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鬼畜アニキの外道実験












 最近、妹のナナが生意気だ、と、悩むのは、彼女の兄の言である。
 そして、そろそろ妹にも調教の時期が来たなとも考える。
 傍から見れば湧いてるとしか思えない超直球思考回路なのだが、本人からすれば至って真面目なのが質が悪い。
 彼等の家庭は両親が早期に他界し、その為、妹と姉との三人暮らしをすることになった。
裕福だったこともあり、遺産も莫大な金額が銀行に入っているのだが、遺書により、全員が二十歳を超えるまでは引き出してはいけないと書かれていたため、現在に限り、彼らは金欠に悩まされていた。
 その為、お金を稼がなければいけなかったが、これまた面倒なことに三人とも誰かの為に働くなんてしたくない自己中心的な性格なので誰一人働こうとしなかった。が、このままでは俺の趣味の時間が無くなると危惧した兄が、家の地下室で姉のルルを数日間に及ぶ説得、もとい調教を施した。
 何を施したかは定かではない。が、その調教の甲斐あってか、姉は翌日から喜々として仕事を探し始めたという。
 それ以降、金関係は全部姉に稼がせていたのだが、最近その収入が少なくなり、妹のナナにも金を稼がせなければ生活できないという現状であった。この生活できないというのは、己の趣味にかかる費用を全て込み込みで計算した場合、である。
 その為、兄は電話で、あくまでも優しく仕事をしろと諭したつもりだったのだが、妹は即答で嫌と答え、これは生意気である。と、兄のコウは判断した。ちなみにその時の会話の記録がこちらである。


「ナナ、お前も俺の為に、俺だけの為に金を稼ぎ、俺に渡せ」
「は!? い、嫌に決まってるでしょ!!私中学生だし、お兄ちゃんが稼げばいいでしょ!!」
「ナナ、俺は忙しいんだ、ルル姉の要望に答えるとか、趣味に時間を費やす等でな。その点、お前は暇だろう、だから働け」
「その趣味って、あの悪趣味なやつでしょう!! あれ(・・)さえなければ家はもっと――」
「あれ(・・)は俺にとっての命であり、ルル姉にとっての活動源だ。分かったらさっさと――」
「とにかく、私は絶っ対に働かないからね!!」


 通話記録、十五秒の間に起こった出来事である。優しくもなんともない気がするが、あれが兄にとっての精一杯の優しさである。
 現在、ナナはシャワーを浴びていた。あの電話から数日後の話である。姉のルルはまだ仕事から帰ってきていない。
 「(やるなら……今のうちか…)」
静かにそう決意した兄は、ある準備をすべく、自分の趣味用品で埋め尽くされている地下室に向かった。

 兄が地下室に篭もり始めて十分後、ナナはシャワーを終えたのか、バスタオルを体に巻いただけの状態で、リビングに佇んでいた。
 しっとりと濡れている長髪の黒髪、仄かにピンク色に染まる肌にバスタオル一枚という姿は、中学生という枠では言い表せない妖艶さを醸し出している。
 ふぅ、というため息とともに、ナナは兄のことを思い浮かべる。
 正直に言うと、ナナは兄の事が嫌いではない。趣味に没頭しているときは関わりたくないが、それ以外だと、比較的、まともな兄だと思っている。
 一度この旨を友人に話したところ、目覚めているんじゃないかと言われた事がある。あの時は否定したが、今考えると、あながち間違っていないのではとも彼女は思う。
「(そもそも、毎日一緒に居たら慣れるし、受け入れちゃうって)」
 だから彼女は、地下室にて自分を呼ぶ兄の声を聞き、嫌々ながらも、律儀に地下室へと向かってしまうのだ。
 こんな妹を生意気と称す兄の気心がしれないというのは、姉の弁である。


「う……わ……」
 地下にある兄の趣味室に入って開口一番の台詞が絶句だった。なぜなら、前回この部屋に訪れた時よりも、圧倒的に趣味道具が増えているのだ。
 兄の趣味道具とは拷問用具である。しかもその拷問方法がある一点のみ。それは、対象の皮膚を刺激し、苦痛とは違うベクトルで、苦痛を与える拷問、平たく言えばくすぐりである。
「(いつの間にこんなに……)」
 見るからにくすぐったそうな羽や筆、妙な液体、変な機械等が所狭しと詰まっており、これで博物館でも開けるのではないかと思ってしまうほどだ。
「(また、実験でもされるのかな……)」
 彼女自身、この趣味の実験と称されて、幾度となくくすぐられた事がある。今回もその類なのだろうかと、ナナは、奥で何かの機械を調整している兄を視線で追いながら、そんなことを考えていた。
「来ないと思っていた……まさか自分から来るとは思わなかった」
 唐突に降りかかる兄の言葉に、少し彼女は間を置いてしまう。兄は作業中、あまり話さないのに。頭の片隅に過ぎった思想を、彼女は押し殺し、平然な口調で話しかける
「……どうせ来なくても強制的につれてくるんでしょ」
「ま、その通りだがな、準備が終わった、その姿のままこの機械に乗れ。覚悟はできているんだろう?」
 言われて、彼女は自分の格好に気づく。バスタオル一枚、これでくすぐられろという事は裸を晒せといわれているようなものだ、年頃の女に、その注文は厳しい、が、どうせこの兄はそんな要望など聞き入れてくれないのだろう、それは過去の体験で学習済みだ。
 だから彼女は、仕方なくその姿のまま兄が指定した機械に乗る。
 機械は、見た目はオーソドックスな形状をしていた。
 見た目はマッサージチェアに類似していて、全体的な色調は黒で纏まっている。
 違うところといえば、腰部分に動きを抑制させる為かベルトが付随され、肘掛部分がなく、頭を乗せる場所には、頭部を拘束するメットの用な物がある。そのメットを挟むように左右にそれぞれ一つ、幅直径数十センチの何かを埋め込む穴が開いている。おそらく腕を拘束するための物だろう。そしてその穴は、腕が全部埋まるように設計されているようだ。
さらに、膝の周辺にも埋め込む穴がそれぞれ左右に一つ展開している。ここに足全体を埋め込んでしまえば、僅かな挙動すら許されない事は容易に想像が付く。
つまり彼女は、体をピンと張った状態で、身動き一つ取れない状態でくすぐられるということである。
そして、それがどれ程苦しいのかは、過去に何度か身をもって経験している。が、ここまでの拘束は今までの記憶になかった。未知の領域なのだ。自然、彼女の体は震えた。新しいことに臨むというのは、誰だって緊張するものである。
彼女は、マッサージチェアらしきものに腰を掛けると、腰のベルトを締め、頭上に展開する二つの穴に両腕を通し、下で展開している二つの穴に両足を通した。
それを見計らった兄が、機械の操作をし始める。途端、ベルトが一気に締まり、動きを抑制しにかかる。しかし、それは決して彼女に痛みを伴わせない。また、彼女の手足を通していた穴と頭部を覆っていたメットが、どんどん狭まっていく。丁度、血圧を測るために血圧計が狭まっていくみたいに。だが、その働きも彼女を締め付けることはせず、あくまでも優しく、が、確実に行動を封じていく。しばらくして、彼女の手足が完全に穴に嵌め込められた状態になる。
 試しにナナは動きが取れるのかと、全身の力を振り絞り動こうとするが、出来たのは、僅かに身を震わすだけで、それ以外はなんの成果も出せなかった。
無言でその行動を見届け、動けないことを確認した兄は、傍に置いてあったビンをつかみ、蓋に手を掛け、開けた。
「ひっ!」
 それを見て、恐怖の声を漏らしたのはナナである。ビンの中には、小さくて雪に見える無数の白いなにかがビッシリと詰まっており、中で轟いていたからだ。
「この虫は梵天虫という少し特殊な虫で人間の皮膚に存在する僅かなゴミを好んで食べる。動けないお前はこいつらにとって良いエサだろうよ」
「ま、まさかっっそれを!?」
 彼女の問答には答えず、調教の始まりだと言わんばかりの表情で、ビンを彼女の近くに持っていき、ゆっくりと傾けていく。
「ひっっやっっ! やめてっやっぁあははははは! や~~~~~!! 気持ち悪いいいいいいい!! ひぃああああああ!!」
 恐怖に歪んでいた顔だったが、次第に目が細まり、口が横に裂けていく。それは、端からだと、笑みを作っているようにも見える。
「あっっあっっあああははははははははははっはははははは!! いやぁぁっっいやあああははははあははははははははははは きゃははははははっっああははははははは!!」 ボトボトと梵天虫は少しずつ彼女の体に落ちて行き、彼女の裸体を少しずつ白に染めていく。そして全身に存在するエサを求めて、彼女の裸体を無尽に這い回る。
「いやはははははははは!! やっっやあああははははははははははははは!! やだあああああっっぅはははははははははは!! おにいちゃっっにゃはああああ!? あはっはははははははっは!! おにぃちゃあああん!! もうやめっっひゃはあはははははははは!!」
 目の前で妹の恥辱を見つめているであろう兄に中止を求める声をだすも、それを受け入れてくくれた事は一度もない。要は、何を言っても無駄である。
「白いのがっっムシがああああ! くぅうああははははははははははっは!! んあああああああ!! いやあああああああ!!」
ゾゾゾっと、背筋に悪寒が走りそうな動きで梵天虫はナナの体を縦横無尽に動き回り、彼女を悶えさせ続ける。
「いひひひひひっひひっっひひゃあああ!! ふぁぁあっぅにゃあああっっひはははははははははは!! ひゃめ、ひゃめええへへっへへへへへっへぇ! んあああああああ!!」
 ナナに群がる梵天虫の数はどんどんと増して行き、彼女が感じるくすぐったさは増大の一途を辿っていく。
「無理、むりっっひゃははははははははは!! むりだってばあああ!! っっきゃああははははははははははっは!! こんなに沢山、ムリいいいいひひひひひっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 
 腕を使って取り除きたくても、首を振ってくすぐったさを緩和しようと思っても、腰を使って少しでも虫を振り払いたくても、足をジタバタと動かして堪えたくても、拘束された体がそれを許してくれない。
「やっやっっやぁぁっっやはぁあははははははははははは!! やらぁあああはははははははははは!! くすぐったい~~~~! くすぐったあああああいいっ!!!!」
 彼女の甲高い声が地下室に響き渡る。ここまで大きな声を出せば近所の人間が心配するかもしれない。が、この家は豪邸であり、半径一キロは家の領地である。その為、この声が外に響き渡っても、心配されることはないのだ。
「気持ち悪いいいっっんあああ、いひひひひひひひひぃっっあ~はははははははははは!! はいまわらないでえぇええ!! ぅくぁあああっっふぁああははははははっははははっあはははははは」
 ナナを襲うくすぐったさは、虫という元来の嫌悪感と合わさって、想像を絶する物になっていた。
「あっっきゃああははははははははっははは!! そんなとこ、とおらないでえええ!! ひきゃはははははははははっははは!! ひぃぁああああああああ!!」
 数匹の梵天虫は脇の下の窪みに溜まってるゴミを食べるべく、忙しそうに動き回る。
「ひぎゃはははははははははは!! わきぃわきはああっっよしてえええへへへへへへっへへへ!! よしてったらああああっっひゃああははははははははははははは!!」
 梵天虫の口の中は、人体を傷つけないように、また効率的に食事が出来るように、歯が尖っていない。それは、ナナにとって、たえられない刺激を送る。
「ひぃやあああああああ!? あっっっきゃっっひゃはははははははあはははははっはははははは!! 噛まないでえええ!! そんな、そんっっふぅああはははははははははは!! わきぃっ、かまないでえええええ!!」
 皮膚を少し摘まれるような感覚、それは、今までナナが受けたことのない責めであり、そこから感じる刺激は、彼女に悲鳴のような笑い声をださせるには充分だった。
「いひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! だめ、だめええっっっぅぁははっははははははははは!! もうだめえええええええ!!」
 一匹の梵天虫は、臍の中に入り、小さな体を利用して中で動きまわり、奥をくすぐり、彼女の口をより大きく開けさせた。
「まってっそんなああひゃああああああ!? きゃっっあははははははははっははははははあははは!! そんなところぉおお!! やらぁああははっはははははははははははは!」
 臍周りから来る、今までくすぐられた事のない箇所からのくすぐりは、彼女の頭の中から、くすぐったいという感情以外を全て捨て去ってしまった。
「くすぐったいいいい!! あばれないでえええっっえひゃははははははははっはは!! やだあぁあ!! やだぁああああはははははっはははははははは!!」
 瞳から涙がポロポロと零れだし、口を閉じることが出来ずにいた結果、よだれがタラタラと喉を通る。
 さらに梵天虫は、乳房に赴き、円を描きながら頂上に向かって登頂する。
「あっっくぅあぅ! んひゃうううう!! ふぁああぁあははっはははははは!! いや、そこ、のぼっちゃいやあああっっ! きゃふうあふははっはははははははぁぅ!」
 甘い声を出すナナの懇願虚しく、梵天虫はゆっくりと頂上にたどり着き、その尖っていない歯で、彼女の乳首にかぷりと噛み付いた。
「っっいひゃあああああああああっ!!! あっああ、んああああああああん!! きひぃいいいいい!!」
 噛み付かれた直後、彼女の体が、ビクンと跳ねる。が、体を動かすことが出来ないため、その刺激を全身から逃がすことが出来ない。そして、別の梵天虫がもう片方の乳房にも巻きつき、噛み付こうと登頂してくる。
「あ、ああっ! そ、それだけはっぅくふふふふふぅひひひひひひひひぃ! 今、それをしたらぁぁああ!! 私、わたしぃいい!! あくぅう…… ひはははははっはは」
 頬を上気させ、どこか切羽詰ったような、そんな表情を浮かべながら、彼女はムカデの行動を制止させようと体を振るおうとするが、拘束は頑丈で彼女の体を僅かに動かすことしか出来ず、梵天虫の侵攻を止められない。
 そして、もう片方の乳首にも、白虫の歯が襲い掛かる。
「やめ、やめぇっ! っ! あ、ああぅ、くぅああああああああああああああッ!!!!」
 瞬間、一際大きな嬌声を上げたかと思うと、彼女は全身の力が抜けたかのように機械に体を預けた。長らく弄ばれたからであろう。体は火照ったように熱く、口からは淫靡な吐息が聞こえ、股間からは愛液が流れ出ている。
「(見られちゃった……お兄ちゃんに……イク所を……)」
 くすぐられて絶頂に達する。これは、ナナにとって、初めてのことであった。
 今までも何度か実験でくすぐられたが、実験中では絶頂に達さず、終わった後に自室でこっそり慰めていたのに。それほどまでに今回のは激しく、苦しいものであったのだ。
 しかし、彼女への責めは終わらない。兄は、無言で梵天虫のビンを一気に逆さにし、残りのムカデを全部ナナの体に落とし、彼女を一気にくすぐりの地獄に叩き落した。 
「ふぁあああ!? きゃっぅあああははははははははははははは!! やあああああはははははははははは!! もうやだああははははっははははははははは!!」
 再び襲い掛かる空前絶後のくすぐったさに、ナナは堪える事もなく吹き出し、可愛らしい顔を笑顔に歪める。 
「もうやめ、もうこれいじょうっっひひゃああははははははははっはっは!! ムシ、ふやさなっっふひゃははははははっはははは!! 増やさないでえええええ!!」
「言われなくても増やさん。これで全部だ。この状態で一日は頑張ってもらう」
「い、いちにっっあひゃははははははははは!! ぎひひひひっひひひひひひぃ! 一日なんて、むりっあははははははは!! むりぃいいいいいいい!!」
「心配しなくても、水と飯は一回補給してやる。あと排便の心配もいらん。全部その機械がなんとかしてくれる」
「そういうことっっきゃひひひひひひゃひゃひゃっっいひゃははははははははあははは!! そういうことじゃないいいいいいい!! 一日もこんなの、狂っちゃうううううう!! ぐふふふふぁはははははははっはははは!!」
「こんなので人は狂わん、充分喘いでろ」
 そう言うと、兄は踵を返し、地下室から出て行った。
「まって、待ってえへっへへっへへへへひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! おにいちゃあっぅわははははははははははは!! おにいちゃあああん!!」
 ナナは絶叫する。置いていかれるなんてことは一度もなかった。それに、今までは長くても一時間だったのが、実に二十四倍もの時間、彼女はくすぐられなけらばならないのだ。 
「しぬぅ!! しんじゃっっきゃはははははははっははあははははははははは!! しんじゃうううううう!! 一日なんてむりいいいっっいひひひひひひひっひひひいぃぃ!!」
 一日、一日の間ずっと、彼女は梵天虫の食事に付き合わなければならなかった。それは彼女に絶望を叩きつける。
「ひははははははっははは!! ひひゃひゃひゃひゃっっはははっひゃひゃひゃははは!! はう~~~~~!!」
すでに梵天虫は、全身に蠢いており、もはや素肌の部分は、ほんの僅かしか存在せず、まるで今の彼女は、雪に覆われているかのようだった。
「んひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やっっやっっやははははははっはははははははっはははは!!  いやははははっはははははははは!! もういや~~~~~!!」
「体中が~~~! くすぐったああああああいいい!! あひゃははははははあああふぁははははははははっはははははははは!! くすぐったいいいいいいいいいいいっっ!」
 全身から送られてくる刺激に、笑い続けることしか出来ないナナは、ひたすら叫び続けた。
「動かないでええええ!! かまないでええええ!!  おねがっっんひゃうううう!! くふふふふふっふふっふううう!! っっあああはははっはははははははははははははは!!」
 腹部を這い、僅かに浮いた背面をせわしなく動き回る。ナナは、その度に律儀に反応し、悶える。
「あっっはっぅひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃはははははっはははあはは!! きゃひひひひいっひひひひひひひひひひひひっひひひひひひぁ~~~!!」
 彼女の地獄は終わらない、調教は、まだ始まったばかりである。
「くぅぅぁああああ~~~!! ひぎゃはははっはははははははははははっははははは!!」

 

「あっっははははは……、もう、いやぁ~、やめ、やめてぇ~~」
 ナナが梵天虫と戯れ始めてから、およそ六時間が経過しようとしていた。
 現在、梵天虫はお腹が膨れたのか、彼女の体を無闇に這い回っておらず、動いているのは少数のみとなっていた。
「いっっははははは、あっっくぅあ、にゃははははははは」
 それでも、彼女を襲うくすぐったさは、耐えられる範囲のものではなかった。既に彼女の体力は限界を迎えつつあり、このままおよそ三時間程続けていれば、いずれ人格が壊れてしまう事も彼女はなんとなく予期していた。
 その様をモニターで監視していた兄は、もうこれ以上は無理だと判断し、ナナの救済にかかる。
 兄が行おうとしているのは調教であり、精神の破壊ではない。調教には飴も必要である。
 だから兄は、彼女が座っている機械を操作し、飴でありながら、鞭でもある救済を行い始める。
「ははは、はは……。……!? こ、今度は、なにぃ?」
 ギュイーンと、何かの駆動音がナナの聴覚を刺激する。その音に反応し、目だけを動かし雑音の原因を探っていると、彼女の目前に迫ってくる何かが見えた。
 それは、彼女が腰掛けている機械から伸びている一本のアームであった。その先端にはケバケバとした、触られたらいかにもくすぐったそうな刷毛が付随している。
 そして、その刷毛はゆっくりと彼女の体に近づき、掃くように動き始め、梵天虫を払い始めた。
「ちょっっまっっそれはっっはぅううう!! くくくくっくくくうっふふふひひひっひいひひひひ。 ふふゅううううふふっふふふっふふふふ!」
 ゆっくりと、しかし確実に、彼女の体を覆っていた薄い白が刷毛により落とされて行き、素肌が垣間見えてくる
「ふぁぁぁぁあ! あっっぅぅううう! にっっひひひひっひひひひひ」
 ナナは、微笑を浮かべ、刷毛の動きに耐え続ける。その刷毛は、特注のオーダーメイドで、ナナが一番くすぐったく感じる材質、大きさ、硬さ、柔らかさ、太さ、長さ、量で作られており、彼女が絶対に笑い出すような設計にしてあるのだ。
「ふぅううう! きひひひひひひっひひひひ! くぅうぅうううぅぅう!! んんんんんぁ! んふふふふふっふふうふっふふふふふ」
 それでも、彼女が何とか笑い声を出さずに済んでいるのは、刷毛の動きが非常に緩慢だからだ。
 まるで腫れ物を扱うかのように、ゆっくりと丁寧に彼女の体を掃いていく。時間にして、胸部から下腹部までを数秒もの時をかけて掃く。もしこれが、一秒の速さで動いていたら、彼女は堪えることなく可愛い笑い声を惜し気もなく吐き出していただろう。
 しかし、彼女の悪夢はこれからだった。刷毛により振り落とされた梵天虫が、彼女の体に戻らんと、再び活発に動き始めたのだ。
「きゃあああああああ!? あっっいや~~はははははははははっあははははははは!! やめてやめてやめて~~~~~~~!! やめてったらああああああっ!!」
 おまけに、刷毛に落とされるのを嫌がってか、体に纏わりついていた梵天虫も、刷毛から逃げ出そうと彼女の体を高速で逃げ回る。
「にゃああはっははははははははははははははは!! ひぎゃはははっはははははははははははは!! うわはははははははははははははっひぃやはははははははっ! いひぁ~~~~~!!」 
 また、それを追いかけようとしたのか、刷毛の動きが急速に早まり、彼女の全身を先程までとは比べられない早さで掃き始める。
「いひゃひゃひゃひゃひゃっっあはっあはははははははははははははは!! だっっだっっっっはっははっあはははははははははははははは!! だめ~~~~~っ!!!」
 ナナは、刷毛の動きの高速化に、数瞬も笑いを抑え込むことが出来なかった。
「ハケ、そんなにはやっっっはやっっやはははははははははははははは!! はやくうごいちゃあああああ!! だめええええええええ!! くすぐったいからああああああああ!!」
 素早く逃げ回る梵天虫と、それを急速に追いかける刷毛、その二つが生み出す相乗効果は、絶対的なくすぐったさとなって、ナナを責め立てる。
「やめてええええっ!! 二つとも動くの、やめっへっへへへへへへへへへへっっひゃはははははははははははは!! やめて~~~~~~~~っっ!!」
 ナナがどれだけ叫ぼうと、虫と機械の追いかけっこは終わらない。刷毛がどれだけ払っても、梵天虫は這い上がろうとする。僅かに諦めた個体もいるが、ほんの少しだ。未だほとんどの梵天虫は、彼女の体に群がっていて、極少の変化でしかない。
「いやはははははははははは!! あっああああっははははははははははははははは!! 助けて、たすけてええええええええ!!」
梵天虫は、ナナの背中を所狭しと逃げるように這い回り、何も抵抗できないまま、彼女は笑い転げる。
「せ、せなかはああああ、無理よおおっほほほほほほっほほ!! ゾクゾクするからあああははっはははあははははははは!! やめぇええええええ!!」
 刷毛は、彼女の前面を徹底的に掃き続けた。首、胸、腹部、下腹部といった箇所に、耐え難い刺激が襲い掛かる。
「どこもだめえええええええ!! きゃあああはははははははははははははははははは!! ハケ、くすぐったいいいいい!!」
 刷毛の先端の尖った毛先が、ナナのわき腹に触れた時、彼女の体は、否応なく跳ねた。
「ふひゃあああああああああ!! んっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あ~~~~~~~~~!! あひぃぁっっははっははははははははは!!」
 梵天虫が、ナナの脇の下に集まった時、彼女の体は、抵抗を求め、振るえ続ける。
「ぎゃっっはははははははははははははは!! あ~ははははははははははははっははは!! やだあああああはははっはははははははははは!!」
 ナナは先の長い鬼ごっこに笑い続ける。刷毛は確かに虫を落としていた。それでも、刷毛の成果は一向に現れなかった。どれだけの数をそぎ落としても、すぐに彼女の体に戻り、這い回るのだ。
「おちないいいいいいい!! ムシ おちてくれないいいいいっっひひひひひひひひひひっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やぁ~~~~~~!!」
 いたちごっこだった。どれだけ刷毛が落としても、梵天虫は定位置に戻ろうとする。そしてまた刷毛が落とそうとする。この繰り返しは、いたずらに彼女の体を責めるだけであった。
「もうやぁああだああああっはははははははははははははは!! やだ~~~~~~!! こんなの、まってられないいいいいい!! おにいちゃああああっっいひゃひゃひゃひゃははははははは!! 助け、 助けてええええええええ!!」
 この願いが届いたのかどうかは知らないが、彼女の目の前に、もう一つアームが出現した。先端には同じく刷毛が存在し、そのまま二本のアームで、彼女の体で轟いている梵天虫を払いにかかった。
 しかし、その刷毛は、一本目のアームとは少し違っていた。
「わひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! っあひぃいいいいいいい!? 何、これ! ヌルヌル、すりゅうううううっっふふふふふふふふっヒヒヒヒヒヒひひひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 
 刷毛の先端が濡れていたのだ。彼女にはわからなかったかもしれないが、この刷毛の根元には、ローションを出す機構があり、そこからローションを刷毛全体に染み込ませ、彼女の体を掃いたのだ。
「ひひゃあああああああああ!! ヌルヌルで、くすぐったさがあああああ!! あっっきゃはははははははははははっはははははははは!! ひあああああああっっ!!」
 ローションの滑りを生かして、梵天虫を絡めとり、駆除する方法をとっていたのだが、元々、彼女がもっともくすぐったく感じるように設計された刷毛である。それに加え、ローションという非常にいい潤滑油の追加は、彼女にとって地獄のような感覚を与える。
「くすぐったいいいいいいいい!! さっきよりも全然くすぐっっっいひゃははははははははははっははははは!! くすぐったいよおおおおおおおおお!!」
 もはや、笑っているのか叫んでいるのか分からない声を上げるナナ、しかし、ローションの効果は抜群で、梵天虫を少しずつだが、確実にナナの体から引き剥がしていく。
「あああははははっははははははははははははは!! ひぎゃっはははははははっっにゃはははははっははははははははは!! んひひひひっひひひひひひひっはははっはははははは!!」
 それでも、刷毛から来る刺激は、梵天虫など目でもなく、むしろ梵天虫に纏わりつかれていたほうが、彼女にとってまだマシだった。それほどまでにこの二つの刷毛とローションの掃除はすさまじかったのである。
「んあああっ!! ふひぃいいああああああああ!! いやああっはははっはははははははははははは!! ん~~~~~~~~~~!!」
 それから、彼女が刷毛の動きに悶え続けて五分後、ついに彼女の体から、梵天虫がすべて取り払われた。落とされた梵天虫は、ローションに絡めとられて、身動きが出来ない状態であり、彼女の体に這い上がる心配はなかった。だが、
「なんで!? なんでえええええええ!! へひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! きひゃひゃひゃひゃははっははははははははは!!」
 刷毛の動きは、まだ続いていた。二本の刷毛は、ナナの体にローションを塗りつけるような動きで、彼女を翻弄していた。
「終わったのに! 落ちたのにいいいいい!! ふぁあっっはははははははははははっあっっはははははっははははははは!! もういいでしょおおおおおおおお!! とめてえええええ!!  これとめてっへへっへへへへへへへ!!」



 梵天虫が完全に落とされてから有に五分間の間、ナナは刷毛の洗礼を受け続け、後に彼女はようやくくすぐり責めから開放された。
「は、はははっ、やっと、止まった……」
 機械に体を預けながら、ナナはそっと呟いた。
 息を整え、自分の体力が回復してくれるのをひたすらに待つ。今、この機械から開放されても、すぐには立つことが出来ないであろう。それほどまでに消耗していたのだ。
 しかし、彼女への責めは終わらない。時間にして五分の休息を与えられた彼女は、体力も完全とはいかないまでも、およそ七割までには、回復させていた。
 それを見計らったのか、彼女の耳にまたあの忌々しい駆動音が聞こえてきた。
「!? またなの!? もう終わりじゃないのッ!!?」
 まだ終わっていない、その事実が、彼女の顔を蒼白に染める。そして、来るべき感覚に備えようと、身を縮こませた。
 しかし、彼女の予期していた責めは、予期せぬ場所から訪れることとなる。
「え? きゃあああああああああ!!! あっっあっっっあははははははははっはははははははははあは!! う、うで~~~~~~!?」
 彼女が感じた刺激は、腕全体が埋まった拘束具からだった。拘束具は、彼女の腕を優しく包み込んでおり、そこを、ブルブルと全体を振動させていた。
「いきゃはははっははははははははははははは!! やっっやっっっやああはははっはははははははっはははははははははははははは やめっっやめええええええ!!」
 今までとは全く異なる責め方に、彼女は成す術なく瞳に涙を浮かべる。
「いははははははははっはははははっっきゃあっははははははは! う、うごかせないいいいいいいい!! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
 彼女の腕は、完全に拘束されており、ほんの少しでも動かせた胴体とは違い、少しも動かせることは出来なかった。それは、どうすることも出来ないくすぐったさを生み出す。
「無理、無理ムリむりぃぃぃぃいい!! いひゃあああっはっははははははははははははははは!! そんなのむりだってばああああああああ!!!」
 無駄な肉の付いてない二の腕を強引にマッサージされる感覚は、彼女にとっての新たな弱点となりつつあった。
「いやぁああああ!! ブルブルいやっっあはっあははははははははははははは!! いやあああああ!! くすぐったいいいいいいいい!!」
 震えだしたのは、腕だけではなかった。彼女の足全体を覆っていた拘束具も、振動を開始し始めたのだ。
「あ、足もおおお!? やめて、やめっっあっっくぅあああっははははははっははははははっははは!! やめえええっっっひひひひひっあひひひひ!! やめてえええええええ!!」
 足も、腕と同じく完全に身動き出来ない状態で拘束されており、身じろぎひとつ彼女には許されない。
「ふぁああああっっあっっあああああっっあははははははははははははははっはははっは!! 震えないでええええええ!! おかしくっっあはははあははは! おかしくなるうううううううう!!」
 振動は、彼女の太ももと内股をぐにぐにと押し込むような形で揉みくすぐる
 「んあああああああ!! ああああああ!! 太ももぉおおお!! 内股ぁぁあ!! やめてえええええ!! ひああぁあああああっっひひひひっっいひひひひっひぃひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃッッあああっはっはっはっはあははははははははは!!」
女性にとって敏感な太ももと内股を同時に絶えない振動で責められるのは、彼女の瞳を横につり広げさせる。
 振動責めは、彼女の膝頭と膝裏にも及び、何も抵抗できないのをいいことに、無残に責め立てる。
「ひゃめっっひゃええええっへへへへへっへへへひゃっひゃっひゃははっははっはははははは!! そこ、いひゃあああああっっ やめええええええええ!!」
 ほんの少しも動けない、対象をずらすことが出来ない辛さを、身を持って初めて実感する。
 向こう脛とふくらはぎも、強引に揉み解されていた。そこから送り込まれてくる感覚は、彼女の口を横に裂き、縦に広げさせる。
「やだあああ!! もうやっっだああっははははははっははははははははははは!! ぐにぐにきらっっっふぁっははははははははははははは!! ぐにぐにきらいいいいいいいい!!」
 どれだけ拒絶の言葉を口にしても、どれだけ停止の懇願を吐いても、機械は止まることを知らない。
「んんあああっっああはっははははははははああああああああああ!!」
 そして、振動は、彼女の足の裏にも伝わる。
 指一本動かせないような状態で、有無を言わさない壮絶なくすぐりマッサージは、ナナの絶叫を誘う。
「っっ!! っっあっぅああっっきゃあああっははははははははははっはっははははははは!! だめええええ!! だめだめだっっぎひゃひゃひゃひゃひゃはっはははっはははははっはっははっあはははははははは!! だめえええええええ!!」
 グッグッっと彼女の足の裏の強制マッサージは、彼女の笑いのツボを適格に押し出す。
「押さないで~~~っ!! 揉まないで~~~っ!! おねがっっくぅああっははっははははははははっははははは!! お願いだからあああああああああ!!!」
 彼女がどれだけ泣いてもどんなに笑っても、振動は続けられる。
「ひっひっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃっあははははははは!! くすぐったいからあああああ!! そこだけは許してええええええええ!!」
 そう叫ぶも、マッサージは一向に緩くなってくれない。それどころか、心なしか揉む強さが上がった気すら感じていた。実際に強くなっていたのだが。
「あぎゃあっはははははははははははははははは!! 強い、強いいいいいい!! やあああめえええてえええっへっへへへへへへへへっへへへ!! いや~~~~~~!!」
 機械に埋められた場所から送られてくる振動責め。端から見たら、彼女は何もされてないのに笑っているかのように見えるかもしれない。彼女からしたら今の状況は地獄以外の何者でもないのだが。
 そして、機械のくすぐりは彼女の目から上を覆っているメットからも送られる。
「へひぃ!?」 
 ズブっと頭の中に何かが刺さる感触がした。
 音の正体は、メットが彼女の耳の中に細くて柔らかい小さな羽を差し込んだ音。
 そして、差し込まれた羽はゆっくりと回転運動を初め、耳の中を蹂躙する。
「ふぁああああ……、なに、これぇえっへっへへへへ……、くしゅぐったいぃぃぃ……、やだぁぁ~」
 僅かに蕩けた表情を見せるが、その表情は、手足から伝わる振動で強引に笑顔に変えさせられた。
 マシーンのくすぐりは終わらない。マシーンは、残された胴体も毒牙にかけようと動き出す。
 機械の側面から、無数の穴が開いたのだ。そこから姿を現したのは、孫の手サイズの白いマジックハンドだった。マジックハンドは、それぞれが微妙に形状が違っており。先が尖っているもの、丸いもの、震えているもの、刷毛を持つものなどがあり、その数はざっと二十前後。
「ま、まさかぁ。 それっっいははっはははは! それだけはあぁ! お願いいい!!」
 彼女の嘆願などどこ吹く風。マジックハンドは、ピンと体を張っている彼女の下に殺到し、思い思いの方法で彼女の胴体をくすぐり始めた。
「やめっっやめっっあはははははは! やめぇ! っっいやああああああはははははははははははははは!! やめてってえええ!! 言ったのにいいいっひっひっひひぃいいいいいひひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
 ローションを塗りたくられて、滑りが非常に良くなっている今の彼女に、マジックハンドの攻撃は、耐えられるものではなかった。
「ひあ~~~~!! あ~~~っはっはっはっはっは!! ひゃはははははははっはははは! 苦しっくるっっふひゃっひひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 苦しいよおおおおおおお!!」
 丸みのあるマジックハンドが、彼女の右脇を全部の指を使い激しくこちょこちょとくすぐる。
「っ~~~ははははははっははははははは!! わきいやっっいやっっいやっっははははははははははははは!! あはははははははははははっっくすぐらないでえええええええ!!」
 滑りの良い今の彼女の肌には、この刺激はあまりにも強烈だった。
「ふぁああっはははははははは!! んああああああああああああ!!」
 すこし尖っているマジックハンドが、左の脇の下をカリカリと引っかき、絶妙な刺激を彼女に送る。
「きゃあっあははははははあははははっはははっははははははは!! それもいやあああああ!! かかないでえええっへへへへっへへっへへへへ!!」
 振動するマジックハンドは、腹部に五本の指を広げて沿え、手足と同じく強制振動マッサージを開始する。
「ふひゃあああああああ!? だ、だめえええええ!! ふるわせないでえええええええ!! おねがっっひひひひひっひひゃひゃひゃひゃあああああああああ!!」
 また、別の震えるマジックハンドは、丸みのあるマジックハンドを押しのけ、右脇を陣取り、人差し指を脇の下の窪みに力強く押し付けた。
「いひゃあああっっあははははははははははは!! やだっっやだああああああああああ!! ああはははははははっははははははは!! それきんしぃいいいいいい!!」
 突然変わったくすぐりとは別の刺激に、しかしくすぐったい刺激に、笑い続けることしか出来ない。
 そして、行き場をなくした丸みのあるマジックハンドは、もう一本の丸みのあるマジックハンドとともに、わき腹に張り付き、つんつんとつつきはじめた
「あっっくぅあああ! ひぁっっ、んんあ! ひゃめぇえ! その動き、んひゃ! ひゃめええ!!」
 断続的に柔らかいわき腹に続く刺激は、彼女をなんとももどかしい気分にさせる。
 そして、頃合を見計らったのか、マジックハンドは、急にガシっとわき腹を掴み、つっつきを止めたかと思うと、今度はグニグニと手足や腹部とは違う揉みくすぐりを行ってきた。
「ひゃっっひゃあああああああ!! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! きゃはははははははっあはははははははははははははは!! それもだめえええええ!! 耐えられないいいい!! くすぐったいいいいいい!!」
 わき腹が縦に横にと微妙に形を変えられながらくすぐられる。女性にとって、触られただけでも笑い出しそうな箇所にその攻撃を行うマジックハンドに容赦はない。
「にゃあああっははははははははははははっははは!! グニグニ揉むのはぁあああ!! いやだってばああああああ!! んんああっっあはははははっはははははは!!」
 容赦なく、遠慮なくわき腹を揉む丸いマジックハンドは、急に揉みを終えたかと思うと、五本の指でこちょこちょと両わき腹をくすぐりだした。
「いッひゃああああはははははっははははははははは!! もうやっっひひひひひひっひひひひひいいいいん!! もういやあああっっふふふっぷひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
そして、刷毛を持つマジックハンドは、胸をサッサッと優しく掃いていた。
「ふひゃぁぁあああ!! あはははははははっっはぅぅんん!! ん~~~~~~~~!! ひはぁああぁああああ!!」
 くすぐったい、しかし、どこか気持ちいい、同時に送られる二つの刺激に、彼女の脳は揺れていた。
 股間も、刷毛のマジックハンドがくすぐっていた。足の付け根をくすぐっていたかと思うと、唐突に割れ目をなぞり、また付け根をくすぐり、焦らす。そんな運動を、刷毛は続けていた。
「くっくくくくくくぅう! んああ!! そこっっんぁああ! きひひひひひひ!! ふぁぁぁぁあ!!」
もどかしい、股間に感じる刺激はそれだった。もっと強く触ってほしい、付け根だけではなく。あっちの方に。しかし、その願いは届かず、時折なでるだけで、刷毛は付け根を重点的に責める。
「はうぅうううう!! そこばっか、やぁ。 ふぅははははははは! そこだけじゃ、やぁ!」
いっそ、振動するマジックハンドだったら良かった。そんな事が彼女の脳裏を掠めた。しかし、その考えは激しいくすぐりによって、すぐに消えうせる。
 刷毛のマジックハンドが、僅かな隙間に潜り込み、背中を刺激し始めたからだ。
「くぁあぁあああっははははははは!! せ、せなかまでええええええ! 背中もくすぐるのおおおおおお!? んひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ああああああ!!」
 狭い隙間に入り込んでいるため、複雑な動きは出来ないが、それでも単に動かすだけでも、彼女にはくすぐったかった。
「ひひゃははっははははははははははは!! くすぐったいいいいい!! ああああははははははははははははっっきゃはははははははっははは!!」
 全身を余すところなくマジックハンドにくすぐられ、手足もくすぐりマッサージで刺激され、文字通り全体から脳に送られてくるくすぐったいという命令は、ナナの体力を奪っていく。
「くるっちゃうううう!! こんなにたくさん! くすぐられたら、くるっちゃうよおおおおおおお!! いひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! くるうううううう!!」
 マジックハンドは時折くすぐるポジションを変え、決してナナに慣れさせない刺激を送る。
「きゃぁああはははっははははは!! 変えてもダメええええ!! 全部ダメだってばああああああ!!! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
 胴体をくすぐる手は、ローションの効果も相まって、彼女にくすぐりをなれさせない。
「もうこちょこちょはいやああああああ!! いやはははははははははっははははははは!! やだあああああああああああ!!」
 手足を震えさせる機械も、強弱を付けたり、振動する速度を変更するなどして、永遠に彼女を責め続ける。
「きひひひひひひひひひひひっっっああはははははははははははははははは!! もう許してええええええええ!!」
「こんなにくすぐったいの、もうむりぃいいいいい!! いひゃああああ!! ひゃはっははははははははっはははは!!」
「あはははははっははははははは!! おにいちゃっっひははははははっはははははは!! もういいでしょ~~~!! このままじゃ、私、わたしぃいいいいい!!」
 その様子をモニター越しに見て、いい感じに段階を踏んでいる、と、憶測する兄。
 この調子でいけば、いずれ自分の言うことには全て従う様になるだろう。それが出来れば、調教完了だ、と口に出さず心の中で呟く
 彼女の地獄は、まだ終わらない。終わるときは、兄の言いなりになっているときだ。













ここまで読んでくれてありがとうございます。

………………、

何あの冒頭! 最低だ! もうちょっとマシな冒頭を書く事は出来はなかったのか! 

と、久しぶりにこのSSを読み返した時に自分が感じた感想です。

あそこまで酷いともういっそ清々しく……ならないね!! 恥ずかしいもんは恥ずかしい!! 

まあ、遠回しの自虐はここらへんにしておきましょう。

今回のSSは、埋め込みとマシン。そして蟲責めです。

そういえば少し前に某スレで埋め込みが流行っていましたね。少し時期遅れの流行乗りですね!(このSSを書いたのは6月。流行なんてしてない時期)

そして初めて本格的なくすぐりマシンというのを書いてみました。今後も機会があれば書いていきたいですね。機械だけに。

蟲ですが、本来は多数のムカデだったんです(このSSを書く一月前に公開されたワラキューのカンナ様の影響)が、想像してこれは流石にグロテスクだと反省、自重し、玉藻前物語に出てくる梵天虫へと差し代わる事に。

はい、以上であとがきは終わりですね

次回更新まで、しばらくお待ちください。

では、おつんでれ~













1月に入った途端更新頻度が元通りになる不思議!

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