸びて、彼女の身体を蹂躙せんと全身を弄び始めて……


―――――――――――――――――――――――


「おらぁ提督!! 出撃の命令はまだかよ! さっさと起きやがれ!! つうかいつまで寝てん……だ……よ…………」

「司令官! そろそろ起きて指揮をとってくださいなのです!! 赤城さんがボーキサイト食べまくりでこのままだと開発と建造の目途がたた……な……く……な、っちゃうの……です……」

 
 蝶番が壊れたんじゃないだろうかと疑うほどの轟音と共に、扉が勢いよく開いた。それと同時に頭に強く響いてくる二つの怒鳴り声。
 うーん……、昨日遅くまで金剛の相手をしてたせいで、眠気がひどいんだ……もう少し……寝かせてくれ……。
 朝起こしに来てくれた二人に、そう言いかけようとした刹那、今、自分がどういう状況に置かれているかを認識する。
 時刻は朝、自室の布団、そこにいる金剛。二人とも裸、とどめに抱き合ってると来た。この現場を見る天龍と電。客観的に見た二人が判断する結論は……!
 ……誤解でもなんでもなく彼女たちの想像した事柄その通りの事が起きている事なんだと気づいた。
 あ、つまりこれ無駄なんだな何言っても。間違いがありすぎて間違いがなさすぎる。

「な、なななななんで司令官さんと金剛さんが、は、はだかで一緒の布団に寝てるんです!? と言うかこの部屋、いつもはしない変な臭いがするのです!!」

「おい金剛!! こいつは一体どういうこった! てめえ抜け駆けは無しってこの前俺達と約束したばっかだろうが!!」    

「もー、司令官を起こしてって言ったのに、なんで騒いでるのよあなた達は。提督~、指示をくれないと。もう出撃準備は整ってるんですから早く起きてください……って! お、お姉さまぁああああああああああああああああああ!? な、なんでお姉さまが提督と裸で抱き合って……ひ、ひえぇえええええええええええええええ!!」

 その後、比叡のつんざくような叫び声につられてやってきた面々が立て続けにこの現場を目撃し、次々に黄色い声やら怒号やらがそこら中を飛び交い、その騒音で金剛が目を覚ましては、寝起き様に昨日は激しかったのだまた今夜も楽しみにしていマースだなんだとおくべもなくみんなの前で言いきっちゃったお陰で、たちまち鎮守府全体にその話は流出。そこから数日もの間、艦娘たちの話題はこの事で持ちきりになった。らしい。 
 
 やれ提督はくすぐり好きだとか、巨乳好きだとか、巫女服好きだとか、次は誰が提督と寝るかといった話がそこかしこで展開されていたらしい。まったく、賑やかなのはいい事なのだが、これはちょっと違うんじゃないか?

 はぁ……と、思わずため息が漏れる。
 
「Hi! 提督~、ちょっと顔が疲れ気味ネー! Tea timeにして、一緒に紅茶でも飲みませんカー?」

 聞き慣れた声が耳を叩く。誰のせいだ誰のという不満を心の中で呟きながら、机に置いてあった書類から目を離し視線を正面に向けると、いつからそこにいたのやら、目の前には満面の笑みを浮かべた金剛の姿が。

 ふむ、確かに少し疲れてるのかもしれない。いや、頭が痛いだけか。しかし書類とにらめっこするのに気が滅入り始めてきたのも事実、気分を入れ替える為にも休憩がてら一杯貰っておいて損はなさそうだ。
 一杯欲しいと伝える、すると彼女は嬉しそうな顔をした後、ティーセットを素早く机の上に置いた。まったく仕事が早い事で。

「全く、みんな好き勝手言い過ぎデース! 提督は誰にも渡さないんだからネー! 私が戦で沈むその時まで、あなたの事は誰にも任せまセーン!!」

 抜け駆けは無しって持ちかけた奴が言う言葉か? そう言いかけようとした口は、沈んだその時までと言う言葉に押し殺される、紅茶を飲もうとしていた手が止まり、視線が下へと移る。
 確かに、そうだ。彼女の事をいくら愛していると言っても、でも、彼女は戦争の為につくられた道具で、武器で……戦場で、負ければ……海の底に一人で、暗く深いあの海に、沈んで……。

「あ、て、提督! ジョ、ジョーク! ジョークですヨー! 私はそんな簡単に沈まないデース! だからそんな悲しそうな顔しないでくだサーイ!」 

 はっと顔を上げる。どうやら相当に思いつめた顔をしていたらしい。こうやって必死に取り繕う彼女を見るのは初めてだ。

「全く、提督には冗談が通用しませんネー!」

 やれやれと言いたそうな表情を浮かべながら、彼女は紅茶を口に運んでいく。

 その様子を微笑ましく思い、自分も紅茶を飲みながらも、先ほど考えた事に対して、さらに深く思考を巡らしていく。

 ああ、そうなんだろう。きっと、彼女はいつか、海に沈む。それは間違いない事実としてそこにあるのだろう。
 人間がどれだけ長生きしようともいつかは寿命で死ぬように、彼女もまた、どれだけ海から生き残って帰ってきたとしても、いずれ海で死ぬ時が来る。それは寿命か敗北か、どちらかはわからないが。確定事項としてそれは存在する。
 ただ、それは摂理なのだ。個人の差あれど、確実にその時は分け隔てなく全員にやってくるものなのだ。
 彼女達艦娘の方が、人間より先にその時がやってくるだけ。それだけの話。
 
 なら、そんないつかは、考えないようにしよう。
 近いか遠いかわからない将来に恐怖するよりも、今、彼女と一緒に笑っていられるこの瞬間を、大切にするべきなんだろうかと、思う。

 そして、そのいつかがやって来て、金剛が深い眠りに入ったのなら……そうだな。
 何十年後、私が死ぬ時は、お前が眠った所と同じ場所で、私も長い眠りに就こう。
そうしたら、遠い遠いヴァルハラの地で、お前ともう一度一緒になれると、そう思うから。

「あ、提督―! 今夜はどんなPlayがお望みデスカー? 私なんでも答えちゃうヨー!」
 
 ……折角良い話にしようと思ったのにコイツときたら……それにあの時のプレイはそっちから望んできたんじゃないか……まったく。

 ま、それもいいさ。

 こうやって下らない話で笑い合いながら終わらせるのが、一番いい。

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