2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブレザープレシャーズの苦難





  人魚。それは、この世で最も美しいとされている生き物の事である。
 外見は肩に僅かなエラがある事と、膝下からは魚のヒレとなっている以外は殆ど人間と変わらない。性別は女性しか存在せず、女性一人で人魚の子どもを産む事ができる特殊な体を持つ神秘的な生き物。体付きは細く、人間の女性に取って抜群のプロポーションを何もしなくても維持する事が出来る体を持ち、肌は透き通るように白く、きめ細かく、凄く肌触りの良い肌をしている。顔立ちは全員が例外なく整っており、見目麗しい美少女にしか成長しない種族という、正に天が二物も三物も与えた生き物が人魚と言われている。
 そして、今回の物語はその人魚である彼女達を中心に始まる。


太陽の光も届かない深海のさらに奥深く。
 音も無く、光も無く、暗闇と静寂に包まれている空間を、高速で泳いでいく生物がいた。
「ほら、ナナミ。さっさと泳ぐ! 出ないと明日の公演に間に合わないよ!」
「そんな事私だって分かってます~。イズミも後ろばっかり見ないで前を向いて! 大きな魚に食べられても知らないよ! ね、シズク」
「ふふ……そうですね。慌てずゆっくりと泳いで行きましょう」
 そこで繰り広げられていたのは、深海ではありえない、人語で会話する三人の若い少女達の姿があった。
 人間達の学校の制服をイメージしてなのか、三人揃って半袖の白のシャツの上にワッペンの付いた赤い袖なしのブレザー、足を極端に露出するぐらい短いフリフリのチェックのミニスカートを身に纏い、桃色の手袋を身に付け、黒のニ―ソックスを着用するその姿は、どう考えても深海で身に付けるソレではない。それ以前にこんな所を人間が泳いでいる事自体が、生物的にありえないのだ。
 そこから導かれる結論は、彼女達は人ではないという事実。 
 彼女達は、地上では全ての男を魅了する事が出来る幻の生物、又は海が生んだ絶世の宝物と噂されている人魚と呼ばれる種族であり、この三人はその人魚の中でもとびっきりの美少女で構成された、『ブレザープレシャーズ』と言われる海のアイドルである。
彼女達は世界の海を泳ぎ、行く先々で人魚の間で伝わる歌を集まった魚達に披露し、海に生きる様々な生物に安らぎを与えるのが仕事である。
「それにしても、意外と日本海って遠いもんだね。もっと近いと思ってたけど」
 暗い深海(と言っても、人魚である彼女達は、周囲が明るく見通せる目を持ってるのだが)を日本海に向かって直進し、時折自身をぐるっと回転させながら楽しそうに泳いでいるブレザープレシャーズのメンバーの一人である少女、イズミはそう口にした。が、口ではそう言っているものの彼女の声色は明るく、その事を憂いている感じはない。むしろそれも楽しむ要素と捉えているのかもしれない。その底抜けの明るさもまた、彼女の多大な魅力を支える要素と言える。
 年は人間の数で数えて十八ぐらいだろうか、身長は人間の女性の平均値よりやや高く、整髪で綺麗にまとまっている黒髪のショートヘアーに大きくぱっちりと開いた翠色の瞳は、彼女が持つ凛とした可愛らしさを引き立たせる。
 スッとしている端麗な顔立ちに筋の通った綺麗な鼻筋、小さくツンと尖った口、ブレザープレシャーズの証である制服をほんの僅かに押し上げる胸の膨らみ、それらが絶妙に組み合わさったその姿は、人魚だからという表現では説明が付かない程の美しさであった。天使と言われれば、納得してしまうかもしれない。そう思ってしまうほどの魅力を、彼女は持ち合わせていた。
「ま、こういうのも楽しいからいいんだけどね!」
 クルンッと、誰もが見れば幸せになれるような笑顔を浮かべながら自身を回転させ進む様は、海に咲く一輪の花のようだった。少し気の強そうな喋り方も、彼女に限ってはそれもプラスにしかならない。
「イズミ、そんなにはしゃいで後でバテても私知らないよ~」
「大丈夫だって、いざとなったらナナミにおぶってもらうから!」
 ビッ! と親指を立て、パチン! とウィンクをしながら力説するイズミの姿に、もう、と呆れたように嘆息するのは、メンバーの一人であり最年少であるナナミである。しかし、その言葉だけでこれ以上イズミに何も言わないのは、ひとえに彼女を信頼しているからだろう。僅かに息を吐いた後、追うように彼女の後に付いていく。
 彼女はイズミみたいにハキハキとした可愛さではなく、どこかか弱い雰囲気を持ち、思わず守りたくなるような、それでもしっかりとした部分を持っていて頼りになるような。そんな二つの感覚が合わさって、どうにもならないぐらい愛らしい可愛さを持つ少女だった。
 彼女を象徴するアイテムの一つである貝殻の髪飾りを身に付け、傷み一つないなめらかな薄い紫色の髪を耳の上辺りで括り、左右に流れるように垂らし、前にも適度に流している姿は、彼女の十六という年齢を忘れさせ、年齢より幼く見えさせてしまうが、それは決して彼女の評価を下げる要因にはなり得ない。むしろそれが彼女の可愛さの一つだとされ、さらなるファンの獲得に至っている。癖毛なのか毛先がくるくると優しいとぐろを巻いてるのも、また彼女のチャームポイントの一つである。
 見つめられれば直ぐにでも惚れこんでしまうぐらいに眩しい空色の瞳に、手入れの生き届いている細い眉。押せば跳ね返ってくるのではないかと思うぐらいに弾力と柔らかさのある頬。小さく膨らんだ唇と、その奥から流れ出る僅かに幼さの残る川のせせらぎのような綺麗な声。制服の下からでも立派に主張する二つの膨らみ。その全てが彼女の魅力となっていた。彼女を見た海の生物は、一度見ると二度と瞼から離れる事はない小悪魔みたいな少女だとナナミの事を評する。
「あらあら、二人とももう数時間も泳いでいるのに元気ね。私も見習いたいわ」
 二人のやりとりを聞いて、おっとりとした喋り方でそう言の葉を紡ぐのは、ブレザープレシャーズのリーダーであり、三人の中で最年長の女性、シズクである。
 どことなく高貴な気品に溢れ、スラッと伸びる長い脚で、海を泳ぐ動作一つ一つにも上品さが滲み出る彼女は、その大人な雰囲気も相まって、美少女というより美女と表したほうが的確だろう。しかし、時折ふいにみせる歳に合った幼い挙動は、それまでの大人を感じさせる動作とのギャップも相まって、凄まじく魅力的に見えてしまう。そのギャップをもたらすのは彼女の行動だけでなく、容姿や衣服にまで及ぶ。
 リーダーの証だろうか、深紅の帽子をかぶる姿は、彼女の元々の気質と相まって、さらなる気品を醸し出す。しかし帽子を一度脱げばその赤抜けた感じはどこへやら、途端に可愛い女の子の姿が相まみえてしまう。
 ふわっと柔らかさを感じさせるように腰まで伸びたサラサラの黒髪、その流れるような髪の間から覗かせるのは、大人の妖艶さを垣間見せるかのような鮮やかな桜色の瞳。
彼女が持つ美しさを表すかのような綺麗な顔立ちに、常に笑みを浮かべているのを見るだけで理解できそうな優しい唇、そして三人の中で最も目立つ二つの双丘は、とても十九の女性とは思えない何とも言えない可憐さを漂わせる。それでいてぷっくりとした可愛らしい頬や小さいながらも可愛さをアピールする鼻筋といった、歳相応の美少女としての可愛さも彼女は併せ持つ。
その気品あふれる大人の女性から、歳相応な無邪気な一面に様変わりする様子は、海に生きる生物なら誰もが一度は見てみたいと思う物だ。
 そんな見るだけで幸せになれそうな三人は現在、他愛もない会話をしながら次の公演予定地である日本海に向けて泳いでいる最中だった。
 海底を泳いで進むブラザープレシャーズの三人。地上の伝承にあるような下半身(厳密には膝下から)が魚である彼女達のの速度は人間とは比べものになどならず、目にも止まらない速度で彼女達は進む。背後から見れば、はためくチェックのミニスカートから覗く秘境が見えるかもしれないと欲情と期待を覚えるかもしれないが、その速度ゆえに彼女達の泳いでいる姿を捉えるのは至難の技であり、その最上級の欲望を達成できた生物はいないといわれている。
「それにしても、最近忙しすぎだよ。そろそろ一日ぐらい休みが欲しいかな~」
 何日もかけて目的地まで泳いでは、一日限りの特別コンサートを開き、そこからまた休み無しに次の目的地向かって泳ぎ始める。それを何回も続け、流石に疲れが溜まり始めて来ているのか、ナナミはそんな事を口にする。
「ふふ、そうですね、今回のコンサートが終われば、少しばかり休暇を取りましょうか」
 シズクのその言葉を聞いて、ヤッターッ! と、無邪気にはしゃぐナナミ。それとは対照的に、イズミは僅かに口を尖らせる。
「え~、休暇なんか取らないでもっと色んな所行こうよ~。旅行みたいで休暇っぽいじゃんか~」 
「私はか弱い女の子で、イズミみたいに頑丈な体してないの。少しぐらいのんびりとした日常をすごしたいよ……」
 イズミの元気に溢れる言葉を聞いて、逆に元気を抜かれたのか、少し項垂れつつナナミは返す。
「ムッ、私のこの細い体のどこが頑丈だって? ナナミだって私と大して変わらないプロポーションの癖に」
 ポンッと、自分の胸に手を当てて、自分が華奢な女の子だと言う事を誰とも知らず暗にイズミはアピールする。
「前言は撤回。私はおっぱいが大きいから肩が凝ってイズミ以上に泳ぐのにも体力がいるんだもん」
 このままでは言い負かされると判断したのか、ナナミは咄嗟に責める切り口を変えた。しかし、この切り口はイズミのコンプレックスの一つである胸の大小の話であり、それは普段穏やかな彼女が持つわずかばかりの琴線に触れてしまった。
「あ、今のは響いた、私の心に響いたよ! 何が貧乳よ、意外と気にしてるのに~!! おまけに貧乳さっきまでの会話と関係ないし。それにその原理が通用するなら一番疲れてるのはシズクであって、ナナミじゃないし」
捲し立てるように饒舌に喋るイズミ、それを宥める様にシズクも会話に混じっていく。
「まあまあ、イズミさんも落ち着いてください、今回は少々忙しすぎたですし、少しくらい休んでおきませんと後々コンサートでバテますよ。そうなると本末転倒ですし、ね」
 心地よい音を奏でているかのような優しい声でシズクはイズミを諭す。その諭された張本人であるイズミは、リーダーの命令ならしょうがないか、と、意外とすっぱりと諦めた。その辺りの説得力もまた、彼女がブレザープレシャーズのリーダーたる所以なのだろう。
 その後もしばらく他愛もない会話を三人で繰り広げながら海底を進んでいた三人、今彼女達が居る場所は、数多の生物が存在する海域であった。
 真下に視線を移せば海底特有のイソギンチャクやサンゴがゆらゆらと揺らめいており、上を見れば色々な魚達が生き生きと遊泳している。
「キレイ……」
 思わず口が出てしまったかのような感激の声をナナミは上げる。その視線は子どものようにキョロキョロと移動し、目の前に映る情景を楽しんでいる
「うん。キレイ……だけど、ちょっとスカートが……恥ずかしいかも。見えてないと思っててもさ」
 スカートの裾を押さえ、僅かに頬を赤らめながら恥ずかしそうにイズミはその細い太股をすり合わせる。
 人魚のスピードは魚でも目で捉えられない、したがって彼女達を視認する事は難しい。ましてスカートの中を目視するなど以ての外だというのは彼女自身理解しているのだが。やはりどうしても気になってしまう。
「大丈夫よ、私達の姿はみんなには早すぎて見えないんだから。そんな事に気を使ってないで、もっとこの景色を楽しもうよ。それに例え見えてもつまらないものだとは思うんだけどね」
 恥ずかしさを訴えるイズミに大丈夫だと言う事を伝えながら、対称的にスカートを摘まみ自らパタパタとはためかせる。その姿を見て、「ナナミはもうちょっと警戒心を持つべきだよ……」とイズミはナナミの行為を見て嘆息する。
「確かにキレイですね、ですが、ここの魚たちは少し―――! イズミさん、ナナミさん、前方からお魚がこっちに向かって来てます! 左右へと回避して下さい」
 何かを言おうとしたシズクだったが、前方から向かってくる魚の群れに急遽言葉を中断し、二人に回避運動をするように促す。
 それを聞いた二人は即座に行動を開始した、イズミは右へ、ナナミは左へ、二人が左右に回避したのを確認した後、シズクも左へと移動する。 
 これで魚達を回避出来た、と、シズクは内心安堵した。
 彼女は知っていた、ここの海域にいる生物が、人魚の肉体に付着する僅かな汚れや、人魚自体を好物としている事を、だからなるべくこの海域を避けて通りたかったのだが、ここを避けて通るには、かなりの遠回りをしなければならないため、自分達の速度を信じてここを通り抜ける事を二人に言わず決めたのだ。
 結論から先に言わせて貰えば、それは大きなミスとしか言えないものだった。
 前方から接近していた魚たちは、何を思ったのか彼女達とすれ違う寸前で進行方向を左右に変え、シズク達の目前にまで接近したのである。
「「「!!?」」」
 それは彼女達、特にシズクにとって想定外以外の何物でもなかった。魚達が人魚が接近している事を目ではなく水の流れで予測し、そこから逆算してどこへやって来るかと言う事を把握し、行動したと言う事を。彼女達は信じたくはないだろう。
 そして、数えるのも億劫なぐらい存在する無数の魚たちは彼女たちと交錯した。魚の体は全長一センチにも満たない小さな魚たちであったが、それが彼女達の仇になった。
 魚達は、その小さな体のせいで無意識的に彼女達の体に接触しては、シャツを通して服の中に入り込み、体から生えている不揃いな毛で彼女達の体を撫でまわした。

「ふぁぁ!? あっばかっなにしてっくふふっふふっふふ……ひふぁぁあああ!! やひっあふっっくふふ……ふひゅあああああ!! ちょっちょっとまって! まってへへへへへへへへへへへへ!!」

「きゃふぅう! んあぁああっはっはっははっはははははははは!! ふ、ふくのなかにっあぁぁあ~~! やっっやめてへっへっへへへへへ!! あっ変に動いちゃだめへへへへへ!! いっいやぁ~~~!!」

「あん! や、くっくく……あぁっっくふふふふふふふ!! あひゃ!? やっやめてください……! ぁ、あふぅ! やっくすぐったい……きゃひぁぁああっはっはは! んん~~~~~~~~~!! だ、だめですっっふぁひひひっひひひひひひひ!!」 

 魚に接触してしまった三人は、それぞれ服の中に入り込み、素肌を撫でていく魚達に耐えられず、口からあられもない笑い声を吹き出し、頬を紅潮させながら『泳ぐ動きを止めて』身悶える。

「ひひゃぁあああ!! やめっっやめぇええええ!! ひひゃぁああはっはっははははっはははははっははははははは!! だめだってっっだめえええええっっわっっわひゃぁああっははっはははっはははっははははははははははははは!!」

「やだっっっいやはっははっははははははははははははははは!! 閉じてもどんどん中にっっっんひゃぁああっははっははっはははは!! た、助けて~~っぅっふひゃぁああはあああ!! あにゃあああああははっはっははははははは!!」

「ひはっっはふぅ!! きゃぁあああ! はは! あははは! あはははははははははははははは!! いっいやですっっこんなっっこんなことほほほほほほ!! んぁああはっはははっははははははははははは!! は、早くっっでていってくださっっきゃひぃぃいい!!」

いかに美しい人魚といえど、くすぐったさに対して抵抗を持っている訳ではない。むしろ人間より敏感な肌を人魚は持ち合わせている。それに加え、まだ年端もいかない少女たちだ。くすぐったいと感じない方がおかしい

「あっっやぁあああああ!! たくさんっったくさんいるふふふふふふふふ!! ふひゃぁああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! いやぁあああはははっははっははははははあはっははは!! やめええええええ!! えひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 

「来ないでっっこっちこないでへへっえへへへへへへへへへ!! ひきゃははっははははははははは どうしてっっどうしてこっち来るのぉ~~~~~!! あ、あっちいってよほほほほほ!! ぁっっあぁああっはっははっはははははははははは!!

「くっくくふふふふ! くっくぅぁ!! ひっっひっぅぅ!! ひひぁああああっっきゃひひひひひひひひ!! ひひゃぁあああああ!! ひゃっっひゃはっははは! ひゃははははははははははははは!! だ、めで、すふふふふふふふふ!! ふひゃ! ひゃはははははは! あははははははははははははははははははは!!」  

 衣服を上から抑え込み、小魚の動きを必死に押さえようと頑張る三人だが、たった二本の腕では全体をカバーする事はかなわず、魚の侵入を許してしまい、さらに悶えてしまう事となる。一匹一匹での刺激は小さいものだが、それが数十、数百にも上ると話は別である。彼女達は、今まで生きてきた中で微塵も感じた事もない強烈なくすぐったさに襲われる事となった。

「くあぁあああっははっははっはははははははは!! ひひゃっっわひゃぁあああ!? やだっっスカートめくるなぁああああっはっはははっははっはははははははははははは!! やめてっっパンツ見えるぅうふふふふふふふふふふ!! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

「あっきゃぁあああああ!! いやっっ体中がくすぐったいよ~~~~!! ひゅぁあああっははっははははっははははははあははっははははははは!! こんなっっこんなぁああっはははははははは!! あっいや! あはっあはははっあはははははははははははははははは!! いやぁ~~~~~~!!」

「け、けがぞわぞわしてっっんふふふふふふふふふ!! ふっふふぁっぁっだ……め……っあぁっぁあぁああああ! やっやぁあああっははっははははっははははあはははははははははははは!! えっえっちですふふふふふふ!! あっそんなとこはいらっっうふふふふぁああああっはははっははははははは! あはははははははは! 入らないで下さい~~~~~!!」

 イズミは頬を真っ赤にさせてスカートを押さえながら、魚達から送られるくすぐったさにくねくねと身を揺すり、ナナミは小魚に全身を責められた事によって生じる耐え難いくすぐったさに手を体のあちこちにやって守ろうとするが、それでも生じ続けるくすぐったさに苦しめられ、シズクは服や胸の中に侵入してきた魚から胸や肢体を守るように腕を胸の前で交差し、体を丸めこめて身を守ろうとするが、それでも小魚の猛攻から体を守り切れず、当たり前のようにわき出るくすぐったさにピクピクと体を痙攣させていた。

「あっあはははははははははははは!! くうっっくっっくふふふふふふふふふふふ!! ふひゃぁあああっはっははっははははははっははははははは! やだっっ見えるっっ見えるからやめてえええええ!! スカートからっっわひゃぁああっははっはははははは! スカートからでていかないでへへへっへへへへへへへ! ゃ~~~~ぁひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 

「とまっとまあぁあああはっはっはははははははははははははははは!! くすぐっくすぅふふふふふふふ!! くすぐったさが止まらないよ~~~っっんひゃぁああっひゃひひぁあぁあっははっはっはははっははははははははは!! やだっっ止まってっやめてえへへへへへへへ!! モゾモゾしないでっっあひゃぁああっははっははははははははははははははははは!! やだっっやだぁあああああ!! はぁあぁああっはっはははっははははははははははは!!」

「このままではっっっ!! んぁっきゃひひひひひひひひひひ!! ひひゃぁああっははっははははは! このままではぁ~~~!! イズミさんや、ナナミさんがっっふあぁあああっはっはあっはははははははははははは!! 何とかしないとっっなんとかっっなんっ!? んっんぁぁ!! やめっっあっあふっふぁっひふあぁあああっははっははははははっははははははっはははっあはははははははははははは!! だめっっかんがえられませんっっいやぁあああはははははははははははははは!!」

 無数の小魚の横断は終わる事を知らないかのように延々と彼女達の体に接触しながら通過していった。一匹一匹が服の中に入って素肌に触れる度に、彼女達、否、彼女達の若い体は律儀にピクンと反応し、くすぐりという行為によってその口から誰もが聞いた事のないような笑い声を吐き出してしまう。

「ふぁひひひひひひひひ!! ぁっくぁあああっはっははっはははははははは!! いぁっいやぁあああああ!! やめて!! やぁあああはははははっははははははは!! スカートを押さえたらっっふひゃぁひゃっははっはははははははははは!! か、体がぁあああああ!! あっあぁああはっはははっはははははは!!」

 スカートの中を見られてしまうかもしれない恥ずかしさから一心に両手でスカートを押さえつけるが、それは代わりに胴体を無防備に晒すと言う事と同意義であり、くすぐったさを少しも緩和する事は出来ず、イズミはその責めを甘んじて受けるしかなかった。 

「あひゃははははははははははは!! いやぁあああっははははははははははははは!! えっちっっエッチひひひひひひひひひひひ!! やぁっやぁあああっははっはははははははははははははは!! もういやはははっははははははは!! あぁぁあああああ!!」

 小魚がチェックのスカートから出ていく度に、ヒラリとスカートが大きく捲れ、絶対領域とスカートの間から僅かに覗くフリルの付いた純白のショーツを隠そうと、笑い悶えながら、必死に無駄に終わる行動をひたすら続けるイズミ。

「ぷひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! も、もうやっっっやぁああああっはっははっはははははははははは!! あははははは! あははははははははははは!! い、いずみひひひひひひひ!! た、たすけっっきゃひぃ~~~~~~!? んぁああははっははははははっはあははははは!! シズクぅ~~~~~!! たすけてへへへへへへへへへへ!!」 

 どうやっても自分では止められないくすぐったさに、残りの二人に笑いながらも助けを要請してみるが、当の二人も小魚から送られるくすぐったさに苦しめられている。ナナミを助けに来れる状況とはとても言えなかった。

「はやくっっはやくおわってへへへへへへへへへ!! 通り過ぎて~~~~っっきゃはぁあああっはははははははははははは!! こんなのずっとはむりっっむりだからぁあぁあ~~~~っはっははははははははははははは!! うひゃひゃははっあはははははは!!」

 どれだけ手を体中に押しつけてこの絶えず生まれてくる感情を抑えようと頑張っても、一向に止められない事と、やまないくすぐったさに、ついに泣き、笑いながら悶絶するナナミ。

「あひひひひひひっっっあっっひひゃぁあああはっははははっははははははは!! くっふぁっっナ、ナナミさんっっあぁあああはっはははっははははははははははは!! いひゃっっくひゃはっははっははははははははは!! せ、背中はやめてくださひひひひひひひひ!! そんな所とおらないでくださっっきひゃぁああはっははははははははは!! とおらないでくださぁぁあああいい!! ふひゃぁあああっはははははは!」

 ナナミの悲鳴は、直ぐ近くで悶えていたシズクに聞こえていた。直ぐにでも飛んで行って彼女を苦しみから解放させてあげたいと心から思うが、それをするためにはこの耐え難い苦しみを耐えなければならない。しかし、彼女だって肌が敏感な若い女性である。我慢することなど出来ず、結果救出に向かう事が出来ずに、自分も同じように身悶えることしかできない。

「くひひひひひひひ!! ひぅ!! んふっひゅひゃぁ~~~~~~!! あっあぁぁっっあははははははっはははははははははははは!! ひひゃははははっははははははははははははは!! こ、ここからはやくっっはやっっはひゃぁあああはははっはははははっははははっははははは!!」

 この海域に長い事留まっていてはいけない。つまりはここから早く逃げ出さなければならないのを知っているが、体がくすぐったさに負けて言う事を聞いてくれず、結果成す術もなく笑い悶える事しかできないシズク。
 そんな三者三様の思いを抱えながらくすぐったそうに笑う三人。しかしその誰もが、自分の抱える悩みを解決する事は出来ず、小魚達が全匹通り過ぎるまでなすがままに笑わせられ、踊らされ続けてしまう。

「あはははっはははははははははは!! やぁあああっっやぁああああああああ!! くっくっくすぐったい! くすぐったいひひひひひひひひひひひ!! くすぐったい~~~~~~~~!! ひひゃぁあああっひゃっはひっやひゃぁあああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! お願いだから出て行って~~~!! あっいやっ!! スカートからはだめえええええ!! くひっあはははっきゃはははははははははは!!」 

「やだぁあ~~~~!! もうやだっっやっっやぁぁはははははははははははは!! お魚さん達っっ早くっっ早くとおりぬけてええへへへへへへへへへへへへ!! お願いだからぁあああはっはははっははははははははは!! ひゃぁあっっあひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あはっあははは!! あはははははははははははははははは!!」

「ひひゃぁっ!! ~~~~~~~~~~~~!! あっあははははははは! きゃふっっ! ふぁあああっはははっはははっはあっはははははははははははは!! あっぁ~~~!! あははっはははっはっははっははっははははははは か、体が言う事をきいてくれまっっんうふふっふふふふふふ!! くれません! このままじゃっっふひゃうう!! このままじゃぁああっはははっははっはははははははははははは!!」

 また、魚達は通り抜ける際に、彼女達の膝下から存在するヒレも責め立てた。ヒレは、人間でいう足の裏と同じぐらい過敏な箇所で、それが膝から下にかけて存在するのだ。そこを責められた彼女達は、より一層の声をだして歪んだ笑い声をあげる

「あぁあああああ!! ひ、ヒレはやめえええええ!! ふぁっっぁあああはっははははははははっはははははっははははは!! そ、そこは弱いんだってええええ!! あぁああぁああ~~~~~~~~!!

「いやぁああっっいやはははっはははははっはははっはははははははははははははは!! だめだめだめえええええええ!! ヒレだめええええええ!! あははははっははははははははははは!」

「あっっあぁああああ! お願いですっっそこは弱いんですぅぅううう!! そんな毛でなでないでくださっっはひゃぁああはっははっははははっははははははははっは!! なでないでくださいいいいいいいいい!!」
 
「「「あははっはっははははははははは!! ひひゃぁあっくあぁああっはっはっははっははははははは!! も、もうやめて(ください)~~~~~~!! いひゃぁっいやぁああっはははっはははははははっはははっあはははははははははははははは!!」」」

 結果から先に言うと、彼女達はこれから後一分の間、小魚達が通り過ぎるまで終わらないくすぐり責めを受けた。そして地獄とも言える数分間にも及んだ小魚との接触が終わった時には、彼女達の体はヘトヘトになり、息をつきたいのかそのまま力なく海底へとゆっくりと沈みこんでいった。一刻も早く逃げ出さなければと、二人に伝えなければならないシズクも、今はただ体を休ませたいと考えてしまい彼女達に続いてしずかに降下し、着地した。

 彼女達は知らない、今のはただの洗礼にすぎない事を、地獄はまだ始まってすらいない事を、悪夢は、彼女達が静止して悶え始めた瞬間から始まっていた事を。もうどうしようと、彼女たちに逃げ場はないという事を、ブレザープレシャーズの三人は、知らない。

「はぁ……はぁ……酷い目に、あったよ……」
「うん……私も……はっはぁ……苦しかった……くすぐりって、あんなに苦しいんだね」
 散々くすぐられて吐き出し続けた息を取り込みたいのか、海底に座り込みながらぜいぜいと息を吐き、先程の苦しみからの休息を得るイズミとナナミ。
 小魚達に散々弄ばれたせいか、頬が赤く染まり、服装がわずかに乱れ、荒い息を吐いている様はなんとも色っぽい。
「イズミ……さん、ナナミさん……、早くここを離れないと……魚達が…… ……!! ナナミさん、逃げて――」
 息を切らしながらその旨を伝えようとしたシズクだったが、それを伝えるよりも先に行動を起こし始めた生物達に絶句し、その矛先が向かっているナナミに逃げろと伝える。
ナナミの背後から、イソギンチャクから伸びている何本もの白色の触手が彼女の体目掛けて急接近していたからだ。
しかし、今までの小魚達の責めからの解放されて、注意力が散漫になっていたナナミは、イズミの言葉にも、へ? としか返せず、背後から急速で近づく触手に気付かない。
そして彼女が気付かない内に、触手はナナミの肢体に絡み付き、彼女の体と動きを拘束する。
「えっなに!? これっっき、きゃああああああああああああああああ!!」
捕まった時に、初めて何かが接近していた事を知ったナナミ。しかし、それ以上の行動を彼女がする前にナナミを捕らえたイソギンチャクの触手は、彼女の体を味わうべく本体がある場所へと急速に引っ張っていく。それに対し彼女が出来る事は、ただ叫ぶ事だけだった。
「っ!! ナナミ!!」
 触手に捕らえられたナナミを救い出そうと、イズミが震える体を強引に奮起させ、ナナミへと飛びかかろうとする。が、それも邪魔される事となる。先程の無数の小魚が方向転換し、全匹がイズミだけを取り囲むように展開したからだ。
「な、何だよ!? まだ何かするの!?」
 先程の行為を思い出したのか、それとも魚達の行為に怯えたのか、言葉をイズミは口にする。その声は言い知れない恐怖から震えを帯びており、健康的に白い体もガタガタと戦慄している。
「ナナミさん! イズミさん!」
 二人がこの海域の生物の餌食になりかけている。早く助けねばとシズクも行動を開始しようとするが、既に彼女にも牙は向けれられていた。
 まずは直ぐに助けられそうなイズミの元へと向かっていたシズクの体が、急に背後から何かが張りついたかのような感触が襲ったのだ。
 何が!? シズクがそれを確認しようと後ろを見ようとした瞬間、今度は腹部から何かが張り付いてきた。
「っ!? こ、今度はなんです―――!!!」
 か、と言おうとしたシズクだったが、張り付いた物を見た瞬間に彼女は声を失った。前面に張り付いていたのは、普通こんな深海になど生息しているはずもない生物。それは全長五十センチ程のイカだった。そして背後に張り付いているのは、こちらは全長一メートルに届くか届かないかぐらいの大型サイズを誇るタコであった。
「い、いや! 離して下さい」
 これらの生物が何をしようとしているのかを心当たりがあるシズク。だからこそ彼女は普段は見せないような焦りを含む口調でそんな言葉を言う。
「お願いですから、離し―――――」

「きゃぁあああっははははははっははははははははははは!! だめっっだめへへへへへへへへへへへ!! やだっっだめええええええええええ!! いひゃぁああはっははははははははははは!! あははは! あははははははははははははははは!!」

「はなしてっっはなして~~~~~~~~~!! いひゃぁあああっははっはははははははははは!! う、うごけなひひひひっひひひひひひひ!! く、くるしひひひひひひひひひ!! 苦しいよ~~~~~~~!! いひゃははっははっははははははは!!」

 突然シズクの耳に飛び込んできた聞き覚えのある二つの声。しかし、その声は苦悶に満ちた笑い声で構成されていた。シズクはそれを聞いて、ハッとした表情で声の発信源を見やる。するとそこには小魚達に全身をたかられて、苦しそうにけらけらと笑い悶えるイズミの姿と、手首とヒレの尾を触手で絡め取られ、弓なりに体を反らすように拘束され、その状態でイソギンチャクから生える細い触手で嬲られ悶絶するナナミの姿があった。


「おおいっっさっきよりもっっあぁああっははっはははははははははははははは!! さっきよりも多いってへへへへへへへ!! むりひひひひひひひひっっこんなのむり~~~~~~~~!! くひゃぁあああはっははっははっははははははははははは!! きぁあああああははははは!!」

「くすぐったぁ~~~~~~い!! こんなのくすぐったいよほほほほほほほ!! あっんぁあああっはははっははははっはははははははははっははは!! やだっっいやぁあああああああ!! いやははははははははははははははははははは!! やめて~~~~~~~~~~~~!! あはは! あはははははは! あはははははははははははは!!」

「イズミさん……ナナミさん……!! ごめんなさい、ここを通ろうと思わなければ、あなた達をこんな目にあわさずに出来たのに……! ごめんなさい……」

 我を忘れたかのように笑い続ける二人の姿を見て、シズクは酷く胸が痛んだ。そして同時に十分程前の自分に対して罵倒を浴びせたくもなった。どうしてこの道を通ろうと思ったのかと。どうして友人を苦しめるかもしれない道を選んだのかと、思いっきり問いただしたかった。そのせいで現に今、彼女達は苦しんでいるではないか! 通る判断を下した過去の自分が嫌になったが、それで何がどうこう変わる訳でもない。おまけに、そんな自虐を思う暇もシズクには残されていない。彼女だってこの海域の生物に捕まっているのだから

「イズミさん……ナナミさん……。…………ごめんな―――きゃふっっ!? ふぁああっうくくくくく! ふ、二人に次いで私も……ですかっっきゃひぃっくふふふふふふふふふふふふ!! うっっう~~~~~~~!! んぁっひっ!! ぁああぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!! ひひっ!ひゅふっぷふふっくっくくっくくくっくくくくくくく! あっふふふっあひぃぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!」

 彼女の背後から張り付くタコが、八本の足の内二本を使って、彼女の染み一つ付いてない綺麗な柔肌を責め始めたのだ。

「あふふふふふふふ!! やめてくださっっきゃひひひひひひひひひ!! ひうっっぷふふふふ! くっぅぁあっやめてくださぃ……!! ん! ひゃひっっっきゃぅぁああ!! やっっやぁ~~~~~~~!! あははっっひふぅ~~~~~~!! ひゅぁああ!!」

 そのタコが行うくすぐり責めにシズクは耐えきれないのか、自由な手を使って、背後から胴周りに二本の足を巻きつけて張り付いているタコを引きはがそうとする。しかしそれを行おうと手を背中に持って行った瞬間、前方から巻き付いたイカが数本の足で、彼女の体をくすぐり始める。まるでタコを離させるかというふうに。

「あひっぃっっぁあああ!! やめっやぁぁあああっははっはひぃああ~~~~~~~~!! ま、前からもなんてっっこんなっっきゃっふぁあ! あっぁぁあああ!! あはは! っっひひゃははははっはははははははっははははははははははははははは!!! あっあぁ~~~~~~~~!!! あっ、あっ、っっあはは! あはははははははははははははははははははははははははは!!」

 意識していなかったイカからのくすぐり、それによって、シズクのあまり強くない我慢の壁が一気に崩壊し、彼女を再び笑いの苦しみに貶める。

「ひはぁああああ!! あっっよしてくださっっきゃひひひひひひひひひひひひ!! ふひゃはははっあははははははははははははははは!!! あん!! やぁあああ…………そんなにまとわりつかないでへへへへへへへへへへへへ!! いひゃぁあああっははははははははっはあははははははははっはははははははははははははは!!」

 前面と背面から同時に襲うくすぐりは、彼女を多大に苦しめた。イカとタコはくすぐり方を熟知しているような責め方で彼女で遊び、シズクに小魚達のような戯れのくすぐりとは違う、本格的なくすぐりというのを、その完成された体に強引に教えさせる。

「あはははははっはっははははははははは!! あっっやめえええ!! もうやめてくださひひひひひひひひひひひひ!! いひゃぁああっっああああ!! あ~~~~~~~~~~はははははははははははははははは!!! ふひゅぁあっきゃはははははははっっっあははははははははははははははははははは!!」

 シズクはこの時、笑いに覆い尽くされていく意識の中である疑問を覚えた。何故彼等は自分をくすぐるのだろうか? と。
 その答えは彼等にとっては簡単で、彼女にとっては理解しがたい物だ。
 答えは、彼等は人魚を餌とする。その美しい体も、体から溢れるエキスも、だからこそ彼等はくすぐるのだ。くすぐって人魚のエキスを放出させて、弱らせて体を食べるために。彼等は徹底して彼女、否、人魚をくすぐるのだ。

「だめえええええええ!! だめですぅ~~~~~~~~~~!! こんなのっっこんななのぉ~~~~~~~!! あははははっっきゃはははははははははははははは! ふぁああっっっ! んひゃぁあああっはっはっはっはははっはっはっはははははははははははは!!」

 張り付いてこそいるが、拘束はされていないという状況を最大限利用して、体を出来る限りフルフルと揺らして引き離そうとするが、くすぐったさに悶えている状態では満足に動けず、彼等を引き離す事は出来なかった。悶えて腰を左右に振る様は、端から見ればとても扇情的に見えるだろう。
であれば、腕で彼等を引き剥がしたりしようとするが、イカとタコの張り付く力は人魚の持つ力を超えていて、決して彼女の体から離す事は出来なかった。

「はひゃぁああああ!! いひゃぁっふっやぁあああああっはははっはははははははあはっははははははは!! ふひひっっひひぁぁ~~~~~~~~~!! お願いっっですからぁああああはっはっははっははっははははははははは!! 離れてくださひひひひひひ!! はなれてくださぁぁああ~~~~~~い!!」

 体から彼等を引き剥がせない。そうならば、自分の肌をまさぐる足を引っ掴み。引き離せば少しは責めの緩和になるだろうと思って行動に移すが、先程と同じくくすぐったさによって満足に力が入らず、引き離す事はおろか掴む事さえ難しかった。おまけにタコとイカ、合わせて十八本もの足による責めである。もし掴んで、偶然にも引き離せたとしても、それは焼け石に水をかける行為と同じであり、はっきり言ってしまえば彼女のその行動自体が無意味であると言えた。

「は、はなさせてへへへへへへへへ!! っへっへへへへ! へひゃぁあああははっはっはっははははっははははははははは!! つ、つぅ~~~~~ふふふふふっふふふふふ!! 掴めない~~~~~~~!! あひゃぁあああはっははっははっはっははははははっはははははははははは!! ああ! やぁああああ!! ぁっっあ~~~~~~~~!! あはははっはははっあははははっははっははははははっはははははは!!」

 掴めない、つまりは責めを和らげられない。それは彼女を絶望に陥れるには充分だった。普段のおっとりとした彼女からは信じられないような大声と笑い声が辺りに響き渡る。それほどまでに、イカとタコの責めは激しかった。タコはその足を器用に使いスルスルと服の中に足を入れ、吸盤の付いたその足で彼女の体をくまなくくすぐっていく

「ひぁああああああ!! ま、またなかにっっきゃぁああははっはははっはははははははははははははっははは!! も、もういやですっっ中に入られるのはいやでふふふふふふふふふ!! ふふふふっふひゃぁあああ!! ひゃはぁあああっはっははははははっはははははははははははははははははははははは!! や、やめてえええええ~~~~~~!!! いやはははははははははははは!! ひひゃひゃひゃ!! はひゃぁああははっはははっははははははははははは!!」

 タコは、自身が張り付いている背中とは逆方向の前面をメインに責め抜いていた。持ち
前の足で彼女の腹部を器用に撫で摩り、シズクを悶絶させる。

「くあぁああああああ!!ははははっははははははは!! ひひゃぁああああああ!! お、お腹だめですふふふふふふふふ!! やめっっっやめてへへへへへへへへっへへへへ!! やめっっやっっっやぁあああああはははっはっはははははっはははははははははははははは!! あん!! あぁあ!! んふふふふっふふふふふ ふふぁ~~~~~~~~~~~~~~~~!!」

 タコの吸盤の付いた分厚い足に思うように弄ばれ、意識をそっちに向ければ、今度は同じく衣服の中に入り込んだイカの足が、こっちはどうだ、と主張するかのように激しく彼女の体をまさぐる。 

「きゃふいいぃいいいい!?  こ、今度はそっちだなんてっっふひぁああああっひゃひひ!! ひぁあっっふっっくぁあ! んぁ~~~~ああ あひひゃぁあああっはっははっははっははっははははははっははははははははは!! そんなっっ反則ですっっきゃふぃ~~~~!! ひはぁあああっははっははっははははっははははははっは!!」

 イカは、タコとは違って幾分か細い足を使って、彼女の曲がっていない背中を責め立てた。途端、シズクの体にぞわぞわする何かが走り、そこから生まれる
むず痒さを感じるくすぐったさが、彼女の皮膚、神経を通って、体中に伝わっていく。

「あひゃぁあああっはははっはっはははははははははは!! 背中っっだめですふふふふふふ!! あっっぁあああはっはっははははははっはははははは!! そんなとこなでなひでふださひひっひひひひひっひひひひひ!! やめっっやめへふははひひ! っひひひひっひひひひ!! ひひっひゃぁあああっはははははっははっははははははははははははっはははははははははは!! ぞくぞくしますからはははっははははははははははは!!」

 イカとタコによって、サンドイッチのように捕らえられたシズクは、彼等の思うがままに淫靡なダンスをクネクネと踊り続け、身悶えた。タコの前面の責めに体を丸め腕を前にやり抑え込もうとすれば、今度はイカが背中を意識させるような責めで彼女の体を嬲り、シズクは思わず身を反らせ、少しでも逃げようと努力する。そうすればまたもやタコ、それに意識すれば再びイカ、と、終わらない地獄の堂々巡りを見せていた。

「ぁあああはっはっはははははっはあっはははははっははははははははははは!! やめてえええええええ!!! こんなのたえられなひひひひひひひひひひひひひ!! ひひゃぁあああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 耐えられないですからぁあぁああああははっははっはははっははははははははははははははははっはは!!」

 シズクの着用しているアイドルの衣服が、彼等の足の動きによって凹凸に歪む。グニグニウネウネと気持ち悪く服の中で轟くそれによって、彼女は不快感を覚えるかもしれないが、それを上回る別の感覚によって強引に黒く塗りつぶされており、シズクは気持ち悪いという感情よりも、くすぐったいという思いが先行してしまうのだ。

「ひぁああっっっぐ、ぐふふふっふふふふふふ!! あひゃぁあああっははっはははははははははははは!! や、やめてえええええええ!! あひゃぁあああっっはっはっははっはははは! あははははははははははは!! き、きぁあああっっきゃひっっふっくぁっっんぁあああああ~!! ひゃひひひひひひひひ!! ひひゃぁあああはははっははっはっはははは!」

 眉をヘの字に変形させ、涙を零しながら、首をイヤイヤと振りみだし笑い悶えるシズク。しかし、タコとイカの責めは一向に終わる事を知らず。これからより一層の激しさを増す事となっていく。

「ひはぁあああ?! あっっなんですかっっきゃひひひひひひひひひひひひ!! 今度はなんですかぁ~~~~~~~!! ひひゃぁああああっはっははっはははっはははははははははははははははははは!!」

 突如、前面を責めるタコの足が二本から四本に増えて、彼女をより一層責め立て始めたのだ。本来なら、腹部に張り付いているイカが邪魔で満足に足を這わせられないと思うかもしれないが、イカはタコと連携した姿勢を保っており、足を使ってタコの足が何不自由なく彼女の体を責められるように隙間を開けて張り付いているのだ。故に、タコを束縛するものは何もなく、100%の力で彼女をくすぐり抜く事が出来た。

「いやぁあああはっははっははははははははははは!! くすぐったいです~~~~~~~~!! あははっはははははははははははははははははは!! やめてっっやぁあああああっはっはっはっははははははは!!」

 わき腹にグルッと足を巻き付けたかと思うと、それをゆっくりと引き戻していく。その時に足に付いてる吸盤が、彼女の女性として完成されているわき腹、お腹、腰にグリグリと接触し、それがくすぐり責めとなってシズクを悶絶させ、上品とはいい難い笑い声を引き出させる。

「ひっひぃぃああああああああああ!! きゅっきゅぅ~~~~~~~ふふふっふふっふふふふふふふふっふふ!! ふひいっひっひひひっひぁあああっははっははははははははははは!! 吸盤をっっそんな事にっっつかっっつかわなひへへへへっへへへへへへ!! つかわないでくださぃ~~~~~~!! だめっっこれだめですふふふふふふふっふ!! ふひゃぁあああっはっはっははははははっははははははははは!!」

 あられもなく笑い声をあげる彼女の反応を良しとしたのか、タコは今度は二本の足でわき腹に巻き付き、先程以上にシズクをいたぶるように、吸盤責めを味あわせるように、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと引いていく。

「~~~~~~~~~~~~~~~~!? あっきゃぁああああああ!? 二本、二本だめへへへへへへへへへ!!! 二本なんてだめええええええええええ!! だめですう~~~ふっふふふっふひゃぁああああっははっはははははははははははははは!! やめて!! もうやめてえええええ!! わき腹をそんなにいじめないでください~~~~~~~~!! いひゃぁああああっはっはははっはははははははっはあはははははははははははは!! あはははは!! あははははははははははっっはははは!! あ~~~~~~~~~~~~~!!」

 声にならない悲鳴を上げた後、大きな笑い声をあげるシズク。よっぽど耐えられないのだろう。アイドルとしてはあるまじき行為である。大口を開けて涎を垂らす(最も直ぐに海水に溶け込んでしまうのだが)姿を大衆の面前にさらしてしまうが、そんな事に気を配るほど彼女に余裕はなく。今はただどうしようもないくすぐったさから逃れようと、体を左右に悩ましいように振るだけであった。その度に艶めかしく揺れるスカートがなんとも扇情的である。後少し激しく動けば見えるぐらいにはためいているというのも、それに拍車をかけていると言ってもいいだろう。

「あふふふっふふっふふふふっっふぁぁああああっあひゃはっはっははっはっはははっははははははははははははは!! に、逃げ場がなひひっひひひっひひひひひひ!! なひなんてっっむりれふふふふふふっふふひゃあぁあっはあはっはははははっはははっははははははははは!! あははははははっっっあははははははははははははははは!!」

 タコの刺激に夢中になって喘いでいると、今度は背面の方から新たな刺激がやって来る。それがイカによるくすぐりだと分かるのは、後ろを責められて彼女が悶えてる時だ、つまり、今の状態では背中はほぼ無警戒、シズクにとっては不意打ちに近い状態でくすぐられると言ってもいい。

「ひひゃ!? ふひゃぁああははっははっはははははははははははは!! こ、こんどはうしろなんですかっっあひっっひひゃぁあああっははははっははははははははは!! やめてっやぁあああっははははっははははははは!! っやめてくださいひひひひ!! せめて、せめて~~~~~~~!! ど、どっちかだけにっっだけにひひひひひひひひっひひひひひ!! ひひゃぁあああはっはっははははははははははは!! どっちかだけにして下さい~~~~~~~!! いひゅああああっはははっははははははははは!!」

 前と後ろから波状的に襲ってくる刺激はどうしても耐えられないのだろう、そんな泣き言をシズクは言う。それでも、イカとタコは彼女の要請を聞かない。聞くメリットも無い。逆にそれが彼女にとって有効な責めならば、それをもっとするまでだ、と彼等は考えるのだから。

「もうやめっっ! こんなのもうやめっっやっっやっやぁあああはっははっはっはははははははははっははははははははは!! もうやめてくださいぃ~~~~~!! んひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅひゅ!! ひゅぁああっあぁっあぁ~~っひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! いひゃははははっはははっはははっははっはははははははは!!」

 イカは、先程と同じように彼女の背筋を責め抜いていく。後ろに張り付いているタコがイカの足の動きを阻害するかも、と、シズクは淡い希望を抱いてしまうが、イカの足は細く、タコの体を縫うようにすり抜けてシズクの肌を何不自由なく這っていき、彼女の喉を震わせ、『あ』と『は』を組み合わせた文字を延々と羅列させる。

「はっはははっははっははははははははははははは!! あはははは!! あっっあぁあああっはっははっはっははははははははははは!! やめてええええええ!! ゾクゾクするからやめっ!! ひゃぁああ!? ~~~~~~~~~~っはっはははっはははははははははは!! やめてやめておねがいですからあああああああ!! っふぁあああはっははははっははははははっははっはははははははは!」 

 彼女が悶えるのを良い事に、イカはそのまま背中への責めを続けつつ別の場所にもその足を伸ばして責めていく。
 イカは、シズクがくすぐったさに耐え切れず悶える度に、フリフリ動くスカートをその足で後ろから器用に捲り、黒のレースで構成されたショーツのお尻の部分を露出させる。

「きゃっきゃぁああああ!? いやっっあははっははははははははははははは! あははははははは!! す、スカート捲るなんてっっえ、えっちなこと! しないでくださっっ!! あっぁ~~~~! あははははははははははははははははは!! しないでください~~~~~~~!! いひゃぁああああはははっはははっはっははははははははっはははははは!! み、みないでぇ~~~~!!」

 大人っぽさを感じる黒の下着を晒された事に、顔が真っ赤になるぐらいに恥ずかしさを感じたシズクは、手で何とかパンツを隠そうと、スカートを押さえようと躍起になるが、そのイカに弄ばれているフリフリのスカートに手を持って行った瞬間。タコがわき腹への責めを強め、それに驚いた彼女は、反射的にその細い腕を腰の辺りで閉じる様に閉めてしまい、スカートに手を持っていく事が出来ない。

「あふふふふふふふふ!! ふひゅぁあああはっはっはははははははは! ぁ~~~~っはっはっははははっははははは!! スカートは捲れないで下さっっい、いひゃぁあぁあぁあああ!? あっっあひひひひひひひひ!! あひゃぁあああああああああ!! あひゃはは!! あはははははははははははははははっっあはははははははは!! そ、そんなのっっ卑怯です! 卑怯でふふふふふふふふふ!! 邪魔するなんて卑怯ですよぉほほほほほほほ!! あっあぁ~~!!わき腹やめ!! やめて~~~~~~~!! えへへへへへへへっへひゃははははっははっはははははははははは!!」 

彼女のチェックのミニスカートを弄ぶイカは、まるで楽しむかのように二本の足を使って、スカートをひらひらと前も後ろも捲り上げ、その度に彼女の秘部を覆う逆三角形の黒い布が顔を覗かせる。そして一回一回スカートを捲られる度に、自分のパンツを見られる度に惜しげもなく披露させられている事を自覚し、シズクは顔を赤くしながらタコの責めに一瞬だけ耐えてスカートを直す。が、何回やっても楽しいのか、イカはその行為を止めず、直した後にまた捲られ、彼女をさらに辱めていく。

「や、やだっっやめてぇ~~~~~~~~~!! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 何回もっっっぷっぷふふふっふふふふふふふっふひゃははっはははははははははは! あははははははははは! 何回もめくらないでぇ~~~~~!! はずかっしいですからぁはははあっははははっははははははは!! だめっっだめですってばぁああああっはあはっははははははははははははははは!!」

 水中で地団太を踏むように足をジタバタと上げ下げしてくすぐったさに身悶え、恥ずかしさに体を振るわすシズク。イカはその様子を見て、スカートを捲って彼女の反応を見るのを満足したかのように止めると、次なる行為に移行する。イカは、もう一度スカートの中に二本の足を入れ、そのまま下着越しにお尻を撫でる足と、下着の中に侵入して直接刺激する足の二本で、彼女を悶え狂わせる。

「あっあぁあ~~~~~~!? やっやぁああああっ!! お尻なんて責めないで!! お願いですからぁああああはっははっははははははははは!! あっはぁぁ~~~~ぁ! あひひっひひひひひぁあっくひゅふぅ~~~~~~!! あっやぁぁぁ!? やっっやひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ショーツ越しならまだしもっっ直接なんてだめええええええ!!だめへへへへへへへへへへ!! エッチですよぉぉ~~~~~!! いやぁあああはははっはははははははははははははははははっははははははは!!」

 イカの細い足が下着越しにお尻を刺激し、モゾモゾとしたむず痒い刺激を送り込んでくる。そう思えばお尻の中に入ってる足が、お尻の中でも特に敏感な場所をこちょこちょと責め立て、彼女にくすぐったさと気持ち良い感覚を同時に与えてくる。

「ひひゃぁあああああ!! だっめへへへへへへへへへ!! モゾモゾしてっっかゆいですふふっふふふふふ!! やっっやめてえええええええ!! ひっひひゃぁあああっははっはははははははは! あっ! あっはぁぁああ~~~~~~~~!? だからってなっ中をいじらないでえええええ!! いやっっいや~~~~~~~~!! あひゃぁああはははっははははははははははははははは!! くっくすぐったぁぁい!! やだっこんなのもいやです!! やっやぁ~~~~~~~~!! へ、へんになっちゃいますふふふふふふふふふ!!」

 お尻という性感帯を直接弄られた事に、彼女は壮絶なくすぐったさと同時に、絶対に流されてはいけない気持ち良さとも遭遇した。シズクはその気持ち良さにだけは最低でも抵抗しようと踏ん張るが、彼女だって若い女の子である。この責めを「続けていれば」いずれは屈服してしまうだろう。
 しかし、彼等はそれを続けようとはしていなかった。お尻を直接責めるイカの足は、器用に動かしているのか、彼女に初めこそ気持ち良さの混じる責めをしたが、それ以降はくすぐったさしか感じないように彼女のむにむにとしたお尻を足でクニクニと押すように刺激したりして責めていた。

「あはははははははははははは!! いやですっっもうやめ!! もうやめて! お願いですからもうっっもう~~~~~っふふふふふふっふふ!! ふひぁああああっはっはっはっははははっはははははははははは!! お尻は勘弁してくださぃ~~~~~~~!!」

 過敏なお尻を散々責められて、上半身への警戒が薄れた時を狙って、タコがまた新たな場所、臍に足を伸ばし、彼女に存在感を知らしめる。

「はっはっはははっははははははははは! はっははぁあああああああ!? ま、まだなにかするんですかぁああああ!! いっっいやぁはははははははははははははッははははは‼! へっっへそっっ!! 臍なんてくすぐる場所じゃありませんふふっふふふうっふふふっふぅ~~~~~!! くふふっふふふふっふ! ふやぁあああああっはっはっははははははは!! にゃははっははっはははははははは!! うふぁああああああああ!!」

 タコが次なる標的に選んだのは、シズクの小さいお臍だった。そこに足の先端を入れ、ゴマを取り出すようにほじくり回す。シズクはその予期しない場所をくすぐられたのが効いたのか、腰をより一層右に左に動かし、淫靡なダンスを披露する。服の中に手を突っ込んで引き剥がそうとしても、タコが責めるわき腹や、イカが責めるお尻や背中がここを守ってと主張し、今防ぎたい箇所である臍を守るに守れなかった。

「き、きたないですふふふふっふふふふっふふっふふ!! ふあぁあああ!! はぁあああっははっははっははははっはははははははははは!! そんなとこっっいじらないでくださいいいいいいいいいい!! き、汚いですからぁあぁああああああああ!! あっあぁぁああ!! はひゃぁああああっはっはっはっはっはははっはははははっはあははっはっはははははっはははははははははは!! や、やめええええええええ!!」

 タコはそのまま追撃をかけるように、二本の足を半袖のシャツからもぞもぞと中に通して、それぞれの両脇に密着させる。しかし、それ以上先の行為は行わず、彼女の反応を伺った。もしくは彼女の恐怖する様を楽しむために敢えて時間を置いたのかもしれない。

「ひぅっぅっっ!! ふぁあああっひはぁああっはっははははっはははははははははははは!! あ、そ、こっっはぁ~~~~~~あははははははははははは!! だめですっっくふぅ~~~~ふふっふっふふっひゃぁあああはははっははっははははははははははは!! そこだけはやめてくださっっくだぁあああっはははははははははははは! や、やめてください~~~~~~~~~!!!」

 腋の下から感じる滑り気がある足の感触に、シズクはこれから何をされるのかをおおよそに察し、それをされれば自分がどうなるかを理解し、それをさせないために、やめてくださいと、必死に懇願する、が。

 グリッ!!

「――――――――――ッ!!!!? ぁっ、あっ、あッ! あッッ!! あ~~~~~~~~~~~~~~~!! っっあぎゃははははははははははははははははははははは!! あっあははははははは! あははははは! あははははははははははははははははははははははは‼! やめっっやん!! やん! やん! やぁ~~~~~~~!! やぁああははっははははははははっははははははははは!! !! あっあぁあああっはっはははははははははははははっははははははは!! イヤあああ!!いやぁあああああああああああああああ!! くすぐっくふひゃはははっははははははっははははは!! くすぐったあああああああああああああああい!!」

 タコは、彼女の言葉を一切無視し、無慈悲にその刺激を与えた。腋の下に送り込んだ足を、強く窪みに押し付けると言う行為を。それは今までのどの箇所で送られてきたくすぐったさとは一線を画しており、彼女は今までにないぐらい口を開けて、アイドルらしくないけたたましい叫び声を出しながら、辺りに強く響くぐらいに笑いだす。

「あはははっははっはははははははははははは!! だめっっ腋だけはだめええええええええ!! ぎゃはっあはあはっははっはははははは! あははははははははははははは!! やめてええええ!! やめてやめてやめっっやめひぇへへっへへへへへへ!! やぁあああっはははっははははははは!! くすぐったすぎますううううううう!! いやあああああああああ!! やああああっはっははっはははははははははははははははは!! よしてっっ弱いっっ! 腋弱いんです!! 弱いからあああああああ!! あはははっははは! はっぁっあああああああ! あははははははははははははは!!」

 腋から送り込まれる妖しい刺激に、シズクはその性格と口調からは到底想像がつかないような笑い声を上げる。腋をくすぐるタコの足をなんとかしようと、肘がわき腹に当たるように腕を閉めて、脇を苛める足を追い出そうとするが、一度入り込んだ物を追い出すことは出来ず、むしろより密着させた事により、くすぐったさを助長してしまい、自業自得でさらにシズクは悶える事となる

「あひゃぁああああああ!! し、しまっっあひゃぁあああっはっはははははははははははっははは!! さ、さっきよりっっく、苦しいですううううう!! あっいっひゃぁはははっははははははっははっははははははははははは!! むりっっ無理ですっこんなのほほほほほほほほ!! むりっっだめっへへへへへへへ!! ぎゃははははははっあはははははははははははは!!」

 もはや喉が枯れてもおかしくないほど大声を上げてるのに、そこはさすがアイドルのリーダーか、いつまでも変わらぬ声で笑い続ける。それが彼女にとって良い事かどうかは判断に困る所ではあるが。
 首を左右に激しく振り乱し、体をジタバタと暴れさせ、延々と続くくすぐり責めに少しも慣れることなくシズクは悶絶し続けた。脇を擽られた事によって発せられた今までとは段違いの良い人魚の鳴き声に、タコとイカは欲情でも覚えたのか、その足をスルスルとお腹、下腹部と通って、今まで近づけすらさせなかった秘部へと徐々に近づけていく。彼女が脇へのくすぐったさに夢中になっている内にどんどんと、接近していく。

「ひひゃはははっははははははははははははははは!! あっっあ~~~っ! あぁあああっはははっははははははははっはははははは!! しぬっっしんじゃいますふふふふふっふふふ!! ほんなのほほほっほほほ!! わらひ、ひんじゃいまふぅ~~~~~~~!! あはははっははっははっあははははははははは!! ひひゃぁああああああああ!! あぁあぁああああああ! っはっはああああはははっははっはははっはははははははははははっはははははははははは!!」 

 そして、タコの足がシズクの穿いてるスカートのホックを通って、彼女の最も神聖な場所へと接触する。そこからタコが繰り広げる凌辱に近い責めは、彼女に最高の快楽を与えるだろう。シズクがそれを受け入れるかどうかはわからないが、アイドルといえど、人魚といえど所詮年頃の女。どうなるかは誰でも分かる事だった。

「あひゃはっはははっははっははははははははは!! っっっっひぃ!? えっうっっうそですよね!! そんなとこっっさわらないですよっっっんぁあああああああああああああああああ!! あっあっあぁあああああああああああああああ!!」

 彼女が天国を見るのも、時間の問題かもしれない。




「いやははっははははははっは!! ダメだって! もうだめだってばぁああああああ!! あっあぁあああっはっはっはははははっはっははははは!! や、やめてえええええええええ!! ふひひゃはっははっははっははっははははっはははっはっははははっははははははは!!」

 時間は少し戻り、シズクがイズミとナナミの悲鳴を聞いた時間からイズミの苦難は始まる。

「ふひゃはははははっははははっははははは!! いやあああああああ!! だめっっっだっっあっぁああああはっははっははっはっはははははははははっはははははは!! だ、だめええええええええええええ!! こんなのだめへへへっへへへへへへへ!!」

 触手に捕らえられ、連れて行かれたナナミを救出しようとした矢先に、先程の小魚達が一斉に自分の元に集まり、体に殺到したのだ。彼女の皮膚に付着する僅かな汚れを餌に食事するために。

「いやぁあああああああ!! 多いっっくすぐったい!! さっきよりもくすぐったいぃいいいいいいい!! いひゃぁあああはっはははっはははっははははははははははははは!! こんなのっっ多すぎだってえええええ!! えひゃぁああははっはっはっははっはっははははははははははははははは!!」

 もはやスカートの中身が見られるのが嫌だと悠長な事を言ってられる状況では無かった。先程も数えられないぐらい多かったとはいえ、その数は二方に分かれたので二分の一ないし、三分の一程度の数しか襲ってこなかったのだ。それが今は全匹が自分の体目掛けて服に、肌に飛び込んでくる。それは肌が過敏な彼女にとって、とても耐えられるものではなかった。

「あはははははっはっはははははっあははははははははは!! ひひゃあああああ!! あぁっっあぁぁああああああッッ!!! さ、魚がおおすぎるふふっふふふっふふふふふ!! ふっっふっっふぁああああ!! あぁあああ! あははっははっははっはははっはははははっははあはははは!! 多すぎるよぉ~~~~~~!! ひひぁあああああああ!! にゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 服の中に容赦なく、一瞬の絶え間もなく次々と服の中に入って来る小魚達に、イズミは声を大にして悶えた。

「やめてえええええ!! ぶひゃぁああっはははっはっははっはっはははははははははははっはははは!! なんでっっなんでえええええええ!? もう通り過ぎたのに、なんでもどってくるのよほほほほほっほっほほほ!! 何で入ってくるのよぉおおおおおおお!! いやははははっははははははははは!! やっっっやはははっはははははっはっはあっはははははははは! やぁあああああああああああ!!」

 あの時の通過は偶然で、だからもう一度自分の体に入って来る必要はないのではないか。そんな事を魚達に問いただしたたが、魚達はそんな言葉なんか聞かないというばりに続々と彼女の服の中に入り、体に生えている不揃いな毛で、彼女の白い肌を素早く撫でていく。その毛が肌に擦らり付けられていく度に、イズミはゾワゾワとしたくすぐったさに体を震わしていく。

「きひぁああああっははっははっはははっははっはははははははははははは!! きもちわるひひっひひひひひひひひひ!! ゾワゾワっっゾワゾワするふふふふふふふふふふふふ!! き、気持ち悪いって~~~~~!! くふっふふふふふふ!! うっふぁあっぷひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あはははっははははははは! あはははははははははははははは!!」

 もはや恥も覚える暇もないのか、彼女はフリルのついたショーツをおおっぴらに露わにしながら、ジタバタと体をがむしゃらに動かして身悶えた。拘束もされておらず体も自由に動かせるのに、どこに手をやっても、どう体を動かしても、何も衰えを見せてくれないくすぐったさに彼女は絶望するしかなかった。

「やだははははははははっはははははははははは!! もうやだぁああはははっはっはははっはははははははははは!! 全然おさまらないぃいいいいいいいいい!! くすぐったさがおさまらなひひひひっひひひっひひひひひひひ!! あっぁあああああ!! ふぁああははっははっはっははっははっはははははははは!! いや~~~~~~!!」

 腋を閉めても、体をくの字に折り曲げても、手でお腹を押さえても、挙句の果てには膝を掴んでだるまみたいに体を丸めこめても、小魚達は僅かな服の隙間から侵入し、肌を駆け巡り、イズミがどうしようもないと感じるくすぐったさを与えてくる。

「くすぐったいいいいいいいいいい!! いひゃぁあははっはっははっはははははははっはははははははは!! どっっどうすればっっあははっははッはははっははははははははは!! はひゃ~~~~~~はっははっははははははははは!! どうすればいいのよこんなの~~~~~~~~~~~!! はっはぁああああ! はひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 時には小魚達は膝下のヒレの部分もその毛で撫でくすぐっていた。服の中からモゾモゾとくすぐってくる感触とは違い、直接コソコソとくすぐってくる感覚は、これまでと違うと脳が認識し、イズミが感じている以上にくすぐったく感じてしまう。

「ひっっひれへへへへへっへへへへへへへ!! ヒレはぁああああああああ!! あっっあははっははははっはははははははははははははは!! だめっっだめえええええええ!! あっっむらがらないでへへへっへへへへへへへ!! そんなのいやぁああああああああ!! あひゃははっはっはははっはははっははははははははははははは!!」

 衣服の中だけではなく、小魚達はヒレにも群がり、体から伸びてる毛でくすぐりにかかる。イズミはくすぐったさから逃れたいと思う一心から、パンツが見えてしまう事を承知でヒレを右に左に振り回し小魚を追い払おうとするが、いかんせん小魚の数が多い。その数四万は超えるのだ。追い払う事は不可能であり、また、逆に無駄に動かしたことで小魚達と強く接触し、その毛に自分から触れてしまうという結果に繋がってしまった。

「ひひゃぁああははっはっははははっはっはははははははは!! 無理っっムリむりいいいいいいいいい!! あはあぁあああああ!! はっはっはっははははっはははははっはははははははははは!! 動かさないと耐えられないのにぃいいい!! いっいやぁあああああああ!! いやあはははっははっははははっはははっははははははははっはははははははは!!」

 動かしたら今まで以上のくすぐったさが襲ってくる。かといって動かさずに耐えれる程我慢できるくすぐったさではない。だから彼女は半ば反射的にヒレを動かしてしまい、本来感じる必要のない強力なくすぐったさに触れ、体をビクンと痙攣させながら悶絶し、喘ぎ声を上げる。

「あははっははっははっはあはははっははははははははは!! やっぱだめええええええええ!!! だめだってへへへっへへへへっへへへ!! うごかさないなんてっっむりいいいいいいいい!! はっあっぁああああ!! ひゃひぃいい!! ひひゃははっははっはははっはははっはははははっははははははははは!! こ、こんなの地獄よぉおおおおお!! やははっははっはっはははははははっあははははははははははははははははは!! やっやぁああああああああああああ!!」 

 くすぐったい! でもどうしようもない! ヒレを動かしたくない! だけど動かさないでじっと耐えるなんて無理! くすぐったい! くすぐったいッ!! くすぐったいッッ!!! 
 ヒレがイヤイヤをするように上下左右に動き、体がくすぐったさからプルプルと振動し、それに揺られて彼女のフリフリのスカートが激しくはためく。その揺らめくスカートの中からパンツが姿を現しては隠れてを繰り返す。その様子は彼女の悶え顔と相まって、程良く淫靡である。

「服の中だめえええええええええ!! ヒレもやめてええええええええ!! だめっだめえええええええ!! いやぁああはっははっははははっははははははははっははははははははははははははは!! 全部っっ全部だめだってへへへっへへへへっへえへへへへへへ!! もうやめ! もうやめ!! ふひゃはははっはははははははは!! ひあっあひゃああ! ひゃははははっはははははは! あはは! あははははははははははははははははは!! ひぃっっぁあああ!! ん~~~~~~~~~~~!! あっやあぁあああああああああ!! やらはははははっはははっはっはははははははは!!」

 肘に、二の腕に、腋の下に、背中に、首筋に、わき腹に、臍に、腰に、お腹に、お尻に、秘部に、太股に、膝に、ヒレに、小魚達は何度も自分の毛を擦りつけては、彼女を身悶えさせた。 

「やらはははっはあっはははははははっはははははははは!! やめひぇへへへへへへへへへ!! こんなのっっ!! こんなのぉおおおおおおお!! 壊れるっっわたしこわれちゃうからああああああ!! はひゃはははっははっははっははははっはははっはははははははは!! もうさわらないでえへへへへへへっへへへへへへ!! くすぐったい事しないでええええええええええええ!! あっあぁああははっはあっはっはっははははっはははははははは!! はひゃぁあああ! っひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! もうくすぐってこないでええええええええええ!!」

 涙を零し、眉間に皺をよせ、眉を深く沈めながら、苦しそうな泣き声と笑い声をその閉じれない口から延々と発し続けるイズミ。だが、小魚達だって好きで彼女の体に自分の体をすり合わせている訳ではない。
 小魚達は待っているのだ。自分達の毛が彼女の肌に接触し、擦る事によって僅かに浮き出る人魚の老廃物が彼女の柔肌に溜まるのを。
自分達全員の食事が出来るぐらいに老廃物が溜まるのを、彼等はひたすらに待っているのだ。

「もういひゃあははっはははっはははっはははははっはあははははは!! こんなのもういやぁあああああああ!! あっひぁあああはっはははっははっはあはははははっははははははは!! もう纏わりつくのやめええええ!! やあああははっははっははははっははっはははははははっははははははっははっは!!」

 イズミ自身には分からないかもしれないが、肌にはもうかなりの老廃物が浮き上がってきており、小魚達はもういつ食事に入ってもおかしくないほどであった。まだ小魚達がそれをしないのは、これだけでは足りないと判断しているからであろう。まだまだ絞り出そうとしているのか、毛の擦りつけを何百何千、果ては何万匹での協力体制で行っていく。

「ひぎぃ!! ぐひゃはははっははあはっはははっはははははっははっはははははは!! も、もう充分!! もう充分わらった!! 笑ったからああああああっはははっははっははははっはははっははははっははははは!! いいでしょ!! もういいでっっみひゃはははははははっははははっはっははははははっひゅひひひひひひっひひひひ!! あひゃははっはははっははっははっははっははははあっははっははははははははははは!!」

 細く白い体の各所からとめどなく湧きおこるくすぐったいという感情。その刺激に体を桜色に紅潮させ、悩ましげに体をよがらせては、あられもない鳴き声を喉の奥からシズクは吐き出す。涎を垂らし、頬を赤らめ、瞳から涙を流しながらその声を発するさまは、どこまでも魅力的で、官能的といえた。

「いやははははははははははははははは!! ひゃはははははっっあはあははっはっはははああはははっははははははっはははははは!! あんっっはははははっっいやあああああ!! ふひっふぅっっやあぁあっっやっひひひひひひひっっひひゃははっははっははははははははははは!! も、もういやなんだってばああああああああああ!!」

 肌を撫でまわされる感触が何時まで経っても慣れないのか、変わらぬ声量で喘ぎ続けるシズク。しかしその撫でられる感触に悩まされるのももうすぐ終わる事となる。何故なら小魚達による食事の仕込みが完成したからだ。
 小魚達は、もう食事を堪能するにはいい頃合いだと判断すると、分け隔てなく全匹に老廃物が行き届くように、一旦彼女の体から離れる。

「はあっははっはっはははっははははっはははは!! はっはははっははは…………! はっはっっ! はぁっっっ! はぁ…………! よ、ようやく、終わった……の? …………はっっっはぁ…………! はぁ、はぁ、はぁぁぁぁ……」

 自分を苦しめていた小魚達が離れていく。この事から、ようやくこの地獄から解放されたのかと、今まで吐き出し続けていた息を取り戻すかのような荒い呼吸をしながらシズクは安堵した。
 しかし、疑問もあった。終わったのならさっさとどこか遠くへ泳いで行けばいいのに、小魚達は離れこそしたものの自身の周囲で回転するように泳ぎ続けていた。まるで、そう、まるで何か機を待っているかのように。その様子は魚達の中心にいるシズクに得も知れない恐怖を与えるのには充分であった。

「な…………、はっはぁ……なんでまだいるのよ!? ふっはぁ…………! お、終わったなら、さっさとどっか言ってよ! ねえッ!!」

 今まで散々やられた事から、イズミのトラウマとなっている小魚達、それが未だ自分から離れていかない。自分から離れようにも、取り囲むように泳ぎ回る小魚達の中に突っ込んでまで脱出するという考えが彼女には出来ない。それは自分からあの散々笑わせられた魚達の毛に接触すると言う事なのだから。その時点で自分から逃げると言う選択肢はあり得なかった。
そうなると、残る手段は小魚達が自分から離れる様にさせる事。それをさせるために、脅すように声を荒げたりするも、所詮は強がりであり、結局は恐怖の裏返しから来る物である。彼女は怯えていたのだ
 そして、その声に対する返答をするかのように、イズミを取り囲んでいた小魚達が一斉に彼女の方へと向きを変えた。  

「な、なに!? 何でこっち向くの!? い、いや! もう何かされるのはイヤぁああああ!!」

 シズクのその悲痛の籠った叫び声を引き金とするかのように、小魚達は一斉に彼女の元へと再び殺到する。自分達の食事のために。 

「ひ!! く、くるなっっくるなぁあああああああああああ!! あっっっあぁあああああああああああああ!! はひっっひぁっっくふっふひひひひ! ひぁっっはひぁ~~~~~っはは! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ぶひゃはははははっはははっははははははははっははははは!!」

 カリカリと、その口に生える小さな歯で、彼女の肌に浮きあがっている老廃物をついばんでいく。
 全長一センチに満たない小魚達の歯は、噛まれても痛いという感覚を生み出さない。代わりに、とてつもないくすぐったいと言う感覚をイズミに与え、彼女を大きく笑わせる。

「つまむなっったべるなぁああはっはははっはははっははっははっはははあっははははははははは!! 美味しくない! こんなのおしくなははははっはっははっははははははははっははっは!! おいしくないからぁああああああ!! やめっっやめてええええええええええええええ!! いやああはっはははっはははははっはははははっははは!!」

 イズミにしては何故小魚達が自分の体を食べるのか全く理解出来なかった。第一、彼等の毛で撫でる行為が老廃物を浮き上がらせようとしていた事すら彼女は知らないのだ。彼女にしてみれば、小魚達はただ自分の体で悪戯をしていたかのようにしか見えていなかったのだから。

「やめやめやめええええええ!! やめてえええええええ!! あはっははっはははっはははははは!! んひゃぁああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! っははっっひぁあああああ!! だめへへへっへへへへへへへへっへへへへへ!! くひゃはははははっははっはははははははははははははははははははは!!」

 少し前までの小魚に撫でられてる時より数段激しさを増したくすぐったさ。その今までとはレベルの違う刺激にイズミは体を無作為に暴れさせ、両腕を体の至る所に持っていって魚を払おうとしながら、首を左右にイヤイヤするように動かす。しかし、数万以上の小魚を振りはらう事が出来る筈も無く、魚達の食事に体で付き合う事となる。

「チクチクするぅううううううう!! チクチクするのひひひっひひひひひひひひひ!! くすぐったっっくすぐったいいいいいいいい!! いやぁ~~~~~~!! いやぁあああああっははっははっははははっはははははははははっはははっはははははははは!! あはははは!! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 

 腋の下にたまった老廃物を食そうと、小魚達は腋の下へとわらわらと集まり、カリカリと肌を甘噛みする。腋の下へと突撃する無数の頭、腋の周囲の肌に触れる小魚の毛、そして腋の下を直接刺激する小魚の歯、どれもが彼女の頭を狂わせる。特に老廃物が溜まってる腋の下の窪みには、より多くの小魚が殺到していた。

「腋だめええええええ!! 噛まないでっっおねがっっうわひゃははははっははははっはははっははははっははははははははあははははっはははははは!! 狂うっっ!! 私こんなのっっだめへへっへへへっへへへへ!! いひゃぁあはははっははっはははっはははっははははははははは!! 狂っちゃうってばぁあああはっははっははははっははっははっははははははっははははは!! そこっっよわいのほほほっほほほほほほほ!! 弱いのにっっそんなに激しくしないでへへへっへへっへへへへへへへへ!! いやあああははっははっははっははっはははははははっははははははははは!!」 

 本能的に腋を閉めてみるも、閉めた事によって小魚の毛に自分の弱い部分を押しつけた形となり、それがくすぐったく感じて結局腕を申し訳程度に開いてしまう。そしてその開いた隙間に容赦なく群がる小魚達。悪循環という言葉にも程があると言えた。

「もうだめっっ! もうだめえええええええええええ!! ぶひゃははっはははっははっはははははははははっははは!! はっはははっははははははは! あっあぁああああああ!? 閉じれないいいいいいい!! 閉じれないなんてひどすぎるよほほっほほほほっほほほほほほほ!! んひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! やだ! 腋にはいってこないでへへへへへへへへへへへ!! あはははっははははははははははははは! 変になる!! 頭が変になるからあははッはははははははははははっははは!!」

 彼女の細い太股にも魚達は喰いついていく。スカートを大きく広げさせられながら太股に喰らい付く無数の魚達に、一瞬の堪える事もなく口から笑い声を吐きだすイズミ。腕で押さえつけて少しでも緩和しようと頑張るが、小魚達が喰らい付いている範囲は広く、両の掌だけでは全てをガードする事は出来ず、また、腋や他の部位からのくすぐったさからも守ろうと両手を所在なさげに動かしている為、太股ばかりに構えないと言うのも、彼女を辛くしている要因にもなっていた。

「あははっははっはははっはははははっはははははははははは!! そ、そこもだめえへへへへへへっへへへへへ!! 太股たべないでえええええええええ!!  いやっっむりひひひひっひひひひひひひ!! もうむりいいいいいいいい!! 堪えられっっ堪えられない~~~~~~~~~~!! っくぁあはははっははっははっはははっははははははは!! くるひひひひっひひ!! くるしぃよ~~~~~~~~!」

 服の中にも入り込んで、わき腹、腹部、背中などにも付着する老廃物を残らず食べ尽くさんとする小魚達。くすぐったいと感じてしまう弱点を良いように優しく齧られる刺激に、イズミは体をクネクネと色っぽくよがらせる。

「齧らないでへへっへへへへへへへ!! おかしくなるっっおかしくなりゅううううううふっふふっふふふっふふふ!! ふひゃぁあああ!! ひゃひひっひひひっひいひひ!! あはっっははぁあああああっははっはっはあはははっはっははっははっははははははははははははは!! ぜ、全部よわいっむりぃいいいいいい!! むりだよこんなははっははっはっははははっははははっはははははっはははは!! たえられるわけないっっないいいいいいいいいいいい! いひっひひひひひひひ! ひひゃぁあああっはっはっはっはっはははははっっはははははっはははははははははは!!」

 彼女の小さく丸い臍にも一匹の小魚が侵入した。侵入した小魚は、臍のゴマを一つ残らず食べ尽くそうとしているのか、絶えず歯を動かし、食べる場所を変える様に体をピチピチと跳ねさせた。
 臍という出口が一箇所しかない密閉された小さな空間で、滅茶苦茶に暴れられ、カリカリと無遠慮にほじくられる感触に、イズミは堪らないくすぐったさに襲われる。

「やああああああめへへへっへっへへへへへへ!! あっっやああああああ!! 臍の中になんかっっはいらぁああはっはははっはははっははっはははははははははははっはははははははは!! 入らないでよおおおおおおおおお!!  あっっだめ!! 中でそんなにうごいちゃだめへへへへへっへへへへへへへ!! 来る! モロにくるからぁああああはははっははっはははっははははは!! あひゃははははっははははっははははははははははははっははっはあはっははははは!! だめええええ!! ゴマ食べないで~~~~~~!! いやっっいやああああああああああああ!! くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 小魚達はイズミの膝下から存在するヒレにもしっかりと喰い付いた。
 重ねて言うが、人間の足の裏と同じくらい敏感なヒレに、何千という小魚がカリカリと老廃物を食すために喰らい付いているのだ。当然そのくすぐったさは尋常ではないだろう。
 それを体現するかのように、喰らい付いた魚を一匹でも離そうとしているのか、イズミはヒレを縦横無尽に動かしているが、やはり数の暴力には勝てず、例え振り払えてもすぐに別の個体に喰いつかれるというのが現状だった。くすぐったさから解放されたのは、ほんの一瞬で、僅か一センチ程の箇所でしかない。それだけではくすぐったさが無くなった、和らいだと捉えるのは困難な話だろう。もしくは、動かした事によって小魚の毛に触れてしまう事から、ひょっとしたら動かす前よりくすぐったく感じているかもしれない。
 
「もういやあああああああああっはははははっはははっはははははははははははは!! こんなに多いのっっふりはらっっはひゃぁあああはっははっはっははっははははははっはっはははははははっはははは!!! 振り払えないいいいいいいいい!! だめっぅっっだめへへへへへへへへへへ!! 許して! もうゆるひゅふふふふふふふ!! ゆるしてえええええええええええええええ!!! おねがいだからはははっははははっははっははははははははははははははははは!!」

 激しさを増したくすぐったさに、イズミの既に笑い顔に歪んでいる顔が、さらに笑みを深めた。
 眉は深く垂れ下がり、眉間にはアイドルらしくない深い皺が刻まれ、目は閉じたまま横に伸びぽろぽろと涙を流す。口は大きく開き、そこから神経を伝い脳から伝達され、お腹の底から生成された可愛く歪んだ笑い声が大きく吹き出され続ける。

「あははっははっははははっははっはははははっはははははは!! もうかんべん!! ぷひゃははっははっははっははっははははははははは!! もう勘弁してえええええええ!! 謝る! 謝るからぁ~~~~~~~~!! もう食べないで! 体をたべないでええええええ!! いやはははははっははははは!! あはははっははっははははははあはっははっはははははははははっはははははははははははははははははははは!!」

 体の隅から隅までくすぐったさが電流のように走り抜ける。そのどこからでも感じるその刺激と、どう足掻いても逃げられないその感覚にイズミは気が狂いそうだった。
 しかしそんな思いなんか関係ないとばかりに、魚達は新たなる場所を標的に移す。
 小魚達が標的に定めた場所、そこは十八にしてはやや小ぶりな、イズミの制服を軽く押し上げる二つの双丘。
 小魚達は、彼女の双丘を覆い隠す上の下着の隙間から侵入し、その僅かな膨らみをツンツンと刺激していく。

「あひっっっく、ん~~~~~~~~~~~~~!! へ、へんなところっっつつかないでっっくひぁっっんっふっふぁぁああ! やっやひひっひひっひははっはははっはははははっはは! やめっっそこはやめてっっおねがっっんあぁあああ~~~~~~!!」

 性感帯を刺激された事によって、イズミの笑い声の中に明確な甘い声が混じり始める。

「くふっんぁ! やっっやらっっひゃめ! ひ、っぁ~~~~~~~~!! んっぅんふうぅうううう!! あっだめっっそこかじるのやっっやっやぁ~~~~~~~~~!!」

 下乳を小魚達の毛で撫でられ、横乳を頭でつつかれ、上乳をカプっとついばまれる。
 性感帯をそんな風に刺激されたイズミは、今まで感じてたくすぐったいという感触に加え気持ちいいという感覚にも襲われ、頭の中を二つの刺激によってぐちゃぐちゃに掻き回されているような感覚に陥っていた。
 そしてそのぐちゃぐちゃの感覚を正すかのように、数匹の小魚が彼女の小さな突起にも齧り付く。

「くっんひゃぁああああああああああああああああああああ!?」
 
 その予想外の、くすぐったいと感じる気持ちも何もかもが気持ちよさに変換されたような刺激に、イズミは体を出来る限りのけ反らせて身悶えた。否、体がそうなるように反射的に動いてしまったのかもしれない。

「ひああああ! やめっっそんな所、かじりつくのはぁあ~~~~~~~~~~~~!! やめっっやめやめっっやぁあああっはははははははは! ひゃぁあぁああん!  はっはぁぁあぁあああああああ!! んぁっっやぁぁあぁ~~~~~~~~~!」

 その刺激を受け、突起が僅かに下着を押し上げる程度に張り上がり、自己を主張する。まるでもっと弄ってと言っているかのように、そしてその期待に応えるかのように、魚達が咥えられる面積を増やしたその箇所へとさらに数匹が詰め寄り、今までと同じようにかぶりつく。

「ひああぁあああ!! 沢山! そんなに沢山かぶりつかないでっっんぁ~~~~~~~!! あひゃひひっひっひっひひひっひぃぃぃぃん! くふぁっっあふぁあああ!!! おかしくなるっっこんなのわらひおかしくなっちゃぅう~~~~~~~!!」

 ビクン! っと、突起を齧られる度にイズミの若々しい体が弾ける様に、波打つように跳ねた。体は熱を帯びたかのように赤く染まり、頬は色っぽい紅に紅潮し、口からは荒い息遣いが聞こえ、下着を海水意外の何かで濡らす。
 まだ若い少女であるイズミの官能は、小魚達がカプリと噛みつくごとに爆発的に上昇していく。

「あぁああああ!! はひゃぁあっははっはっはっはっは! やらぁああああ!! はっはひぁああっひゃはぁぁああん! んっんっん!! ひゃめえ…………! ひゃめへえ!! ぁぁあああっっくふぁっふひゃぁ~~~~ぁぁあん!」

 腕を胸に持っていき、小魚達を何とかしようと胸を押さえる物の、服の上からでは逆に押し付けてしまい。官能をさらに高めてしまう。

「はぁぁあッ!? はっはぁぁああああああああああああああああ!!」

 自分が招いた事だが、突然増した快楽に思わず口から艶やかな喘ぎ声が漏れ出す。
 そして服の上からではダメだと自分の体で実感したイズミは、今度は服の中に直接手を入れて自分の胸を苛める無数の魚達を払おうとするが、その行為は腋の下や太股等を未だ執拗に齧る小魚達に邪魔されて思うように手を持っていくことが出来ない。
 が、それはイズミの心中を表しているとも言えた。
 即ち、気持ち良いのを妨害するより、くすぐったいのを妨害したいという考えから、彼女は腋の下や腹部、わき腹などへの防御を重視し、胸の防御を軽視するのだ。もしくは、それを理由として胸への妨害をしたくないのかもしれない。
 ただし、それを責める権利など誰にもないだろう。なにせ彼女はまだ若い女の子だ。そういうのに流されたい日もあるだろう。
 おまけに自分の官能は今も現在進行形で高まり中なのである。一度上がりだした性感は、一度最高の快感を得るまで止まらない。否、止めたくない。

「んぁああああああああ!! イっっイクぅ~~~~!! このままだと私っっイっちゃうよぉ~~~~! あぁッ! ぁぁああ!!はひっひひゃぁあはっはっははッはッはははっはっはははぁあああ! ハァっ……ふぁっふふぁぁぁああん!」

もう、イズミは快感を押さえようとする行動は取らなかった。爆発的に押し寄せてくる快感の波に、彼女の心の防波堤を砕こうと、クモの巣状の亀裂が入る。もう後人押しすれば、粉々に破壊されそうになるぐらいまで。それほどまでに、彼女の心と体は限界に近付いていた。
 その最後の一波も、そう時を待たなくして訪れた。小魚達の内の一匹が、無意識的に彼女のショーツの中。その前面を走り抜けた事によって。


「はぁああ!?  はっあぁあああっあぁああ! んあぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ!!!!!!」
 
 今まで胸ばかりに意識していたが故に、全く予想していなかった箇所から突然流れ込んできた快感に、彼女は成す術なく絶頂に達した。自分が悔しいながらも待ち望んでいた快感に直面したイズミは、その悦楽を体全体で味わうように堪能した。が、

「っっん! あっあぁああああああああ!! ひぁああははっはっははっはあはっははっはははっははははははははは!! なんで!? なんでぇええええええええええ!! イった!! いったのにひひっひひひっひひひひ!! どうしてえへへへへへっへへっへへっへへへへへ!! んひゃぁはっははっはははぁああぁあん!!」

 絶頂後の最大の楽しみである余韻を、突然襲いかかってきたくすぐったさに邪魔されたイズミは困惑し、疑問を抱き、余韻に浸れなかった事に憤慨する。もう終わったのではないのかと。
だが、彼女は知らない。魚達の食事はまだ終わっていないのだ。イズミの体は、小魚達全匹が満足するまで、解放されることは決してない。

「あひゃぁああああああはっははっははっはっははっはははははははははっはははは!! もうヤダ!!もうやだああああああああ!! だめへへへへへっへへっへへへへへへへ!! いやぁああああああああああああああああ!!」

彼女が解放されるまでには、もう少しの時間が必要のようだ。



「っくぁああああ!! あっあっっあ~~~~~~~~!! っはぁあああははっははっははっははっははははっはははははははははははは!! ヤダ、いやぁああはっはっははっははっはははははははっはははは!! き、きもちわるひひひひひひひひっひひひひひ!! 気持ち悪い~~~~~~~~~~~!! いひゃぁあああっはっははっはははははははははっはははははははははは!!」

 時は、イズミが魚に纏わりつかれ始め、シズクがイカとタコに張り付かれた時間に再び巻き戻る。
 その時、メンバーの一人であるナナミは、全長数メートル程もあり、白色に光るイソギンチャクから伸びる触手によってイソギンチャク本体の元まで連れて行かれ、本体より数十センチ上方から、ソレから無数に伸びる白色の直径一センチ、長さ二メートル程の細い触手で体中をくすぐられ、一瞬も笑い声を堪える事無く、イソギンチャクによって悪戯に笑わせられていた。

「あははっはっはっははははは!! あはっはっはっははははは!! う、うごけないぃいいいいい!! こんなのいやぁああはっははっはっははははっははははっははっははははははは!!」

 イソギンチャク本体の視点で見てみれば、ナナミのエビ反り状の後ろ姿をローアングルで眺める事が出来る位置だった。
 その位置からではナナミのスカートの中も存分に拝む事が出来、彼女の海を表す青と性純を表す白のストライプのショーツ。そのお尻がくすぐりによってフリフリと可愛く揺れる様子が、イソギンチャクの視点では丸見えだった。

「あひゃぁああはっはっははっははっはははっははははははははははっははははははっははっはははは! やめてえええええ!! くひゃぁああああっはっはっはっはっはっっはひゃぁああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! ふ、服のなかにっっし、しひひひっひひひひひひひ!! しょっっ触手がぁああ~~~~~~~!! あっぁ~~~~~~~~~!! あははっははははっははっははっはははっはははっははははははははははは!!」

 両手首は上で纏められ、万歳の姿勢になるように、人魚の象徴であるヒレの尾を掴まれ、ピンと伸ばされる。これによって彼女は弓なりに体をしならせられた状態に、ありていに言えば、首から上以外全く体を動かす事が出来ない姿勢にされ、その体制でイソギンチャクの触手責めをナナミは受けていた。

「んあぁあああはっはっはははっはははっははははっはははははははははっははははは!! やだっ! くすぐったい!! やめてっっやぁあああっははっははははっははははっはっはははははははははっはははっは!! つ、つらいいいいい!! 動けないのつらいよぉ~~~~~~~~~!! いひゃああああはっははっははっははははっははっははははっはっははははっははははは!!」

 動かせない身体からとめどなく流れてくるくすぐったさが凄まじいのか、唯一自由に動かせる首をナナミは目一杯振り回す。その首の動きに合わせ、ナナミの美しい紫色の髪が踊る。
 その表情は、決して望まぬ笑みに満たされていた。

「反則っっ反則だってえええええええええ!! んひゃははっはははっははっははははははははははは!! っぷっっっふふぁぁああああはははっははっはっははっははははっはははっははははっはははははははははははははははは!! 何も出来ないのにっっくすぐるの反則だよほほっほほほほほほほほほ!! っひゃはぁあああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 イソギンチャクは、両手とヒレを捕らえる触手に自身が持つ最太の直径十センチ程の触手を用い、確実にナナミの脱走、脱出を防止する。
 そして、体の動きのほぼ全てを制圧したイソギンチャクは、その他の一センチ程の触手全てを用いて彼女の衣服の中へと触手を伸ばし、その赤ちゃんのような綺麗な肌を執拗にくすぐり抜いていた。

「やだああああああはっはははっはははははは!! こんなのいやだよぉ~~~~~~~!! んあぁああははっははっはははっははははははっはははははは!! っふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! コソコソするのが、コソコソがぁ~~~~~~~~~~!! はっはぁひゃぁああああはっははっははははっはははっはははははははははっはははははは!!」

 イソギンチャクから伸びる細い触手には、先端から数センチ程、適度な柔らかさと硬さと長さの毛がびっしりと生えており、その毛を利用してコソコソと素肌をくすぐっていたのだ。
 くすぐりに対して耐性を持っていないナナミは、直接素肌に送られてくるそんな責めを我慢なんか出来る筈もなく、その口から笑い声を延々と絞り出してしまう。

「毛がっいや!! っ毛があああははっははははっははははははははっははははははは!!  むりぃ~~~~~~!! 無理ムリむりひっひひひっひひひひひ!! 直接くすぐるの無理~~~~~~~~~~~~~~!! あぁっっんひゃはははっははっははははははははっははははははははははははっはははははははははははは!! ぁああ!! ゾクゾクするふふふっふっふふふふふふふふ!! だめえええ!! だめえええええええええっ!! あひゃぁああははっははっははっはははははははっはははははははは!!」

 くすぐりに体が反応し、無我夢中でやや後ろで万歳に上げらさせれた腕を降ろそうと力を込め、後ろに反らされたヒレを何とか引っ張ろうと一生懸命動かしてみるが、触手の拘束力は強く、ナナミがどれだけ力を込めても、弓なりに反らされた状態から少しも動かす事が出来なかった。
 イソギンチャクから伸びる無数の触手は、その動かせないナナミの体をこちょこちょと楽しそうに弄ぶ。

「やだっっこんなのやだああああああああああ!! はひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! 守れないなんてやだはははっはははっははははっはははははははははっはははは!! やっっやっっっっやぁあああ~~~~~~~~~~!! あははは! あはははははははは!! あははははっははははははっはっははははははははは!!」

 先程の小魚の群れは、あまり意味がなかったかもしれないが、体を揺らしたり、足を、ヒレを動かしたり腕で腋を閉めたりお腹を押さえてくすぐったさを緩和しようと『努力』する事が出来たのだが、今回の触手責めはそれが出来ない。それはナナミに、途方も無い辛さを与えていく。

「うでええええええ!! さげっっさげさせてへへへへっへへっへへへへへへへ!! いやぁああはっはっははっははははっはっはははははっは!! だめなのぉおおお!! きゃははっはははははははははっはははははははっははは!! 下げないと耐えられないのぉ~~~~~~~~~~~~~! んひゃぁああはっははっははっはっははははっははっはははははははははははははははっは!!!」 
 
 体を激しく動かせない代わりに、触手が体を撫でる度にナナミの体がくすぐったさに反応してるのかピクピクと痙攣し、プルプルと小刻みに震える。
 それと呼応するように、彼女の腕を掴んでいる太い触手がギシギシと軋むが、それで彼女の腕が少しでも下がるような事はない。人魚の腕力程度に負けるほど柔な触手ではないのだ。

「ぷひゃははっははははっはははっはははっははははっはははは!! むりひひひっひひひひひひ!! こんなのたえれらなぃいいいいいい!! っんひゃぁあああはっはっははっははっははっはははははっはははははははは! な、なんでくすぐるのぉお~~~~~~~!? いやぁあああはっはははっはあはああはっははははははっはっはははっはははははははは!!」
 
 何故このイソギンチャクは自分を捕らえてくすぐるのか。思考能力を失いつつある頭の片隅でそんな事を考えるナナミ。だが、僅かに残った思考ではその奥にある真相に辿り着く事が出来ない。例え頭が通常回転できる状況でも真相に辿り着けるかは怪しい物だが。
 結論から言ってしまえば、イソギンチャクは彼女自身を食べるために捕らえたのだ。

「あははっはっははっはっはっははははっはははっははっはははははははははは!! た、たすけええええええええ!! いやはははっはははっははははははははは!! 体中がくすぐったぁ~~~~~~~い! んんはぁあああはっはっはっははっはははっははははははははっはあっははははははははははは!!」

 このイソギンチャクは知ってるのだ、人魚を弱らせるために有効な手段がくすぐりであると言う事を、そして自分の触手がくすぐりに適している形状、弾力、長さ、細さを有していると言う事を。
 だからイソギンチャクは太い触手で捕らえ、絶対に逃げなくさせた状態で、人魚の肌を思う存分にくすぐるのだ。笑いで全ての力を使い果たさせ、気力を完全になくさせた状態の人魚を美味しく食べるために、イソギンチャクは自身の体から生える千本以上の触手を全て彼女の柔肌に這わせ、徹底的にくすぐるのだ。弱点も、弱点じゃない場所も、体の隅から隅まで全ての箇所を。

「わひゃぁああははっはっははははっははははっははっははっはははは! っっっっはぁあっっんひゃぁあ~~~~~~~~~~~!! ひあああっっひぃっっひぁあああああはっはっははっははっははははっははは!! はうっくっっくくくくくくくくくくくく!! だ、だめ~~~~~~~~~!! っっあははははははっはあっははははははははは」

 ヒレには四方八方、それこそ全方位から無数の触手が襲いかかり、それぞれの方法でヒレをくすぐり回していた。
 人間で言う脛の辺りをコソコソと撫でさすったり、人間で言うふくらはぎの部分を、チョンチョンと適度な力で突いたりするなどして、彼女を身悶えさせていた。

「ヒレへへへっへへへへっへへへ!! う、ごかははははっははははっっせっっっないぃ~~~~~~~~!! 辛いっっつらぁああははっはははっははっははははっはははははははははははははは!! 辛いよぉ~~~~~~~~~!! いやぁはああはっはあはっははははっはっはははっははははははははっはは!! ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あっぁああああああああ!!」

 敏感な場所であるヒレを何も出来ずに責められ続ける状況を何とか打破したいと脳が体中の筋肉に伝え、その衝動のままヒレを動かそうとするが、触手の拘束はあまりにも強靭でほんの少しも動かす事が出来ず、体はエビ反り姿勢のまま触手の蹂躙をひたすら許してしまう結果となってしまう。
 ビクビクとくすぐりによって震えるヒレを守る手段が何一つないと言うのは、あまりにももどかしい。

「やめてえええええええええ!! 許しっっゆるっっゆっっっっっふふぁぁあああああああああ!! あああっあはははは! はひゃぁああっはっはははっははっははっははははははは!! あははははははははははははははははははっははっはははは!! こんなの耐えれる訳ないよ~~~~~!! あぁああん! だぁめ~~~~~~!! んひゃぁああはっははっはははははっははあはっははははははっはは!!」

 もう充分すぎる程笑っているナナミだが、彼女の苦難はまだまだ続く。
 百本近い触手群は、彼女の細いわき腹と女の子らしく締まっている腹部を標的に定めた。
 わき腹と腹部を狙いに定めた触手達約百本は、一本一本が協力せず、それぞれ独立して彼女のわき腹と腹部を責め立てた。
 只、それぞれが独立していると言っても、くすぐる責め方だけは一貫して同じ方法を取っていた。
 それは触手の先端から生えていて、人魚が絶妙に悶え、そして最高にくすぐったいと感じてしまう毛を使っての撫で責めだった。

「ぁああああ!! あぁああははっはははっははははっははははははは!! ぶひゃぁあはははははっははっはっははははっはははははははは!! くすぐったいいいいいいい!! お腹とわき腹っっっ全部がくすぐったいよぉおおおおおお!! あひゃぁああはっはははははははっはははは!! だめえええ!! コソコソするのだめっっあぎゃははははっはははっははははっはははっははははっはあははははは!! どうしてっっどうしてえええええええええ!? いやははっはははっははははははははは!! いっいやゃあぁああああああああああああ!!」
 
 先端を轟かし、サワサワと撫でるような動きで腹部とわき腹をイヤらしく責める。おまけに、それぞれ百本の触手が独立しているお陰で、わき腹、お腹と称される部分全てを余すことなく責める事が可能だった。
その腹部わき腹全体責めに体が無意識に反応するのか、逃げ場を求めてピクピクと腹部が痙攣する。

「コソコソだめへへっへへへへへへへ!! くすぐったい! くすぐったいからぁああああ!! あはははっあはははははははっはははっははははははっはあははははははは!! それで、それでへへへへへへへへへ!! わき腹くすぐるのっっ、禁止ぃい~~~~~~~~~!! やめてっっこれだけはやめてええええええええ!! んひゃぁああっはっはっはははっははっはっはははははははははははははははははははははははははは!! お腹なんてもっとだめへへへっへへへへっへへへへへへへへ!! くひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! っはひゃぁああっはっはっはっはははははははははははははははははは!!」

 触手一本は細い、が、それがくすぐったくないという方程式には繋がらない。この触手一本一本が、本体が操る手も同然なのだから、当然巻き付く力も強ければ、くすぐる力も強い。
 また、触手が腹部を責め立てながら、ついでとばかりにナナミの臍の中へと侵入し、コソコソと触手の先端を轟かせて責め始めた。

「ははははっはははは!! ひゃはぁあああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! はっはひゃぁあ~~~~~~~~!? へっっへそっっ!! っっくっくくくっっくひゃはははっははははははははははははは!! 臍もくすぐるのほほほほほっほほほほ!! いやっっそんな所触られた事っないっっんひゃぁあはっはっはははははははははっははははは!! 擽られた事なんてなひひひひひひひひひひひ!! やめてやめっっやめやめやめえええええええ!! いひゃあははっははっははっはははははっはははははっははははっははははは!!」

 臍を含め、腰回り全域を一時も休まる事無く責められるナナミ。
 ここまで責められれば、地獄という表現すらまだ生温い物なのではないかとナナミは思ったが、この地獄を超えるくすぐり触手責めは、まだ加速していく。

「あはぁああはっははっはははっははっははははははははは!! わ、笑いすぎてお腹がっっいひゃぁああはっはっはははははっははははははははっは!!! い、痛いぃ~~~~~~~!! くすぐったいのにっっっふぁああははははははっははははは!! 痛いよぉ…………んふふふふふふふふふ!! っふぁあああはっはっははっははははっはあはっはははははははははは!! 痛いのにっっくすぐったいよぉお~~~~~~!! やぁあああはははっはっははははっははっはははははあははは!!」

 笑いすぎて腹部の筋肉が悲鳴を上げ、ナナミに痛いという感覚を引き起こさせるが、それと同時に腹部から生まれるくすぐったさ。 同じ場所から発生する別々の感覚に、彼女は見事に翻弄された。
 そのまま触手はナナミの細い腕の連結部分である腋の下にも攻め込んで行く。
 腋の下を責める触手群は、それぞれ数十本が互いに束ね合わせ、一本の太い触手を作り上げた。
 そして、その太くなった触手の先端で、彼女の両脇の皮膚をくすぐっていく。

「っひゃぁあああああ!? あっわっっわひゃぁあああはははっははっはははっはっははははははははは!! い、いやぁあぁああ!! そ、そこは弱いの!! さわらなひひひひっひひひひひっひひ! さわらないでええええええ!! んぁあああああ!! っくひゃぁあああああ!! っひゃっはやはははっははっははははっははっははははははははははは!! あっ! だめええええええええ!! そこだけはっっそこだけはぁあああああああ!! ~~~~~~~~~~~~~~~ッ!! い、いやあああああああああ!! あははははははははははははっあはははははははははっっあははははははははははは!!」

 何十本もの触手を束ねた一本の太い触手だが、その先端だけは何十本もの触手がバラバラに躍動している。それによって、触手が狙った場所を細かく、色々な方法でくすぐる事が可能となっていた。
 腋の下の窪みをチョンチョンと絶え間なくつつく、サワサワと先端の毛で撫でる、腋の下に触手を押しつけてブルブルと先端を振動させる、鎌首をもたげてカリカリと引っ掻くといった行動を、一本の触手によって同時に行われた。

「っっっあぎゃぁあああああ!! ひっひぃい!! ひぁああああはっははっはっははっははははははっはははははは!! ち、ちがう!! なんかちがうふふふっふふふふふふふふふふふふふ!! くすぐり方がちがうぅ~~~~~~~~~~~~~!! んぎゃははははっははっはははははははははは!! キッキクぅううううううう!! キクからやめひぇへっへへっへへっへへへへへへへ!!  ひあぁあああははっはははっははあはははははははは!! む、むりひっひひひひひひひひ!! むりだよこんなの~~~~~~~~~!! やっっやああああああああああああ!!」

 女の子の弱点中の弱点を色々な方法でくすぐられて、ナナミが笑いを堪えれる訳がなかった。
 腋の下のくすぐったさを何とかしたいと言う一心で、頭上で拘束された腕を力任せに引っ張るが、何度やっても一センチ、一ミリも下がってくれるなんてことはなく、腋を閉めるという、儚げな抵抗すら出来ない。腋の下、その窪みを蹂躙する触手を笑いながら見届けるしか出来ないと言う状況は正に悪夢と言えた。

「たすけてえええええええ!! イズミっっシズクぅうふっふっふふふふふふっふ!! くっぅくひゃぁあああはっははははっはははっははははっははっははっはあははっはははは!! 助けてええへへへへへへっへへへへっへへへへ!! んひゃぁあああっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! しっっ死んじゃううううう!! くすぐったくて死んじゃうよぉおおおおおおおお!! いやぁああははっはははははっはははっははははははははははははははは!!」 

 自力ではこのイソギンチャクのくすぐり責めから逃れる事は出来ない。ならば誰か他の人の手を、この近くにいるであろうイズミとナナミにヘルプコールをしてみるが、当の呼ばれた二人も、現在それぞれ窮地に陥っている為、ナナミの救出に向かう事が出来ない。そもそも、イズミとシズクはそれぞれある事に夢中になっているため、救出の前提として必要なナナミの声が二人の耳に届いていない。これでは助けになど来る筈もない。

「もうだめへへっへへへへへへへへへへ!! これ以上っっくひゃひゃひゃひゃひゃ!! これ以上こんな事されっっへひゃははははっははははははは!! さ、されたらぁ~~~~~~~!! 私狂っちゃう!! もう狂っちゃうよ~~~~~~~~!! んひゃはっはっははっははっはっははははっははははは!! きゃはははははははははははははっははははは!!」

 イソギンチャクから伸びる触手の責めはさらに激しさを増していく、ナナミのもう限界だと言う懇願も、これ以上されたらおかしくなるからと言う嘆願も、このままだと死んじゃうからと言う哀願も全てを無視して、くすぐり責めは過酷を極めていく。
 触手の内、衣服の中でくすぐっていない触手、合計五百本程のソレは、彼女の体に衣服の上から巻き付いた。

「ひっっっ!! いぁああああああああああああああああ!!?」

 突然、ナナミの声から嬌声とも悲鳴とも取れる声が迸った。
一本の長さ約二メートルを誇る五百本ほどの触手は、彼女をグルグルと包み込むように、ヒレの尾から首の下まで巻き付いたのだ。
 それは、彼女の体全体をやんわりと締め付ける事になる。
 そして身体全体を締め付けられていると言う事は、『衣服の下で轟いている触手を肌に強く押し付ける』という事となり、壮絶なくすぐったさがナナミの体で巻き起こると言う事となる。

「やだっっやっっっやぁああああああああああっ!! あひゃはっははっははははははは!! あはははは!! あはははははははははははははははははははは!! ちょっっむりひっひひひ!! 待ってっっ!! まってえええええええええええええ!! おしつっっんっくひっひひひひ!! ひひゃぁあああああははははッはははっははははははッはははははは!! 押しつけないでえええええええええええええ!! いやははっははははははははは!! イヤあああああああああ!!」

 目をカッと見開いたかと思うと、今までよりも大きな声量で笑い声を上げるナナミ。
 よっぽどくすぐったいのだろう。彼女の腕をヒレを掴んでいる触手からは今まで以上にギシギシという何か軋む音が聞こえ、首は先ほどよりも激しく振られており、口からは何度もやめてという声が笑い声と一緒に放出された。

「触手がっっやっっ触手がぁぁっははっははっはははははははっはっはははっははははっはははは!! きっつひひひっひひひひいいい!! やめてええええええ!! やひゃははははっはっははははははは!!」

 彼女の衣服の中では、肌に押しつけられた触手がモゾモゾと彼女の皮膚を苛めていた。
 腋の下やわき腹、お腹はもちろん、背中や首筋、太股やお尻にヒレ、果てはブラに包まれた二つの大きな膨らみや、ストライプのショーツが守る秘境までもが、触手の餌食となっていた。  

「ひぃいん! ひぁああああっっあひゃははははっはははははっはああははは!! はっはぁあぁああああん!! やっっおっぱいくすぐっちゃらめへっへへへへへへ!! らめええええ!! んあぁあっっあひゃはっはははっははははは!! あっはははははは!!」

 胸や秘部を擽られた事によって、ナナミの笑い声の中に甘い声が入り始める。
 が、まだ下着越しでの刺激であった為、ナナミは気持ち良さよりもくすぐったいと感じてしまっていたが、それでもやはり性感帯は性感帯、所々に嬌声が入り混じる。

「もっっやぁあああはっははっははははっはははははははは!! はぁあああ! もっっげんかっっふふぁああああはっはっはっはっはっははっははっはあはっはははははあははは!! もう限界よ~~~~~~~~~!! やめてやめっっんぁっくぁぁああああ!! やめへっへへへへへへへ!! ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」

 きゃはきゃはと笑い、身悶えるナナミの姿を見て、そろそろ弱ってきたかと判断したイソギンチャクはさらなる行動を、もとい、イソギンチャクがナナミを捕まえた本来の目的である食事を開始する。
 まずは最初の作業として、イソギンチャクの頭上で悶えるナナミを、ゆっくりと自身の元へと引っ張り始めた。

「あひゃはははははは! んぁああああああ!! っっふぁあああ!? ひっひっぱられてっっくひゃはっははっははははっははっははははははははは!!」

 そのままゆっくりと怯える彼女を自分の元へと引き寄せて行き、丁度自分のほぼ真上にまで彼女を持って来た時、イソギンチャクは次なる行動を開始した。
 グワッ!! っと、嫌な音を立てながら、イソギンチャクの頭の部分、つまりナナミの真下の部分が四方に割れたのだ。
 その割れた部分から姿を現すのは、見るのも嫌になりそうな程にびっしりと生えている無数の突起物。それがウネウネと気持ち悪く轟いている様子だった。

「まっっまさかっっまさかぁあああははっはっははっははははっははははははは!! 無理!! ぜったいっっむりひひひひひひひひひひ!! あんなの無理よぉほっほほほほほっほほほほっほほほ!! 耐えれるわけっっないっっんはぁあははっははっははっははっはははははははは!! 死んじゃう!! 今度こそ死んじゃうってばぁあああああああ!! あははっははははっははっははっはははははははははは!!」

 イソギンチャクの内部で轟く無数の白い突起物は、まるで獲物が来るのが待ち遠しいかのように上下左右にゆらゆらと蠢いていた。
 それを見て、ナナミは発狂したかのような叫び声を上げ、身体をこれでもかと言わんばかりに捩り、何とかして逃げようとする。しかし、そんな叫びも虚しく、そんな努力も儚く、ナナミの体はどんどんとイソギンチャクの内部へと引きずり込まれていく。

「いやっっっ!! いやっっっ!! いやああああああああああああ!! あんなのに食べられたくないいいいいいいいっっいひひひひひっひひひひっっひひゃははっははっははははははははは!!  イヤッッイヤッッ!! 食べないで!! お願い!! お願いだからあああああああああああああああ!!」

 唯一動かせる首を、イヤイヤをするように動かす。が、既にヒレの部分は内部へと引き込まれており、今も身体が徐々にイソギンチャクの中へと引きずり込まれている。太股、お腹、胸と、どんどん身体がズブズブと沈み、ついには頭までもがイソギンチャクの中へと引きづり込まれた。
人魚の頭までを収納したと確認したイソギンチャクは、開いていた頭をゆっくりと閉じ、彼女の逃げ場を閉ざした。同時に、内部で轟いていた突起が、引きづり込まれている部分を待ってましたと言わんばかりに徹底的にくすぐり始めた。

「あっっあっっっ!! あぁあああああああああああああああああああああ!!」

「~~~~~~~~~~~~~ひぎゃははははっははははははっははははははっはははは!! ちょっっキツっっむひっひひひっひひひひひ!! しぬっっっ!! しぬしぬしぬぅうううううううう!! こんなのっっしんじゃははっはっははっはははははっははははははは!! しんじゃう~~~~~~~~~~~!!」

 それは、先程までの触手責めや、小魚達との接触が、単なるお遊びだと認識してしまうぐらいに激しいくすぐりだった。
 びっしりと埋め尽くされた突起物に、それこそ文字通りの意味で全身をくすぐられるナナミ。
 そのあまりの刺激に、ナナミは大きな悲鳴を上げたかと思った直後、獣のような笑い声を吐きだし始めた。

「ぐひゃはははっははははははははははは!! だめっっっあぁああああああ!! びゃあははははっははっははははっはははははははは!! ふひゃはははははははっははっははははは!! く、くるう!! こんなの私くるっちゃうううううう!! あぎゃははははあははっはあははははっはははっははははははははは!!」

 触手の時とは違い、衣服の上からでのくすぐり、しかし、そのくすぐったさは中に入り込んでいた触手よりも圧倒的にくすぐったさが上であった。
 それだけでも地獄なのに、彼女が味わう本当の地獄はまだまだこれからである。
 まず一つに、イソギンチャクは彼女の頭が入った瞬間とほぼ同時に口を閉ざしたのだ。その時、ナナミは腕をヒレの尾を掴まれたエビ反り姿勢のままだった。そして口を閉めてから腕とヒレを捕らえていた触手を離したのである。
 つまり、この事からイソギンチャクの口が閉まった時、彼女の腕、正確に言うと肘より上は、ナナミの頭より上の位置にあったのである。
 その事から察すると、彼女の肘から上はイソギンチャクの体外にあると言う事を意味しており、また、腕を万歳状態のまま半ば反拘束状態で動けなくなっていると言う事でもあった。
 それは、彼女の身体全てが完全なるノーガード、全くの無防備である事を意味しており、また腋の下が大々的に広げられている事を表してもいた。
 そんな女の子の弱点を大げさに晒しているのを、突起物は見逃すはずもない。突起物はすぐさま全身に群がり、全くガード出来ず、僅かに身体をくねらせることしか出来ない上半身を、そのおおっぴらに露わとなっている腋の下を、好きなように蹂躙し始めた。

「~~~~~~~~~~~~~~~~!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!! ひぅ!! あっぁっっあ~~~~~~~~~~~~~~~~!! あははっははははは!! あははははははは!! あはははははははははははは!! あはっはははははははっははははははははははははあはははっはは!! いやああああああ!!! わきっっわきがあああああああああ!! ああっあああああああああ!! ぐぎゃははっははははははははははははははっはははは!! やめえええ!! やめやめえええ!! んひゃははっははははっははっははははははははははははあ!! やめてええええええええええええええええええええええ!!」

 グリグリウネウネグチョグチョと嫌らしい音を立てながら腋の下を襲う突起物と、グニュグニュと轟きながら身体全体を襲う悪魔のような突起物。その刺激に半狂乱になって悶え狂うナナミ。だが、まだまだこれは序の口なのだ。地獄はまだ門を開けただけ、ナナミはまだその中を歩いてはいないのだ。
 当然、ナナミは歩きたくはないだろう。出来る事ならこの門を閉ざし、この場所から引き返したいと心から思ってる筈だろう。
 しかし、そんなことは出来ないのだ。ナナミは無理やりにでも中を歩かされる道しか残されていないのだ。
 そして、くすぐり地獄の第二章が始まった。彼女を容赦なくくすぐる突起物から、ドロリと、粘り気のある透明の液体が滲みだし、その突起物から分泌した液体を彼女にくすぐりながらなすりつけ始める。

「あぁあああああ!! ぶひゃはっははっはっはははははははははは!! あっああああああああ!! にゅるにゅるがっっにゅるにゅるがぁあああああああ!! あっははっはっははははははは!! あははははははは!! くすっっくすぐったいいいいいいいいいい!! くすぐったすぎひっひひいひひひひ!! いやっいやあああああああああ!!」

 そのにゅるりとした刺激がとてもくすぐったいのか、ナナミは面白いように身体をビクンと震わし、淫靡に腰を振って身悶えた。と言っても、イソギンチャクの内部は狭く、また突起によって体中を嬲られている為、それほど激しく動かす事は出来なかったのだが。

「にゅるにゅるやだ!! こんなのやだははっははっはははははははははははははははははは!! いやぁあああああああ!! にゅるにゅるだすのやめっっっやめええええええええええ!! いひゃっはっはっははははっはあっははははっははははははは!! よしてへへっへへへへへへへえへへへへ!! ぐひゃぁ~~~~~~~~~~~!!」

 突起物から分泌され始めた不気味な透明色の液体は、くすぐったさを増幅させるために出した物、と、ナナミは勘違いをした。確かに、この液体によって彼女の体に滑り気が生じ、くすぐったさが増長されたかもしれないが、それは副次的な効果でしかない。
 この液体の本来の目的を行うためには、液体が対象に染み込んでからしばしの時間を必要とするのだ。だからナナミはこの液体がもたらす本当の意味に気付いていなかった。
 そして、間もなくして本当の効果が現れる。この液体の本来の目的。それは、着衣の溶解であった。

「ひぃいい!? いっっいやぁあああああああ!! あひゃはっははっはっははははははははははは!! そんなっっ服がっっ服がぁ~~~~~~~~~~!! っっっっあひゃははっはははははは!! あっははっははははははは!! あははははは! ぶひゃはっはっはっははははははっははははははは!! あっっダメええええ!!! だめだめだっっっあひゃぁあああああああああはっはっはははっははっはははははははははははははははは!! 無理っっ本当にこれはっっっこれだけはぁあああああああああ!!」

 自分の服が無くなっていく様を間近で目撃してしまったナナミは、泣きそうな声で悲痛な叫び声を上げた。だが、一度効果を発揮し始めた液体は、みるみる内に彼女の衣服だけを溶かしていく。
 初めはブレザーに所々に拳大の穴が生じた。その事実にナナミが気付いた時には既にブレザーは原型を無くしており、最早衣服とは呼べなくなっていた。
それに驚いていると、あっという間にワイシャツが姿を留めなくなり、ワイシャツが隠していた透き通る異様な白い素肌と、彼女のたわわな胸を覆い隠す下着が瞬く間に露わになった。
思わず視線を太股に移す。すると、そこには本来あるべき筈のニ―ソックスとチェックのミニスカートがいつの間にか消失しており、唯一あったのは申し訳程度に面影を残す青と白のストライプのショーツだけであり、その麗しい太股も、柔らかい丸いお尻も公の場に晒されており、彼女の下半身を覆う物はほぼないと言っていい状況だった。
その様子を見て悲鳴を上げていると、上半身を覆う唯一の布であった白色のブラが溶けて消え、ナナミの豊満な胸が衣服の殻を破って姿を表す。
無我夢中で胸を隠したかったが、腕は頭上で拘束されているため、自分の恥ずかしい所を隠す事は遂に叶わなかった。そして、そんな無駄な努力をしている間に、申し訳程度に残されたストライプのパンツも溶解液によって溶かされ、遂に彼女の肌を覆う物が何一つなくなってしまう。
そして、自分の身を僅かながらにでも守ってくれる衣服を失った彼女の元に、無数の突起物が襲いかかり、想像を絶するくすぐったさを与えてくる。

「あはっははははははは!! あはははは!! ぎゃははははははははははははっ!! やめてえええええええ!! くすぐったあああああああああああああい!! あ、頭がおかしくなるふっふふふふふふふふ!! ぐひゃぁぁあああっはっはっはっははははははははははは!! いひゃははっははははあ!! いやっっいやあああああああああ!! いやぁああああああああああああっはあっはははっははははははははははははははははっはあはははあはははは!!」

 衣服の上からでも死ぬほどくすぐったかったのに、今度は衣服がない状態で、しかも腕を使っての防御手段がない状態で、おまけに溶解液によって触手と肌の滑りが良くなった状態で、頬を、耳の側面を、首筋を、二の腕を、脇の下を、脇腹を、胸を、その頂きにある桃色の粒を、お腹を、背中と背筋を、腰を、お尻を、太股を、それこそ徹底的にくすぐられた。

「んぁああああっははっははっはははははははははは!! やめてええ!! きゃっはぁぁあああああああっはっははっははははははははははは!! あっっおっぱいっっあふひひひひひっひひひっひひひ!! くぁぁあああ!! あっあぁ!! あぁあ~~~~~~~~~~!!」
 一際高い嬌声を上げたかと思うと、ガックリとナナミは項垂れた。股間と胸に直接襲いかかった信じがたい刺激に、ナナミは限界に達してしまったのだ。しかし、イソギンチャクの責めは未だ終わる事を見せなかった。突起物は、余韻に浸ろうとしている彼女を擽って無理やり覚醒させ、さらに悶えさせる

「あぎゃははははッはははははははは!! そっっそんなぁあああああああああ!! んひゃぁああっはっはっはははははっははははははは!! し、しんじゃううううううううううう!! あっははっははははっははっははっはははははははははははは!! こんどこそっっっこんどこそしんじゃうよぉおおおおおおおおお!! んぎゃはっはははははははははははははは!! ひひゃはっはははは!! あはははははははあはは!! ふああぁああああああああ!! やだっっやだっあああああああああああああ!! あひゃはっははっははっははははっはははははははは!! ぁああああああああああああああああああ!!」

 今度こそ死ぬ! 笑いに思考のほぼ全てを奪われながらも、残った僅かばかりの正常な思考能力を使って考えた結果、ナナミは本気でそう思った。このまま笑い続けて、窒息して死ぬんだと、ナナミは半ば直感ながらも、自分の死を予感した。

「もうだめええ!! もうだめっっあぁああああああ!! あはっはっははははは…………!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!! ~~~~~~~~~~~~~~~~…………!! ……………………!! ……………………! …………………………………………………………。……………………………………………………………………………………………………」

体中から襲う地獄よりも辛いくすぐったさに、彼女は叫ぶ事も、笑う事すら出来ない状態に陥った。
そして、あまりのくすぐったさに気絶しかけているのか、意識が朦朧とし始めてもいた。その薄れ行く意識の中で、ナナミはここで意識を失えばもう目覚める事はないだろうと感じていた。だが、このくすぐり地獄から解放されるなら、それでいいかとも思っていた。
そうなると、唯一の心残りは、イズミとシズクの二人であったが、彼女達なら大丈夫だろうと、楽観的に決めたナナミは、これ以上自分の意思で意識を保つ事を止め、色が薄れ、辺りの景色が消えていく感覚に身を任せた。
だが、その思いは妨害される事となった。 突然、ゴガァァン!! と、何かが追突したかのような大きな音が内部に響いたと同時、彼女の体が大きく横に動き、イソギンチャクの壁に激突したからだ。
その衝撃で意識を僅かに取り戻し、ぼんやりとうつろな目をした状態で何があったのかを知ろうとしたその刹那、ナナミの腕が何者かに掴まれた。彼女がその感触を、誰か自分のような腕だなぁとやんわりと実感したと同時、イソギンチャクに捕らわれていた彼女の体が大きく上に上昇した。



「…………はぁ…………。……………………はぁ……、や、やっと解放されたよ………………。はぁ…………」
時は五分程戻る。
小魚達の食事に延々と付きあわされたイズミだったが、食べる部分が無くなったのか、それとも全匹に腹が満たされたのかはしらないが、とにかく彼等はイズミの体から離れたのだ。これによって、小魚達によって幾多の絶頂と失禁を繰り返していたイズミは、ようやくにして小魚達から解放された。
それから約二分間の間、彼女は体力等を回復するために、ぷかぷかと水中を力なく漂った。
この海域において、その行為は危険だったのだが、彼女に幸運が訪れたのか、無防備で無警戒状態のイズミを襲う生物は奇跡的に現れなかった。
それにより、彼女は身体をある程度落ち着かせていた時に、ソレは聞こえた。

「あっっあ~~~~~~~~~~~~~!! やめっっそこはやめてくださっっんぁああああ!! ひぁああああああああ!!」
 
 その声が聞こえた瞬間、ハッ! とイズミは目を見開き、それまでぷかぷかと漂わせていた身体をいつでも泳げるように姿勢を正し、声が聞こえてきた方向を入念に探っていく。

「いやっっ! おねがいっっおねがいですからっっんひゃはははっははははははははっはっっっはぁぁあああ!! やっやめて~~~~~~~!!」

 もう一度イズミの耳に入った聞き覚えのある声、その声のした方向へと、イズミは素早く泳ぎ出した。友を助ける為に。
(シズク…………! 待ってて! 直ぐ助けるから!!)



「あぁあああああ!! やっっやめえええ!! そんな所に足をのばさなっっはぁああぁあ~~~~~~~~~~!!  やっっやめてくださっっんぁああ!! ひゃぁははっはっははっははははっははははははは!! はっはぁぁぁああああ!!」
 
 現在、シズクはタコとイカによる性感責めを受けていた。
 タコは背後から二つの豊かな胸とピンと主張している桃色の出っ張りを吸盤や足の先端で器用に責め抜いていた。
  時にはシュルシュルと乳房を縛るように巻きつけて刺激したり、乳房に吸盤を張り付け、それを外すことで生じる気持ちいい感覚を味あわせたりして楽しんでいた。

「ふぁぁあああああん!! いやっっあぁああ!! ふぁあああぁあああ!! んあぁあははっはっははっはははははははははぁぁあん!! らめれふららひぃ~~~~!! いひゃぁぁああん!!」

 一方、イカは前面から、彼女のプルンとしたお尻と、毛一つ生えていない一本筋を十本もの足で苛め抜いていた。
 お尻の穴に優しく足を入れたり、愛液によって濡れた下着越しに筋を撫でさすったかと思えば、直接くすぐるように触ってきたりと、かなり陰険な責め方であった。

「ひゃぁあああっっひゃっひゃひゃはっははっはははははは! んっ~~~~~~!! あっっあっっっ! やっん! ひぃっっひぃいあぁああああ!!」  
 

イカとタコの責め、そのどちらもが、シズクにはたまらなく苦しい物であった。荒い息を吐き、敏感な所を弄られる度に、大人っぽい扇情的な嬌声が口から漏れ出す。その刺激に耐え切れずに、思わず両手で塞ぎたくなったが、その両手はタコの足二本によって後ろ手に纏められて動かす事が出来なくなっていた。
これによって、シズクは何も抵抗が出来ないまま、快楽への階段を駆け上ることしか出来なくされていたのだ。
だが、それでは面白くないと思ったのか、背後で胸を弄んでいたタコは、足の一本を口元に持っていき、彼女の喘ぎ声を発し続ける口へとその足を押し込んだのだ。

「むぐ!? むっっっむぐぐぐうぐぐうぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!! ぐっぐぐ~~~~~~~~~~~~~!!」
(はっあぁああ!? やっっやめてくださっっ!! やっやぁああああああ!! あ、あしいいいい!! 抜いてっっぬいてくださいいいいいいいいいいい!!) 
 
 タコの足を無理やり入れられた所為で、くぐもった声しかシズクは上げられなくなった。その様子を見て、タコは再び二本の足で性感責めを、残りの二本で、彼女の腋の下等を徐にくすぐり始めた。

「もがっっふぐうう!? ふっふぐぐっぐっぐぐぐぐぐぐ!! ぐっむぐうううううううう!!! むっっっむううううううううう!! ふぐぐっぐぐぐぐぐ!! んぐぐぐっんぐううううううううううううううう!!」

 その刺激がくすぐったくて思わず笑いだすシズクであったが、口の中に足を入れられている為に上手く声を発生する事が出来ない。

「もごぁっっんふふふふふっふふふう!! んぐぐっぐぐぐぐぐぐ!! もがっもがが!! むむうううううううううううううう!! もごぉっ!!」

 タコの足は、シズクがえづかない、かつ口で息を吐く事しか出来ない絶妙な位置で静止しており、シズクを文字通り苦しめた。
 抜こうにも、手は塞がれており抜く事が出来ず、タコの足を抜く事が出来ずに彼女はくすぐりと性感責めに悶え続ける。

「むうっふふっふふふふふふふっふふふふふ!! ふぐぐぐぐぐぐぐうぐぐぐぐうぐぐぐぐぐぐ!! むふ! ふぐううう!!」

 腋の下をくすぐられ、胸をタコ足で掴まれ、乳首をタコ足の先端で転がされ、お尻を撫でられ、股間の筋に沿ってイカの細い足を這わされる。そのどれもが、気持ち良く、またとてつもなくくすぐったい。

「ふぎゅひゅふふふっふっふっふっふふふふふ!! んふっっんふっっんふうううううううううううう!! もがっっもがあああああああああああああ!! ん、ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~!! ふふっふっふふふっふふふふふっふっふふふふふふふふ!! ふぐうううううううううううううううう!! うぐっぐぐぐぐぐぐぐぐ!!! ぐひゅふふふふふ~~~~~~~~~~~~~~~!! 」

 くすぐったさと気持ちよさと、タコの足を無理やり入れられた事によって、頬を赤くし、涙目のシズクの表情は色っぽいとしか表現できない。

「もごっっもごもごっっもご~~~~~~~~~~~~~!! んぐぐっぐぐぐっぐぐぐ!! むひゅひゅひゅふっふっふふっふっふふふふっふっふふふふ!! ふぐっふぐっっっふううううううう!! ぐふふふっふふっふふふふふふふ!! むぅぅうううううううううううう!!」 

 胸を押さえつけ、タコの足を追い出したいのか、股間を苛める足を何とかしたいのか、それとも口にねじ込まれたタコ足を抜きたいのか、タコの足二本で拘束しているシズクの腕がグッグッと、逃げだそうとしていた。だが、そうはさせまいと、タコは拘束を強め、その戒めとばかりに、胸の刺激と脇のくすぐりを強める。

「ふっっふぐぐぐぐううう!? むひゅひゅふふっふふふふっふふっふっふっふふふふふ!! ふごっっもがぁあ!!  もごもごっっっふごぉ~~~~~~~~~~!! んぐぐっぐぐっぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!! ふぐっっっっぐ~~~~~~~!!」

 その強くなった責めに、シズクはくぐもりながらも声を大にして悶えた。その強くなったタコの責めに合わせるように、イカも下半身へのくすぐり性感責めを強めていく。

「ぐっっんぐぐぐ~~~~~~~~!! んふっふふっふふふふふふふふ!! ふぐっっぐふふふふ!! んむ~~~~~~~~~~~~~~~!! んぐふふふふふふふふふ!! っっむふううううううううううううううううう!!」 

 股間への責めが耐えられないのか、それとも限界が近いのか、シズクは首を左右に振ってイヤイヤ、もしくはこれ以上はやめてとジェスチャーを送ってみるが、その行為はタコとイカの嗜虐心を煽り、責めを悪戯に強めるだけにしかならなかった。

「ふごっっふごぉっっっっんふふっふふふふふふふ! むふぅうぅうううううううううう!! もがっっ!! もがっっんぐふふっふっふふっふっふふふっふふふふ!!」

 もう限界なのか、シズクの黒のショーツからは愛液がトロトロと溢れ、乳首がビン! っと激しく主張する。
 それを足触りで感じたイカとタコは、最後の仕上げに入る。
タコは吸盤を乳首にくっつけて、力任せに引っ張り、イカはお尻の穴にスプッと足の一本を挿し、足の一本を、前の一本筋をなぞるように合わせ、全体を軽く押し込み、彼女を絶頂に追いやった。

「ふぐうううう!? ふぐっふぐっっふぐふぐっっぅふぐうううううふっふふふふふふふふっふふふっふふふふふふ!! んぐっっっぐっっっぐぐふふふふふふふっふふっふふふふ! むひゅっむひゅふふっふふふっふふふふふっふふふふふふふふふふ!!! んっ! ん!! んんんんん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」

 それが最後の押し上げになったのか、シズクは身体を出来るだけエビのように反らせ、口からくぐもった嬌声を大きく上げながら絶頂に至った。
 シズクはそのまま力なく項垂れ、絶頂の余韻に浸りたいと考えていたが、シズクに張り付いている二匹はそれを良しとしなかった。

「ふぎゅうう!!? ふごっっふごおおおおおおおおおおお!! んぐふふふっふふふっふふふ!! ごぼっっんひゅふふっふふふふ!! ふふぅうううううううううううううう!! んっんふふっふふふ!! ぐぐぅうううううううううううう!!」

 数秒の時を待たずして、再び行われ始めた性感くすぐり責め、その終わらない責めに、シズクは再びくぐもった声で悶え始める。
 もうダメか、と、シズクは半ば自分の人生を諦めていた時。その声は聞こえた。

「………………っっっ!! シズクをッッ!! はなせぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッッ!!!!」

 そんな声が聞こえてきたと同時、シズクは視線を声の方に向けた。
 そこでシズクが見た物は、喧騒の表情を浮かべたイズミが、猛スピードでこちらの方へ向かってくる姿だった。
 



「っっぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 タコとイカに挟まれて、くぐもった声を上げるシズクの姿を発見したイズミは、真っ直ぐにシズクの元へと向かっていった。
 向かっている今もシズクはタコとイカの二匹に色々な所を責められているのか、身体をクネクネと震わしながら悶えていた。その様子を見て、ますます彼女は泳ぐスピードを上げた。
(待ってて! シズク! 後少しだけ! 後数秒だけ!!)
 そしてそのスピードのまま、減速する事無くシズクの体へと急接近する。そのままシズクの直ぐ真横を通り過ぎた瞬間、イズミは右手でイカを、左手でタコをそれぞれ掴み、シズクの元から速さを利用して強引に彼女の体から引き剥がした。
イカとタコを掴んだイズミは、その速度を保ったまま彼女の元を離れる。
 
「ぶはっっ!! はぁっっ! はぁっっっ!!!」
 後ろの方でシズクが荒い息をするのが聞こえた。それを聞いたイズミは、心の底から安堵する。そして、徐々に速度を落としやがて静止したかと思うと、彼女が両手に掴んでいるタコとイカを、それぞれ自分の体に強く押し当てた。

「ほら!! 私の体はシズクと違って綺麗だよ!! 遊ぶなら私の体で遊べばいい!! 今なら身体だって出来上がってるよ!!」

 小魚達によって、身体を綺麗にされた事を逆に餌として、イカとタコとを引きとめるイズミ。確かに、今ここでこの二匹を投げ出す事は簡単なことだったが、それをすれば、この二匹は未だ息を整えるシズクの元へとまた向かってしまう。それだけは阻止しなければならないと考えたイズミの、苦肉の策だった。
 すなわち、自分の体を餌にしての、シズクの体力回復と逃亡の時間稼ぎ。
 そしてイズミの思惑通り、引き剥がされた事に憤慨を覚えたのか、イカとタコはイズミの衣服の中へとしゅるしゅると容赦なしに足を送り込み、入れた足をクネクネと轟かせ、イズミを責め立てた。

「そっっうっっんふっふっふふふふふふふ!! そっっれでっっっ!!! いっいひっひひひひひひ!! いいの…………!! くふぅうううううう!!」 
(怖くない…………!! こんなの怖くない!! さっきまであの魚達に同じことをやられてたんだから! 怖くなんて…………怖くなんて……、ないん…………だから…………!!!)

 嘘だ、本当は凄く怖かった。だけど、今ここでコイツ等を逃がす訳には行かない。もう既にシズクは限界だ。これ以上何かされたら本当に壊れてしまう。そんな危惧があったからこそ、イズミはその恐怖を必死に押し殺して、イカとタコの責めを受け入れたのだ。
「イズミさん!!」
 自分を心配するような声が聞こえて来て、おもわずそちらの方へイズミは視線を移す。
その視線の先にいたのは、既に限界の筈なのに、身体がプルプルと震え悲鳴をあげているのが、少し遠くから見ているだけでも分かるのに、それでも必死に体を動かして、こちらへと一心に向かってくるシズクの姿があった。 

「シ、ズク…………んふっふふふっふふふふ!! わ、私がこいつらを押さえつけてるからっっはやくっはやっっひひゃぁあああああああ!! んひっひっひっひひっひひひひ!! 逃げてっっにげっっあふっふふふふふふ!! くふぅうう!! ん、ぁっっ! ここからにげてえええええ!! くっっあひひっひひひひひひひ!!」

「イズミさん!! 待ってて下さい、直ぐに助けますから!!」
 そのイズミの促しを無視して、シズクはイズミの元へ辿りついたかと思うと、すぐさま彼女の体に足を這わせているタコを両手で引き剥がそうとする。
 しかし、先程の海の生物で最速を誇る人魚の最高速を利用して、やっと強引に引き剥がせたイカとタコを、自分の力だけで引き剥がす事は不可能であり、事実シズクは、どれだけ力を込めてもイズミから彼等を引き剥がす事が出来なかった。

「私はだいじょうっっきゃひひひっひっひひひひひひ!! 大丈夫だから……! おねがいっっあくっくっくっくくくくくくくくく! はやくここからにげっっんああ!! くふっふっふっふっふっふふふふ!! お願い…………早く! ひぁああああああん!!」

そんなことはしなくていいから、早くここから逃げてと、イカとタコの責めに苛まされながらも、シズクを軽くトンと右手で押し出し、くすぐったさから生まれた物とは違う自然な笑みを無理やりに作り、安心して逃げてと促す。
 その言葉と行動を見たシズクは、一瞬悲壮な表情をしたかと思うと、踵を翻し、足早にイズミの元から去って行った。

「そうっ……、それでっっいい…………!! んあぁあああ!! ひゃっっひゃぁああああ!! あっあっっあはっははっははっはははははは! あはははっははははははははは!! ひっっひぁああああ!! んぁああああ!! くっっくぁああ!! あひゃあああああっはっはっはっはっははっはっはっははははははははははっははは!」

 シズクがここから去った事に安堵し、心の防御を緩めたのか、それともイカとタコの責めが激しくなったのかは分からないが、シズクが去ってから、イズミは口を開いて笑い出した。

「もうだめっっあはっはっはっはははははははっはははっはははははははは!! んにゃはっはっはっはっははははははははははは!! あははは!! くひゃぁあああっはっははははっはっははははははははははっははははは!!」

 イカとタコは、彼女の腹部で密集するかのように張り付き、それぞれの足で、腋の下や、ヒレ、腹部やわき腹と言った箇所を責め抜いていた。
 その動きは鬱憤を晴らすかのように激しく本来は数秒たりとも耐えられるものではなかったが、イズミのシズクを心配させない為にという最大の我慢により、彼女は実に数十秒近く耐え忍んでいたが、それも今は崩壊し、ただただくすぐったさにに笑う少女と化していた。

「はっっはげしっひっひっひひひっひひひひひひ!! 激しすぎだってへっへっへへへへへへへへ!! あひゃははっははははははっははははははは!! あはっははっはははははははあっははははは!! ははははは!! あはははははははは!!」

 このまま自分はコイツ等の玩具になってしまうのだろうか、そう考えると恐怖が滲み出てきたが、シズクが助かるのならそれでいいかともイズミは思った。
 だが、彼女の地獄は終わりを告げる事となる。
 バヂィ!! と、突如耳に激しい衝突音が響き、その音に疑問を感じる前に、自分をくすぐっていたイカとタコが自分の体から離れた感触がしたのだ。
 何が何だから分からぬうちに、パタリと止まったくすぐったい刺激、その原因を探るべく、今までくすぐったさに閉じていた目をうっすらと開く。そこには。
「もう大丈夫ですよ、イズミさん」
 ニコニコと笑みを浮かべながら、悪夢は全て終わったと優しく告げる彼女達のリーダーの姿があった。



「シズク…………? 何で……逃げてって言ったのに!」
 何で帰って来たのかと、どうして戻ってきてしまったのかと、イズミは助かった事よりも、先にそちらの方を叫弾した。
「私は大丈夫って……ひぐっ! 言った………グス…のにぃ……! どうして、帰ってきちゃったのさ~~~~~~……えぐっ」
 だけど、助かった事が嬉しいのか、助けに来てくれた事が嬉しいのか、最初は叫んでいた声の中に、だんだんと涙声が混ざり始める。
「私は友達を見捨てる白状な子ではありませんよ、イズミさん。…………怖かったでしょう、自分からあんなのに飛び込むなんて……。でも、もう安心ですよ。彼等は当分ロクに動けないでしょうから」
 ふいっと、シズクは視線をどこかに移し、イズミがその方向を見やる。すると、そこには先程まで自分を苦しめていたタコとイカが、気絶でもしているのか仲良く水中を力なく漂っている姿があった。
「先程のイズミさんの行動を踏習させて貰いました。そのためには少しだけイズミさんの許を離れなければならなったのですが……ごめんなさい、怖い思いをさせてしまいましたね」
 つまりこう言う事だ。自力では引き剥がせない、ならばどうすればイズミを助けられるかと考えた時に、先程イズミが自分を助ける為に、人魚の速度を生かして強引に引き剥がした事を思い出し、ならばそうすれば助けられると判断したシズクも、その速度を利用するために、一旦彼女から離れ、助走をつけ、海の生物最高速度を誇る人魚の、膝下からあるヒレを思いっきりタコとイカへとぶつけたのだ。
 その衝突は、タコとイカの意識を奪い取るには充分な力であり、結果、イズミを救い出す事が出来たと言う訳である
幸いだったのは、イカとタコがほぼ同じ場所でイズミをくすぐっていた事。これによって、一回で二匹を同時に引き剥がし、気絶させる事が出来た。これが一匹ずつだと、また結果が違っていたかもしれない。が、今となってはそんなことはどうでもいい。たらればの話はしなくていいだろう。
「うんうん……、怖くなんて…………なかったよ…………全然、怖くなんて…………怖くなんて…………」
 涙目でそう言うイズミの姿を見て、シズクはそっと彼女の側へと近寄り、ギュッと守るように抱きしめた。
 それが、堤防の崩壊だった。
「うう…………ううぅ!! うわぁぁぁああああん!! 怖かった…………!! 本当は凄く怖かったよぉおお!! ひぐっっひぐっっっ!! ぁぁああああああん!! 助けてくれてっっありがとうっっぁぁぁああぁああああああああんんんんん!!」
 今までの我慢を全て洗い流すように、イズミの瞳からとめどなく涙があふれ、口から泣き声が辺りに響く。
 それを見たシズクは、彼女のショートヘアーの頭を優しく撫でる。ここが安全だと、示すように。



「あの~~……イズミさん? そろそろ離れていただかないと、というか、ナナミさんを探さないと…………」
 あれから実に一分以上もの間、イズミはナナミの腕の中で泣きじゃくっていた。
 そりゃまあ、今までの事を鑑みれば、これぐらいの事は当たり前の範疇かもしれないし、自分だってもっと慰めていたいのは山々なのだが、一応この海域でこれほど長時間長い事同じ場所に留まって、しかも大声で叫んでいるという状況は、非常によろしくない。それでいて、まだ助けなければいけない友人がまだいるのだ。おそらく彼女も自分達と同じ目にあっているのだろうと容易に推測出来たシズクは、そろそろ捜索をしなければならないから泣きやんで下さいと告げる。
「も、もうちょっとだけ……」
 が、これである。この反応である。今までとのギャップである。これまでボーイッシュのキャラを貫いていただけに、この弱気な感じはシズクも可愛らしいと感じるが、今は要らない。そんなギャップよりも普段の彼女に戻って欲しいとシズクは切に願った。
「あの、ナナミさんを見つけたら、また抱きしめてあげますから、ね?」
 だから今は離れましょう。と、優しく説き伏せるシズク。その言葉にしぶしぶとイズミは了承し、シズクから離れる。
 そして、イズミ救出から実に三分もの時間を経て、ようやくナナミ探しに移行する事が出来たのである。
 ちなみに、三分前、イズミが救出された直後にナナミを捜索していれば、ナナミがイソギンチャクに食べられる前に救い出す事が出来たと言う事は誰も知らない秘密である。


「ねえ、あれって多分……」
「はい、……多分ナナミさんの…………腕、ですね」
 イズミの駄々っ子騒動から気持ちを切り替え、真剣にナナミの姿を探していた二人が見つけたのは、何やら白いイソギンチャクらしき物の頭から、何か腕みたいなものが生えてるという奇妙な生き物の姿だった。
 しかし、そんな奇妙な生き物など存在する訳がなく。おまけに二人はナナミが白い触手に捕らえられたのも目撃しているし、シズクに至っては、イソギンチャクにくすぐられている姿すら目撃しているため、あの腕の正体を容易に推測する事が出来た。
「ま、まずいんじゃないの!? あれってナナミ食べられてるんじゃないの!?」
 事ここにきて、ようやくにして事態の深刻さをイズミは知る。
「まだ、食べられたと決まった訳ではありません! いいですか、私があのイソギンチャクに思いっ切りヒレをぶつけて、ナナミさんを食べてるであろう口を開かせますから、イズミさんは口が開いた瞬間を狙って、全力で腕を引っ張って下さい!」
「わ、分かった!」
 イズミが了承したのを見て、シズクは自分が打ち立てた作戦の実行に移る。
 ゴバァ! と、水を切る音を出しながら、シズクは人魚が出せる最高速度を出しながら、全力でイソギンチャクにヒレを振った。
 その衝撃は相当な物だったらしく。イソギンチャクは大きく横に傾き、その傾いた衝撃でナナミを閉じ込めていた口が開いたのである。そして、それをイズミは見逃さない。
 イズミはナナミの物であろう腕を掴むと、同じく人魚の最高速度を利用して、力任せに引っ張りだす。その力に引っ張られるように現れたのは、何故か全裸状態で髪を解いて癖毛のロングヘアーを周囲に晒すナナミの姿だった。
「えっええええええええええええ!?」
 突然現れた友人のあられも無い姿に、イズミは素っ頓狂な声を上げる。
 その声に意識を覚醒させたのか、うつろな目をしていたナナミの瞳に、光が灯ったかと思うと、突然ガバっ! と、イズミに抱き付いたのだ。
「イズミぃいいいいいいいいいい!! 怖かったよぉおおおおお!! もう死ぬかと思ったよぉおおおお!! うわああああああああああああああん!!」
「えっちょっっまっっえっ!? ええええええ!?」
 抱き付いた事もそうだが、急に泣き出したナナミに、シズクみたいな擁護スキルをあまり持ち合わせていないイズミは、ただただ混乱するしかなかった。
「ナナミさん、無事でよかった」
「ふええええええええん!! シズクも無事でよかったよおおおおお!! ぐすっっうわああああああああああああんんんんんん!!」
「では、ナナミさんの無事も確認できたことですし、早い所ここから抜けて、帰りましょうか。どちらにせよナナミさんがそんな姿では帰るしかありませんし」
「そうするうううううう!! 私もう帰りたいよぉおおおおおおおお!!」
「ねえっちょっといつまで抱き付いてんの! もういい加減離れたらいいじゃない!」

 そんなにぎやかな会話をしつつ、三人は人魚の速度をもって、自分達の故郷へと帰る帰路に付いた。



 数日後、人魚の里、その里のある家のある一室にて、

「きゃははははははっははははは!! ちょっナナミさん、きつっっんひゃはっはははははっはははははは!! やっっっやぁあああああ!! あっっあぁあああ!? イ、ズミさんふっふっふふふふふっふふ!! そ、そこはやらないって約束だったじゃないですっっきゃっはっはっははっははっはははははははは!! 約束だったじゃないですかああああああ!! やっあひゃあぁああっははははは!! あはははは! あははははははははははははは!!」

 そんな絶え間ないシズクの笑い声が部屋中に響いていた。
 ここはシズクの家。そのベッドの上にシズクは寝かされ、遊びに来ていたイズミとナナミの両名にくすぐられていたのだ。両手は頭上で紐の様な物で括られている為に、ロクな抵抗もできないまま、彼女はイズミとナナミがくりだす指のくすぐりに耐え切れず、その可愛い口から可愛い笑い声を吹き出してしまう。
「え~~~! 私がイソギンチャクに責められた時なんかは、もっとも~~~~~っとキツかったんですよ。これぐらいなんてことないくすぐりです」

「そんなっっそんなぁああっははっははははっははははははははははは!! 充分、充分きついですからぁああああああ!! あっはっははっははっははははっはははははは!! あひゃぁああああ!? イズミさんっっ腋はやめてへっへへへへへへへ!! 弱いっっそこだけは本当に弱いんですぅふふっふっふふふふふ!! ふひゃぁああっははっはははははははははははは!!」

 身体をフリフリと出来るだけ捩り、責めから逃げようとするが、その逃げられる範囲は極端に狭く、二人のくすぐりから逃げる事は出来なかった。
「腋は弱いのは知ってる、だからこそくすぐる意味があるんだって! ほらほらっ! 腋の下で円を描くようにくすぐるととってもくすぐったいでしょ? ほ~ら、指がどんどん中心に向かっていくよ~。中心の窪みをグリグリしちゃうよ~」

「あひゃぁあああっははっははははははははは!! そ、そんなことするのやめてくだっっさぁあああああああっはっはっはははははっははははあはははは!! あっあぁ~~~~~~!! やめてっっ窪みくすぐるのやめてえええええええ!! ぎゃははははははははははははは!! あははははっはっははははっはははははははははは! あぁああああああああああ!!」

 やめてと連呼するシズクであったが、その実本心ではそう思ってなどいなかった。では何故、肝心の問題である、くすぐりを受けているのか。
 それはこの前のあの海域でのくすぐり責めが原因であった。あそこで嫌になるほど、それこそ一生分のくすぐりを受けた彼女達は、人魚の里に帰って来た後、それぞれ自宅に戻り、自分の体の回復に努めていたのだが、どれだけ身体を休めても、何故かスッキリとしなかったのだ。
 スッキリしない感情を抱えたまま、翌日に集まった三人は、ひょんな会話から、昨日に起こったあの出来事をふと思い出し、それが自分達の体調不良の原因なのではないかと探り、試しに、本当に試しにと言う事で、お互いにくすぐり合って見る事にしたのだ。
 するとどうだろう。くすぐられてる時は苦しい以外の何物でもなかったのだが、いざ終わってみると、どこか満足したような感覚を手に入れていたのだ。それはシズクのみならず、ナナミやイズミもそうであった。
 以来、彼女達は事ある毎に、身体が不満を覚え始める度に、自分の体をくすぐってと残りのメンバーの二人にお願いするようになったのだ。
 当然、この行為の満足感を知っている二人は直ぐに了承し、ある程度の逃げる手段を奪ってから、予め決めた時間分、手加減なしにくすぐるようになった。
 そして、今日はシズクがくすぐってとお願いした為に、二人はシズクの家で、シズクの両手を縛り、くすぐっていたと言う事である。

「くっくすぐったぁあああいいいい!! やっっやぁああはっははっはあっははははははっははははっはあはははははははは!! くっくるしいですふっふっふふふっふふふふふふ!! ふ、二人ともっっもうちょっとだけっっ手加減っっ手加減ぉぉおっほほほほほっほほほほほ!! んひゃぁあはっはははっはははははは!! あはははは!! くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「だ~め」
「絶対に手加減しないから。安心して笑ってね」
「そっっそんなっっそんなぁああっははっははははははっははははっはははは!! あっもうだめっっもうだめへへへへへへへ!! あははははははは!! あひゃぁああっはっははははははっはっはっはははははははは!!」
 絶え間ないくすぐったさに笑うシズクであったが、その表情はとても幸せそうであった。








あとがき、

ここまで読んでくれてありがとうございました。

そしてお疲れ様でした。長かったですよね。一日で読み切ったなんて事はないですよね? しっかりと二、三日かけてゆっくりと呼んでここに到達したんですよね! ね?

…………ほうほう! しっかりと四日かけて読んだと! それは嬉しい事です! もっとゆっくり読んでいいのよ。

…………くだらない事は言わないでおきましょう。SSに戻ります

文字数六万以上、ページ数50P超 自分のどのSSよりもぶっちぎりの一位作品となりました。

さて、SSに入る前に書いたと思いますが、このSSはヴァンガードSSではありません! ヴァンガードのユニットを拝借したオリジナルSSと言う事を、ご理解しておいてください。

では、ここからあとがきらしい話でも。

今回のSSのコンセプトは、初見で四回賢者にさせる!! でした。それぐらい本気で書いた作品でした。

テーマについては、色々と詰め込み過ぎたので、意外と一つに絞ったテーマというのはありません。強いて言えば、ハッピーエンドを目指す! が、自分なりのテーマだったかも。

意外と自分のSSでハッピーエンドで終わる作品って、凄く少なくて貴重だったりしますから><

後、今回久しぶりに触手さんの登板となりました。今までもそろそろ書きたいなぁとか思ってたんで、良い機会に
なったんではないでしょうかと思っております。触手さんが登場するSSも自分の奴では少ないですから

そして完全な裏話。SSに登場したタコ、こいつ、実は一度自分のSSに出演してしっかりと一人の女の子を襲ったタコと同一個体だったりします。今回はコンビを組んで襲ったと言う訳ですね。

自分のSSには、こうした地味な所で世界観が繋がってるという話も多かったりするかもです。少なくとも、ファンタジーではない物、つまり日常系SSは、全て同時間軸、同世界観で繰り広げられてる話だったりします。

以上余談でした。

このSSの話に戻りましょう。実は、このSSには自分が凄く良い!(どちらの意味でも)と思った他者様のくすぐりSSのシチュエーションを一つ取り入れてあります。

それがどこのシーンで、どのSSをリスペクトしているかを考えてみるのも面白いかもしれませんね。

また、最後のイズミがシズクを救出しようと自己を犠牲にする所は、ある特撮のあるシーンを参考にして書いたんですけど、これがどの特撮でどのシーンか当てられる人は完全に自分と趣味が一致してます! 友達になりましょう。

さて、結構色々書いたかな。SSが長いとあとがきでも書かなきゃいけない事が多いからどうしても長くなってしまうね。



では、今回はこの辺にしておきましょう。また数日後に、おつんでれ~~~~~




今回没描写というのが一つもなかったのは初めてだよ! 快挙だね!!

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ソーダ

Author:ソーダ
SS制作しているブログです、淡々とやってまいります。これからも

最新記事
最新コメント
カテゴリ
リンク
カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
擽物語カウンター
月別アーカイブ
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR